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溢れて落ちて。

投げられた善意を受け取れば
それはたちまち悪意へと変わる。
向けられた好意に応えれば
それはたちまち毒となる。

その中でわたしは 何を信じればよいのだろう

今まで信じていたものが
音を立てて崩れゆく
掬い上げようとしても
さらさらと指の間を溢れ落ちて
壊れていくそれを ただ見つめている

それがどこで止まるのか 私にもわからない
引き金なんて存在しない
ただ時が来てしまっただけ
重力に逆らうことなんて 誰にもできやしないこと

分かっている 分かっているけれど
ただ見つめているには重すぎるそれを
どんな思いで眺めればよいのだろう
足元に広がる砂を
どうやって拾い上げればよいのだろう