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【デュア・リパ】 のどがつぶれるまで、愛をさけべ! 【ライブレポ②】


11月16日土曜日。
その日は、いよいよデュア・リパにあえる日だ。


グッズが事前に買えたことで、ライブ当日は体力を温存することができた。
というのも、昼過ぎまでは家にいられたからだ。
16時半の開場を目指して家を出て、早めの夕飯をすませて17時には座席についていた。

席はスタンド。ステージを正面にしたやや左側だったが、全体がしっかり見える。さほど悪くない席だ。

それから開演時間の18時を、昨日やっとの思いで手に入れたTシャツを着て、いまかいまかと首を長くして待った。

18時になった。
まだ始まらない。
5分過ぎた。
まだかなぁ。まだかなぁ。
10分過ぎた。
まだかなぁ、まだかなぁ、まだかなぁ……!

このまま1時間経っちゃったら、どうしよう。
探しにいく? デュアのこと、探しにいく?

15分過ぎた。
そのとき。

ダッダダ ダッダダ ダッダダ ダッダダ……

会場の照明が落ち、力強いサウンドともにステージが赤く染まる。
それと同時に場内から割れんばかり歓声がわき起こった!
するとさっきまでの不安は消し飛び、気づけば私も思いっきり「フウゥゥゥウウッ!!」と叫んでいた。

その後一度照明は落ち、何かのセリフが聞こえてくる。

(調べたところ「ワイルド・エンジェル」という映画のセリフで、デュアの好きなバンド(プライマル・スクリーム)が、サンプリングして楽曲に使用していたのと同じものらしい)

(「自由に生きたい 気の向くままに酒を飲んでパーティを開くんだ」みたいな内容のようで、きっとライブを一緒に楽しもうというデュアからのメッセージなのかもしれない)

そのセリフが終わると、ライブのオープニングにふさわしいあの曲が流れてくる。
ジャン ジャン ジャジャッ
ステージの中央奥から、スタンドマイクを斜めに両手で持ったデュアが、一歩ずつ一歩ずつその場を踏みしめながら私たちの前に現れる。
堂々とした姿。
マイクを立て、サウンドに合わせて力強く頭をふる。
デュアの緩やかなウェーブがかった髪が振り乱される姿は、痺れるほどカッコいい!

♪Are you
Someone that I can give my heart to?♪

低くて最高にクールな歌声が会場に響きわたる。
オープニングは「Training Season」だ。


私はたいてい、どのライブでも感動してぽろっと泣いてしまう。
例えば今年2月に行ったテイラー・スウィフトのライブでもオープニングで泣いてしまったし、
何度も行っているはずの福山雅治のライブだって、今だにうるっときてしまう。

しかし、なぜだかデュアのライブは涙がちょっともこぼれなかった。

むしろ私の心は熱く滾っていた。
祭りだ。これは祭りなのだ!
もし私が男だったなら、頭に鉢巻、裸でハッピ、褌しめてデュアが乗った神輿を担ぎたい!
神輿の上ではデュアがその華麗なダンスを披露してくれている!
そして、掛け声は「わっしょい」ではない。
「フウゥゥゥゥウ!!!!」だ!
もう、何度「フウゥゥゥゥウ!!!!」と叫んだかわからない。

デュア 「TOKYO〜!!」

私   「フウゥゥゥゥウウウッ!!!!」

デュア 「○×※△□×◎※! ○×※△※□×☆〜!!」

私   「フウゥゥゥゥウウウウッッ!!!!!」


英語はわからない。だが、感じろ!
ハートで感じろっ!


私たちオーディエンスが熱く盛り上がる姿を見せることで、デュアにもっと日本を好きになってもらいたい!

そんな一心で、私は全力でフウゥゥゥゥウ!と叫び、手を叩き、喉をつぶす勢いで一緒に歌った。


デュアのすごいところは、終始踊りっぱなしなのに、
けっして呼吸が乱れないところだ。
歌いながら頭を大きく左右に振ったり、ときには大きく後ろにのけ反ったり。だけどけっして歌声が途切れることはないし、乱れたりもしないのだ。
ときおり歌い方をアレンジしてくれる場面もあるのだが、それがなかったらCD音源なのかと思ってもおかしくないほど乱れなかった。

そして、ダンスもいい。
彼女のダンスで特徴的だな、と思うのは腰づかいだ。
円を描くようにまわしたり、上半身から体が波打つように腰を動かしたり。要所要所でくるくるくねくね動くのだ。
そのしなやかで女性らしいダンスと、デュアの低くて力強い歌声の組み合わせがとてもいい。

こう書くとなんだかセクシーに感じるかもしれない。
というか、そう、セクシーなのだ。
それは衣装もそうだった。
計5回ほど衣装チェンジをしたが、どれも丈が短くボディラインのわかるものだった。とくにパンツのときはかなりのショート丈で、ぷりんとしたお尻の下三分の一がしっかり見えていた。
だけどそれが彼女の長い脚を強調させ、スタイルの良さもあらわしていた。

デュアのライブではあまりMCの場面はなかったのだが、途中、前日のサイン会の話しをしてくれた。

私が執念の再原宿に挑んだその日、デュアは渋谷のタワーレコードでゲリラサイン会を行った。
夕方から始まるそれは、当日の告知にも関わらずあっという間に整理券がなくなったそうだ。
そしてそのサイン会で、ファンから「明日サメのコスチュームを着て行くから見つけて欲しい」と言われ、見つける約束をしたらしい。

MCではその約束に触れ、なんと本当に見つけてくれていた!
アリーナ席にいたそのファンに声をかけ、名前を呼んであげるデュア。
すごいことだ。サイン会ではたくさんのファンと話したろうに、約束を覚えていたのだ。
私が約束をしてもらったわけでも、名前も呼んでもらったわけでもないけれど、同じファンとしてとても嬉しい気持ちになった。


さて。ライブはどんどん進み、最新アルバム「Radical Optimism」の最後を飾った曲「Happy For You」を歌い終わると、彼女は「Thank you !」と言ってステージを去ってしまった。
そして、照明が暗くなる。

(あ……終わった)

おそらくこの後はアンコールだ。
そのことは頭ではうすうすわかっている。
待っていれば彼女は再び姿を現してくれるはずだ。
周囲の人々も、一旦落ち着こうと席につく人がそれなりに見受けられる。

(どうしよう、座ろうかな……。でも、なんか座ったら終わっちゃう気がするな)

そう思って、座れなかった。
早く出てきて、デュア!
デュア、デュア、デュア、デュアデュアデュアデュアデュア……!!

アニマル浜口よろしく、心でデュアの名前を一心不乱に連呼していたそのとき、
ついにステージにエネルギーが再び注入された!

光り輝くセット。
そして「Come on !」「Come on !」「Let’s get Physical !!」のコーラスとともに、ダンサーたちの中からデュアが現れる。

そこからはもう怒涛のように声を張り上げた。
「Physical」は、大好きな曲だ。デュアに届けとばかりに大きな声をだした。

それからアンコール2曲目の「Dance The Night」からの「Don’t Start Now」の流れは、つなぎがかなりカッコよかった。

このライブは、どの箇所もとにかく曲から曲へのつなぎがスムーズでカッコよかったのだが、とくにここは好きな場面だった。
「Dance The Night」のリズミカルなメロディーを残しつつ、そこから違和感なくすうっと「Don’t Start Now」にバトンタッチしていく。
ミラーボールのような衣装を煌めかせながら、ダンサーたちと並んで腰をくねらせる。その指先は一糸乱れず左から右、右から左へと優しくなめらかにオーディエンスを指差していく。
その指先に導かれるようにして、私たちは「Don’t Start Now」の大合唱へと移行した。

そして終わりたくはないけれど、ついに最後の曲がきてしまう。
「次が最後の歌だよ!準備はいい?」
と、言うような言葉にオーディエンスが歓声で答えると、デュアは大きくうんうんと頷いて、この夏何度も聴いたあの曲のイントロとともに腰を振り、両手を波打つように左右に振る。

最後の曲は「Houdini」。
言うまでもなくこの曲のパフォーマンスもカッコよかったし、こちらもみんなで大合唱だ。
そしてライブには何箇所かチャントと呼ばれる掛け声を入れる場面があるのだが、この曲は2番のサビの直後だ。
このチャントは事前にSNSなのでも「必ず成功させよう!」という呼びかけがファンの間で広まっていた。
しかし、タイミングが意外と難しく、サビの直後にデュアがマイクをサッとダンサーに渡すので、それを合図に大きな声でこう叫ぶのだ。

「Let’s Goooooooooo!!!」

声がかすっかすになっていたが、ばっちりタイミングを合わさられた。
それにここのダンスパートも長い手足をダイナミックに動かしていて、パワフルでとてもカッコいい。

再びデュアがマイクを手にすると、ダンサーたちを引き連れて花道を歩いてくる。
そこでファンに向けて最後の言葉をかけ、メインステージに戻り、ギターの力強い音色に合わせて膝をつく。それからそのまま見事にぺったりと背中が床につくほど大きく後ろにのけ反った。

私はその大技に興奮しながらも、
(あ、もう終わっちゃう……)
と頭の片隅で名残惜しさが顔を出していた。

そしてデュアがステージ奥に立ち「Catch me or I go Houdini !」(捕まえないとフーディーニみたいに消えちゃうわよ!)と歌いきったとたん、本当に曲名になっている奇術師フーディーニのようにサッとその姿を消してしまったのだった。


約100分のライブは夢のような時間だった。
当然、喉はかれた。
だけど、最高の時間だった。

ライブからもう一週間ほど経つが、いまだにあのときの興奮が冷めないでいる。

最高の時間をありがとう、デュア!
またすぐ日本のファンにあいにきてね!



前回の記事はこちら。


デュアの曲についてはこちら。



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