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私たちの韓国珍道中/音楽とご飯と買い物と友達と vol.2

宿に着いて2時間の仮眠を取ってようやくソウルの街に繰り出す。この日は相方がタトゥーを入れる予定があったので、朝ごはんを食べてから別行動して再度集合という流れだった。

会賢駅(회현역)🚃

まず向かったのは会賢駅。ソウル駅の隣の駅のためソウル駅で降りて歩いて向かうこともできる。この駅のすぐそばにある南大門市場が今回のお目当てである。

南大門市場

会賢駅の5番出口を出ると、もう既に南大門市場に足を踏み入れていた。パチモンのMardiやsupremeなどのTシャツを見ると、韓国に来た実感がふつふつと湧いてくる。どこのお店も所狭しと天井の方まで商品が陳列されていて、元気いっぱいの店員さんがこの商品達を売り捌く。市場特有の混沌としてエネルギッシュな空気で満ち溢れていた。
商品と同じようにお店も隙間なく軒を連ねている。そんなお店とお店の小さな隙間にあるのが南大門市場のカルグクス通りだ。

実物の入り口はもっと分かりにくい

カルグクス通り🍴

両隣を服屋に囲まれた小さな入り口をくぐると、別世界が現れた。感覚的に言うと9と3/4番線くらいの衝撃。韓国は各料理の専門店が密集して通りを成していることがよくある。カルグクス通りにあるお店も文字通りカルグクスしか売っていない。きっと何処のお店に入っても同じように美味しいのだろうが、今回は私が絶対的信頼を置いている韓国系YouTuberのかおるちゃんがオススメするお店に。

みんなひたすら飯を食う

通りに一歩足を踏み入れると、おばちゃん達の呼び込みの洗練を受ける。そんな呼び込みの嵐の中を進んでお目当てのお店を見つけるが、1人分しか席が空いていない。入れないか…と落胆していると、「入れるわよ!!ちょっと待って!!」とおばちゃんに引き止められた。おばちゃんの合図でお客さん達が一斉に少しずつズレてくれて、何とか"1.5人分程"のスペースが現れた。前回の渡韓では広蔵市場でお尻半分のスペースに座ってご飯を食べたので強い気持ちで挑む。韓国の市場で食事をする時に大切なのは周囲との協力だ。

ここのお店は3姉妹で営んでいるらしい

メニューは写真の通り。腹ペコだった私は2番の「カルグクス+ビビン麺+麦ビビンパ」、相方は少食なので1番の「カルグクス+ビビン麺」のセットにした。市場はとにかくスピーディーだ。座った瞬間から食べ終わるまで休む時間はない。注文してすぐにおばちゃんが目の前で麺を切り始めた。切るというより、もはやデカい包丁とまな板で奏でていた。今更だがカルグクスとは、カル=包丁・グクス=麺という意味で包丁で切った麺のことを指す。素麺のようなグクスとは異なり、日本のうどんに近い。
私たちの左にあった隙間におじさん3人組を一生懸命詰め込んでいる間にカルグクス以外の品が運ばれてきた、いやほぼ投げられた。ステンレスの机と食器で良い音がなる。これこれ、こういうのが良いんだよなぁと思いながら、相方と目を見合わせて爆笑してしまった。

これとカルグクスで8,000ウォンという驚きのコスパ。写真で見るとビビンパはかなりの量に見えるが、ご飯はお茶碗小盛りくらいだった。とは言え野菜もあるしかなりの満足感だったので少食の人は要注意かも。


すぐに麺が茹で上がり目の前にはたくさんのお皿が並べられた。すごい手際で6人分くらいのカルグクスがあっという間に完成した。
いざ人生初カルグクス。ん?食べたことない味だし、なんの味付けなんだろう…?でもめちゃくちゃうまい。なんの出汁か分からないがさっぱりしたスープには海苔が溶けて鼻に抜けるいい香りがする。手打ちの麺を使っているからかスープにはとろみがあって、麺は厚さも長さもばらばらで食感が面白かった。食べていけばいくほど美味しくなる。深夜便に乗ってきた疲れに染みる最高の朝ごはんだ。
「町中華のラーメンが運ばれる時に器に入っているおばちゃんの指からは出汁が出ている」と昔マツコデラックスが言っていたと思う。この市場での食事はまさにそんな感じだった。このおばちゃんが作っているから、この場所で食べているから特別最高に美味しい。

赤い味噌が乗ってるが辛くない

ビニール袋に余った麦ご飯を詰める夫婦を横目に見ながらお会計を済ませ店を後にする。さて相方はタトゥーを入れに、私は買い物をしに、ここで一旦解散だ。

市場飯の注意点🚨

市場でご飯を食べるのは普通の飲食店とはちょっと勝手が違ったのでまとめてみる。

★現金払いが基本なので絶対に現金を持っていくこと。これが一番重要!

★市場にトイレはないと思え!私の場合は駅のトイレを利用した。ただし改札内にトイレがあることも多いので注意が必要。

・水は持参した方がいいと思う。今回は例外だが食べ歩き系の市場で持参すると重宝する。

・ウェットティッシュの持参もおすすめする。韓国あるあるのトイレットペーパーはあるが、それでは対応しきれない汚れには心強い。

おまけ(南大門市場を散策🚶‍♀️)

相方と別れたあと、南大門市場を少し散策してみた。私にとっては初めての卸売市場だったので見るもの全てが新鮮で、まさにお上りさんだったと思う。
商品の種類ごとに売り場が固まっているらしく、私がたまたま入ったビルはアクセサリー専門の建物だった。12時過ぎでちょうどお昼時だ。さすが出前大国、どのお店の店員さん達も배달(出前)で頼んだご飯を食べていた。商品の隣で椅子にあぐらをかきながらご飯を食べるその光景が、あまりにも私が想像する韓国の姿でワクワクが止まらない。とはいえ観光客らしい人がいない卸売市場での買い物はかなり緊張してしまい、ろくに商品も見られずに建物を出てしまった。次回の渡韓では絶対にリベンジしてやる。
建物を出た後は市場をふらふら歩いた。食器などの生活用品も、スマホケースなどの雑貨も、服も、食品も、屋台も本当になんでもある。ここの近くに住んでいたら買い物に困ることはないだろう。絶対に無敵だ。
東大門市場が有名だが、東大門市場が"夜"だとすると南大門市場は"朝"らしい。朝派の人はぜひ南大門市場も視野に入れてみてほしい。お土産を買うもよし、グルメ目的もよし、韓国らしい雰囲気を楽しむもよし。個人的にはかなりおすすめの場所だ。

びびってディープな路地にも行けず、屋台のおでんも食べられなかった。再訪問への熱をふつふつとさせながらvol.2はここらへんで締めたいと思う。

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