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在宅介護は本当に無理なの?

昨年の10月、母は体調の悪化で入院をすることになりました。
高齢であったため原因の精査は体力的に難しいと判断し対症療法として輸血をするというものでした。

1泊2日の入院でした。入院が決まるまでの外来の待ち時間は
母に触れ合うことが嬉しくて嬉しくて、ずっと横に座って手を握り話をしていました。


1,家に帰るという夢


1泊2日の入院が終わり病院へ迎えに行った時、私はまた母に会えなくなることがとても辛く、もっと一緒に居たい、家族との時間を過ごしたいと願い
施設側に外出として自宅に戻れないかと相談しました。
施設側は母の今後の命の時間を考慮し許可してくださいました。
私は家族団らんで母の笑顔と嬉し涙を見れたこと、大好きなお寿司を一緒に食べたことが悔いのない時間が過ごせたと思っていました。

そして何よりも母が「いつ死んでもいい、やり残したことはないよ。ありがとう。」と言ったことが何よりも幸せに感じていました。

母はまた施設に帰っていくわけですが私達家族は母が家に帰るための準備をするから待っててねと嘘をついたのです。
それは面会に行くたびに家に帰りたいと母が嘆く言葉が辛くて仕方なかったからです。


施設へ帰る車の中で、いつ母に会えるかこれで最後かもしれない、母の願いである家には帰ったけれど、本当に家に帰ることが叶えてあげれない現実に申し訳なさでいっぱいで、母の横で車を運転しながら泣いてしまいました。

私はこの時、最期は施設だから母が旅立つときには一緒に居れないかもしれないと思っていました。


2,介護と私の人生

母の事は大好きだけど在宅介護をする為には仕事を休まなければなりません。その時に配属されていた部署は病院ですが介護分野の仕事をしており
私が休むことで私の代わりに看護師を病院から応援に来てもらわなくてはいけない現状でした。
上司と同僚には母の様子を伝え相談に乗っていただいていましたが
私は在宅介護には消極的で上司や同僚も現実的ではないと思っていたと思います。
しかしこの相談の繰り返しで、私達家族がどのくらい母の事を大切に思っているか伝わったと思います。
ーーーーー在宅介護をすることを応援してくださり、後々在宅で看取れた事を報告すると自分事のように安堵してくださり思いに沿って介護の様子を涙しながら聞いてくださいました。直接的な協力者ではありませんが、身近な人達や職場の人に伝えておくことも心の支えになるし、介護するわけではないけれど一番の協力者になって下さるのではないかと思います。ーーーーー


在宅介護や看取りを行う上で必要なのは介護者の覚悟が必要です。
そして他家族の協力も必要ですよね。
私は家族から在宅介護をすることを反対されていました。
実家には兄が一人で住んでいましたが、仕事が忙しいのと介護は全くしたことはないし施設に居ることでお互いに安心できているのにわざわざ家に帰る必要はあるのか?
嫁いでいる姉は姑の介護をしているし、もう一人の姉は自分の体調を気にして在宅介護に踏み切れずにいました。

私はいつまで在宅介護が続くのか予想もつかない中、介護休暇取ると職場に迷惑をかけてしまう、それだけは避けたい、家族から反対されているなかでもし介護に限界がきてしまったらどしよう・・・などと考えていました。


3,本当にこのままでいいの?

施設への面会へたびたび出向いていましたが、母の容態は悪くなって車椅子に座っているのもやっとになってきていました。

兄へ「家に連れて帰りたいよね?」「母さんに申し訳ないよ」
と遠回しに聞いてみます。

「見る人がいない。施設でよく見てもらっているから十分だ」
そんな答えが返ってきます。

私は自分から「家に連れて帰りたい、私が介護するから」と言えずにいました。兄が連れて帰ろうと言ってくれないかな?そんな風に思っていたのです。自分で責任を負いたくないと感じていたのだと思います。

でも本心は在宅で看取りたい、そう思っていました。
本当に仕事を休めないのか、本当に家族は協力してくれないのか
本当に介護できる環境にないのかと考えました。

そして母が衰弱している様子を聞いて、いてもたってもいられず
日曜日の夜の事でした、兄に介護したい気持ちを伝え了承してくれ、その次に上司に介護休暇の申請する意向だと伝え、そして翌朝に施設へ電話し、ケアマネジャーを探して・・・

自分でも驚くぐらいスムーズに事が運びました。

そして家族で母を囲み最期の時を過ごすことが出来ました。


4,親の看取りで不安などないですか?


皆さんは親の死を意識されたことはありますか?
または看取りをされた方いらっしゃいますか?
40代、50代になると親も年を取りある人は大病を患って死を意識した、
または終活ブームで最期をどのようにするか、延命治療などについて話した事がある、今まさに介護真っ最中でいろいろ考えているがどうしたらいいか分からないなど、それぞれの環境や状況で抱えている課題も違うと思います。
私の知人にも親の看取りをした方がいらっしゃいます。
一人はステージ4のがん告知を受けた母親の看取りを行った看護師
もう一人は植物状態で3年生きた叔父と突然余命1か月という告知を受け父親を看取った看護師
そして施設から自宅に引き取って看取りを行った私の3名で
「親の看取り意見交換会」を行おうと思っています。
皆様が悩んでいることが解決できたり、違う考え方を聞いて参考にされたり、同じ悩みを共有し励みにしたりと
参加された方が少しでも安心できるような会にしたいと思っています。


親の看取り意見交換会

2022年11月3日(祝)
14:00~16:00  ※予定

ZOOMで行います。
近くなったら詳細をお知らせいたします。





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後悔しない親の介護✿ 郷堀有里夏
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