クラウドファンディングについて改めて考える
クラファンってどんな人が立ち上げるもの?
自分が初めてクラウドファンディングに触れたのは、2014年で、当時はReady forが最大手だった記憶があります。知人のプロジェクト、いわゆるAll or nothing方式、結果としては目標金額に達することなく終了しました。私は立ち上げた側ではなく、寄付する側でしたが、なかなか金額が上がっていかない経過に、クラファンの厳しさを見せられたような印象が残っています。
その後、クラウドファンディングからしばし離れていましたが、2017年末から2018年にかけて、仕事で、都庁の仕事でとあるプロジェクトを次年度「クラファンで資金調達」と言われ・・・
正直意味がわかりませんでした。例えば夕張市役所のような財政再生団体ならまだしも、最も富裕な自治体である都庁。一極集中の首都圏でがっぽり税収が入る(イメージ笑)自治体が、なんでわざわざ「この事業をやりたいから、クラウドファンディングでお金ください」的なことをやらねばならぬのか。ストーリーが頭にうまかびませんでした・・・
結果、人事異動によりその件は同僚に引き継いだ形で見事に形にしてくれたようですが、クラウドファンディングってなんなのだろう・・・というモヤモヤが残った形になりました。
当時、私が考えていたクラウドファンディングは言葉のとおり、「投資」ですが、さらに言えばプロジェクト単位のファンドレイジング(非営利組織の資金集め)のイメージに近しいものを抱いていました。
「意義ある活動」だが、
「資金や提供ルートがない」から、
「広く資金提供を呼びかけ、賛同者を募る」
現在のクラウドファンディング
そして、時は流れ、クラウドファンディングのプラットフォームも増えました。寄付の側面というより、D2C、かつ先行購入型の販売促進の手法に変わってきています。
AnkerがMakuakeで1億達成、あのCanonがPowershotをクラウドファンディングで販売です。
大手にとってこのクラウドファンディングが有利なのは、Amazonなどと違って、競合商品が同一プラットフォームで販売されていないことによって、ユーザー側が価格や性能による比較検討にならないことです。
我々ユーザーは何かを購入しようとするとき、価格、性能などの側面を競合商品と必ず比較します。ただ、クラウドファンディングの場合、そもそもストーリーへの共感ベースの購入なので、詳細な比較検討云々よりまずこの企業・法人への思いが優先されやすいということ。
クラウドファンディングはもうWEBサイトへの広告出稿に近くなっている印象すら持っています。あの分量で、売上見合いの手数料というのは、大手にとっては割安感すらあるのではないでしょうか?
中小企業でのクラファン
ではあえて、中小や小さい組織でクラウドファンディングをしたいならどうすべきか?制作費用全てをクラファンで賄う、というスキームは、背景によほどの社会課題解決などの共感要素がない限り、かなり厳しいかもしれません。
クラウドファンディングは売上に対し最低でも10%、通常20%程の手数料が発生します。そこも見据えての設計となります。
多くのクラファンの中から見つけてもらうために、トップ画像は手作りでもいいですが、それなりのクオリティが重要になります(外注する場合もあります)。
リターンの価格設定については、送料込みの価格となることに注意してください。発送する物がデータなどメールで送れるものなのか、郵便なのか、宅配便なのか、コスト計算もだいぶ変わってきます。
目標達成額の設定のしかたなどもいろいろ工夫が必要です。達成率がいつまでも低いプロジェクトに対し、人は心を動かされません。
そして「お金が足りない、お金が欲しい」が前面に出過ぎるプロジェクトも要注意です。クラウドファンディングを検索すると、次のキーワードの予測候補として「乞食」と出てくるのをご存知でしょうか?要は私用目的のために、不特定多数のユーザーに金品を要求することを指すようです。なんとも刺激的なワードです。
あくまでクラウドファンディングは「社会課題の解決」「ユーザーへの商品・サービスの提供」など、広い範囲へのメリットが求められます。メリットの範囲が狭小だと「乞食」と称され、炎上するリスクとなりますので、そこは十分お気をつけください。
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