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「La Mère 母」雑感
何度も何度も同じ夜、同じ朝を迎えるアンヌ。
どれが現実でどれが妄想なのか、もしくは全てがアンヌの夢の中なのか。
アンヌが赤いドレスで踊り、薬を並べて恍惚とする様子はまるでマリリン・モンローのようだったけれども、あの狂気はアメリカのフラッパーガールのエキセントリックさを彷彿とさせる。好きなことをしろと言いつつ、実際には女性を縛り付けてることにすら気づかない男社会の中で、自立と依存の狭間に放り出される女性が向かう先。
フラッパーガールと言えばゼルダ・フィッツジェラルドも思い浮かべた。
小説家であるスコット・フィッツジェラルドは妻のゼルダが統合失調症で入院しても病院にも行かずに別の女性と暮らして執筆活動に専念していたから、ピエールは私が想像していたよりもずっと優しい男性だった。
あの美しいラストシーンだけが現実であれば良いなと思った。