富山の旅Part 3〜城端別院善徳寺「虫干法会」〜
こんにちは。Kiwi PR合同会社の植田聡子です。富山の旅も第3弾、これでラストです。なんだか名残惜しい。。。
水と匠さんのキュレーションはすごい
濃密な富山の旅、それは「水と匠」さんのキュレーションによるところが大きいのです。「水と匠」って何?という方、ぜひ一度こちらのサイトをご覧ください。いわゆるDMOや観光協会のサイトとは思えない、クリエイティブに驚かれることでしょう。
「映え」とか「食べ放題、詰め放題」的な私が苦手とする領域が皆無。まるでアパレルやギャラリー、素敵なウェブマガジンを読んでいるような、写真も文章も全てがストライクゾーン。
今回の1泊2日は全てこちらのツアーによるものです。富山行きをご検討されている方は要チェックです。
松井機業さんの工房訪問
朝ごはんを食べ、楽土庵をチェックアウト。向かった先は城端にある松井機業さん。
五箇山の生糸をタテ糸に、福光の玉糸(2頭の蚕が共同で1つの繭をつくった「玉繭」からとった糸)をヨコ糸に使用した絹を「しけ絹」と呼ぶんだそうです。江戸時代には「加賀絹」として加賀藩お抱えのこの絹産業、現在この「しけ絹」を富山県内で製織しているのは松井機業のみという、時の流れを感じさせます。
一旦は東京の証券会社でOLをしていた6代目の松井紀子さん。家業を継ぐと決心して、城端に戻ったのだそう。新しいブランディングや商品開発で注目されています。繊維産業、右肩上がりとは言い難い業界で、かつ大手資本が中国などで大量生産しているこの頃、私たちも「シルク」の商品からいかに遠ざかっているかを実感します。
紀子さんは歴史ある絹織物と、新しい感性の商品開発やブランディングで新たな道を切り開いています。蚕の繭から取れる天然繊維は、アミノ酸が結合した繊維で、主成分は人の皮膚と同じ「タンパク質」です。そのため、肌への親和性が非常に優れているし、何より心地よいのです。私もシルクのアイピロー、買ってしまいました。(おかげで夜、爆睡)
本当はしけ絹の日傘が素晴らしくて、買えるなら買いたいとこっそり値札を見たのですが、予算オーバーにより断念(笑)でも、強い日差しの下でこの日傘があると少し涼しく感じられるのです。優秀な日傘、いいなぁ。
城端別院 善徳寺
これだけでいくつも記事になりそうな善徳寺。だって、1万点の宝物が年に一度だけ展示されるのですから。
善徳寺名物、さば寿司。ん?私が思っている鯖寿司はいわゆる押し寿司スタイルなのですが、こちらの名物はちょっと違う!「麹を使わずに発酵させる」鯖はお寺のお手製。味が柔らかく、まだ発酵も浅い感じ。これが発酵進むともっと濃厚な味わいになるそうです。
このツアーでは別院の住職さんのご説明による宝物ツアー。特別感ありますよね。とても贅沢。普通の美術館でガラスケース入りのレベルの作品たちが、たくさん並んでいます。増築を重ねたお寺は、歩いていると、一体自分が今どこにいるかわからなくなる広さです。
宝物は私の語彙では語りきれないほどの美しさ。加賀藩・前田家がいかに京都に近く、誇り高く暮らしていたかが伺われる宝物です。生活の中で使われるものがこんなにも細やかな美しい芸術品だとは、心豊かな街であったことがよくわかります。
この虫干し会は7月の1週間だけ。首都圏でこの行事を知っている人はあまりたくさんはいないかもしれません。
しかしながら、善徳寺にはボランティアガイドさんと、地元近くのお客様で大盛況。「この辺の人?」と聞かれるので、東京から来たことを伝えると、皆歓待してくださいます。よくこんな遠くまで(笑)来たと。そして、この善徳寺は素晴らしいでしょ、と。誇らしげな、でも北陸の方々らしい優しいけど奥ゆかしい感じ。
これは見にくる価値があるお寺(しかもこの虫干し会に!)です。
お寺の中はほぼクーラーが効いておりませんが、「心頭滅却すれば火もまた涼し」。いや、そんなことない。飲み物補給や、汗をこまめに拭う、などのセルフ熱中症対策もお忘れなく。
最後に
富山は元々高校時代の友人が住む街で、彼女を訪ねて何度か旅しています。それでも、まだまだ知らないこと、昔から残っていること、進化していることがたくさんある街です。
呉羽を挟んで東西で文化が異なるなんて、まるで愛知県のようです。
本当に素敵なエリアで、今後もきっと何度となく訪れるであろうと確信しております。勝手ながら、水と匠さんで、現在絶賛スタッフを募集中とのこと。
富山西部の可能性に興味ある方、ぜひ応募してみてはいかがですか??
水と匠さんのお仕事、本当に私だって働きたいです!
あの楽土庵を始めとする、センスとキュレーションスキル、なかなか学べるところはないと思うのですよね。