「愛は勝つ」の歌を知る
NHKの『ルポ 死亡退院〜精神医療・闇の実態〜』をみた。
あの環境下で「愛は勝つ」を歌った男性は、最後まで信じたのかな。私なんかよりずっと健気で、信じ続けたのかな。死んでしまったこの方の愛はどこに行ったのだろう。あの人の愛が勝つのはいつなのか、どんな状態になったときをいうのか。あの弁護士の方が戦い続けることは、男性の勝つ、を支えるのかな。
番組の内容は衝撃的だった。病院や行政もそうだけど、家族というものの危うさも否めない。家族こそ大きな闇を抱えているのではないかと、すぐ私はそうやって疑ってしまう。
明るそうに見えても障害者が現れたら崩れるかもしれない。家族は「家族ではない」と放置するかもしれない。障害を持つ人が悪いのではなく、"障害たらしめる"周りの環境や人の考え方態度があるのではないかと...
「愛は勝つ」は、1990年にKANというシンガーソングライターによって作られた曲。有名なようで、以前どこか聴いたことはあったかもしれないけれどアップテンポで明るい雰囲気だから自分は気に留めなかったのかもしれない。この番組の中で亡くなる前に残された男性の最後の音声として静かな歌う声が流されたときはそういう呟きなのか思ったのだけど、調べてみたらちゃんと原曲があって、またそれは男性の声とは反対の明るい雰囲気であったのに驚いた。この男性も原曲は知っていたんだろう。最後の声と元の曲の雰囲気が正反対で、悲しい。
でも、もしかしたら明るい雰囲気の曲だったからこそ、男性の心に残り続けたのかもしれない。好きな曲になった。
「心配ないからね
君の想いが 誰かにとどく
明日がきっとある」