2020/5/13 晴れ 東京

韓国のチェリストOkkyung Lee(イ・オッキョン)の新作『Yeo-Neun』を流しながら眠る。入眠作用は強いが、ノイズで何度か目を覚ます。水曜日の朝。野上優佳子さんが作っていたマスタードをたっぷりのロメインレタスと玉子のサンドイッチが食べたい。しかし今朝の我が家にはパンもレタスも卵も時間もない。今週末はタモリカレーを作ろう。そして今日は明太スパゲティを作ると家を出る前に決めておく。

小沢健二「彗星」を聴きながら出勤する。彼にとって1995年、つまり王子様期の真っ只中、は心が凍えそうな長く寒い冬だったことが告白される。だからこそ瞬間最大風速の希望が必要で、後にその熱や光は刹那と回顧される。人生における瞬間と、宇宙における暮らし。どちらも刹那には変わりないではないか。反復で自己模倣だが、強度は失われていない。『So Kakkoii 宇宙』を「子供写真付き年賀状」と揶揄する声もあり、アートワークとタイトルのセンスは疑問だが、そんな隙だらけで緩い作品では決してないと思います。でも音はちょっと貧弱かな…。

読みたい本や聴きたい音楽が山積みで、有り余る空き時間を利用して消化したいが、どうしても雑談やらで時間が過ぎる。らっきょう太郎さんのnoteにThose Dancing Daysが登場しており、懐かしくて胸がいっぱいに。巻き毛のボーカリストのルックスがLa'sのジョン・パワーみたいで好きだった。「Those Dancing Days」のビートの質感、めちゃくちゃ好みだ。彼女たちのシスターフッド感と対をなすように、同時期にリリースされたThe Rumble Strips『Girls & Weather』のホモソーシャルな空気にも強く惹かれた。恋にずっこける男の子、袖にする女の子。インセルなんて、まだ誰も思っていなかった時代。

自分を少し褒めてあげたいのは、全然モテなかったし、男子校だったし、でもずっと現実を諦めたり恨んだりしなかったことは、ちょっと偉かったと思う。そして、それは小沢健二の存在が、特に王子様期の彼の存在がとても大きかった。「誰かにとって特別だった君を/マーク外す飛び込みでサッと奪い去る」。加害者側のラブソングを内面化することで被害妄想を回避していた。ドゥワッチャライフの「失敗について」も内面化した気がする。

一番ダメなのは笑ってごまかしちゃう人。失敗を笑ってごまかして、成功にマジメな顔して何か意味を持たせよーとする人。そんなダサい人に僕はなりたくない。成功こそ笑ってゴマカしてしまうべきだと思いませんか?

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空腹で倒れそうになりながら帰宅。鍋にお湯を沸かす。塩はたっぷり。明太子を包丁で縦にしっかり二分割したものを、頭から刮ぐときれいに分離できる。パスタを茹でて、バターの塊をフライパンに落とす。バターが少し焦げたら茹で汁大さじ×2を加えて火を止める。ちょうどいい塩っぱさ。ササッとパスタにソースを和えて、明太子のほぐし身を満遍なく上から散らす。予熱で明太子が白っぽくなれば成功。粉チーズと追いバターとたっぷりの刻み海苔。うまーい。カロリー味やな、と難消化性デキストリンも沢山飲む。ごちそうさまでした。

井上鑑『カルサヴィーナ』が再発されると知り、急いで購入する。『SPLASH』を聴きながらうたた寝。3時間ほどで目を覚ませば、すっかり身体が軽くなっている。やっぱり寝不足だったんだね。妻に電話すると、娘はもう寝てしまっていた。ふたりが帰ってくる前に荷物を整理しなきゃ。電話を繋いだままでベランダに。夜風が涼しくて気分がいい。煙草に火をつける。煙草吸ってる?と妻、吸ってないよと僕。すぐにバレる。うちのベランダで味わう煙草の美味しさはふたりとも知っている。深く煙を吸って、なるべく高くまで強く吐く。


今日の一曲/Those Dancing Days「Those Dancing Days」


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