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「前にここに座ってた人、朝から晩まで泣きながら仕事されてたんです」ブラック管理部が崩壊するまで10

皆様こんにちは。
離職票が元弊社からまだ届かず、萎え萎えなamamiyaです。
いつも記事にお付き合いいただきまして、ありがとうございます!

無職でも忙しい年末、もうイブですが皆さまいかがお過ごしでしょうか?
私は昨日、管理部長に問い合わせを行いました〜。……はぁ。

閑話休題!
本日は、ブラック企業での勤務3日目編その⑤、でございます。

入社4日目が遠くて心が折れそうですが、今日はやっと!
新しい登場人物を出せるので!!頑張ります!!



前回までのあらすじ

(前記事読むのが面倒な人向け↓)

出社3日目、管理部長の指導のもと、新しい仕事である会計ソフトの入力を開始したamamiya。

しかし経理知識ゼロ・IT苦手な彼女謹製マニュアルは頼りにならず、資料の読み方は何故か口頭で伝えるのみという、癖が強い指導方法で、amamiyaは苦戦を強いられる。

彼女が次々繰り出す超非効率手順せいしんこうげきは次第に激化し、ごく普通の会社に勤務してきた彼女に耐えられるものではなく――

amamiyaはついに、仕事の主導権奪取せいとうぼうえいという、新入社員の身ながら禁じ手を使ってしまったのだった。


というところまで、書きました。


経理経験者の入力、早すぎて信じて貰えない件


私がやむを得ず主導権を握り入力目標まであっと言う間に到達してしまったことは、管理部長にとって相当予想外だったのでしょう。
(やらずに済むなら、新入社員ながらこんな強硬手段は取りたくなかったと弁解させてください)

目標の早期達成に喜んだ割に、その後の彼女はしきりに「スムーズ過ぎて怖い」「初めてでこんなに早いとかある…?」と独り言を零しつつ、一項目ずつじぃっと画面を凝視しては確認を繰り返していました。

超常現象のごとく不思議がられているところ恐縮ですが、、、
その問いの答え、<amamiyaに経理業務の経験が10年以上あるから> 以外にないかと思います、管理部長。

ていうかあんた私の履歴書見て採用ゴリ押ししたんだろうが!!!!!
ねぇこれなんの時間!? どういう感情でそれ呟いてんの!?!

「……はい! とりあえず今は全部答え合わせする時間はないことですし、合ってるかどうかは後で私が確認しときますね! お疲れ様でした!」

当時の私、「お手数をかけいたします」とにこやかにお返事しながら、さぞ顔に💢マークが滲んでいただろうと思います。

確かに、いかに業務経験があれど私は新入社員です。
間違いもきっとあるかと思いますし、念入りなダブルチェックも必要ですが、、、疑うならせめて心の中にして貰えませんかね!

仮にも上司に向かって大変アレですが、
なんだこいつ、と思ってました byいらすとや


入社3日目、新しい仕事パート2 編


「とりあえず、予想よりかなり早く終わっちゃったので、amamiyaさんには次のお仕事をお教えしたいと思います! もうすぐお昼ですけど…」

管理部長は壁時計をチラ見して、申し訳なさそうに付け足しました。確かに、丁度ランチタイムに入っても良い時間ではあります。
うっかりさんでトリッキー(マイルド表現)な管理部長ですが、部下の昼食に気を配るような、優しい側面もあることも、一応書いておきますね。

「すみません。私が午後外出するもので、少しだけお時間いいですか?」

そんな事情ならより、NOという訳にはいきません。
私は昼食開始が遅れることを快諾し、「お願いします」と返事しました。

ということで、出社3日目の午前中仕事、延長戦突入です。


1.経理業務の経験者だっつってんだろうがよ

彼女はおもむろに私の隣の席に腰掛けました。
この3日間、隣に来た管理部長を観察している感じだと、振込業務などの経理仕事的には、そのPCがメインで使われているようです。

「すみません、この作業は今度お伝えするので、少し待ってくださいね!」

彼女は慣れた手つきでささっとインターネットバンキングへログインすると、入出金明細のCSVを取得していました。すごい作業スピードだ!!

「今からするのは、銀行残高の確認ですか?」

えっ……!? は、はい! そうです、銀行が沢山あるから、大変で…」

少し前なら、何で驚く??と引っ掛かっていたと思いますが、私はこの3日足らずで理解していました。彼女に関してはツッコミ厳禁、スルー推奨。
体力は温存しておくべき
です。

「ところで明細って、PDFとCSVの両方を取得するんですね?」

「そうなんです。今からamamiyaさんに、トータルの残高確認と、銀行の動き確認用のExcelへ、CSVの転記をお願いしたいと思っています」

「Excelで別途管理してるんですね、分かりました。会計ソフトだけだと、リアルタイムで資金繰り追うのって難しいですもんね」

と、ごく普通の感想を零しただけなんですが、彼女から向けられたのは「信じられないものを見るような目」でした。おおよそ、説明する前に全て理解された!?とか思ったんでしょうか。。。

そんなに驚くことかなぁ… byいらすとや


2.残高を管理する銀行は多いが、パスワードは少ないらしい


そんな感じで、管理部長のご様子を(自前のメモ取りつつ)眺めていた私、改めて驚いていました。

「ログインする銀行、本当に多いですよね……?」

「そうなんですよ~、全部で8口座くらい……ホールディングスも足すと10口座くらいですかね。毎日動くのは4、5口座なんですけど、動く金額も半端なくて

特にメインバンクと思われる地銀の取引明細は、彼女が取得する画面をチラ見しただけでも、入出金が激しいことが伺えました。
これを一人で管理するのは、作業量的にも金額的にも非常に厳しそうです。

この人色々アレなところもあるけれど、慣れない仕事を知識0で引き継ぎするの、物凄く大変だったろうなあ…。

だから管理出来なくて、パスワード兼用してる銀行多いんですよね、、、セキュリティ的にダメなのは分かってるんですけど、つい時間なくって~」

などと、同情しかかっていた私ですが、一気に背筋が冷え込みました

おやおやそれは、穏やかでない話ですね……?
気持ちは痛いほど分かりますが、「お行儀悪いけど、面倒だからつい扇風機のスイッチ足の親指で押しちゃうの☆」みたいなテンションで言う台詞ではないかなぁ~~~~~??

私は9桁くらいの数字が並ぶ残高をチラ見しながら、「そうですか~」と返すことで精一杯でした。
本当なら、すぐにでも変えた方が安全だろうけど、それを誰がするのか…

……一旦忘れよう。
当時の私は結局、問題の先送りを選択したのでした。

例え銀行発行の独自ハードトークンがあっても、
パスワード共有はアカンやつ…… byいらすとや


3.転記作業の引き継ぎ、そしてふいに手に入る前任者情報


「ではamamiyaさん、午後からよろしくお願いします!」

管理部長、どうやら昼に私に仕事を教え始めた時点で、外出予定時間を過ぎていたようです。人の入力結果、凝視してる場合ですかと……。

幸い私は転記用のExcelを覗けば大体やることを把握できたので、焦る彼女を説得して見送りました。
とにかく、午後からの仕事は確保できたことだし、先に腹ごしらえでも…

「amamiyaさん、ちょっと良いですか」

そう思案した瞬間に誰かに呼ばれ、私は少々驚いて振り向きます。
そこに居たのは、ECサイトとアプリ関係の仕事をされている派遣さんでした。両手に沢山の書類を抱えて、重たそうですが…

「あっ!? 私邪魔ですかね!? 何か持ちましょうか!!」

この人は確かいつもはパーテーションの向こうで、管理部長のお隣のデスクに座られている方!確かお名前は…小西さんだ!!
しかしその当時、まだお話したことはなく、私は右往左往しました。すると彼女、マスク越しの笑顔で「中段引き出しに入れたいんです~」と教えてくれます。優しい。

「あっここですね! どうぞ!!」

「ありがとうございます~。あれ、なんか配置変わってる……あ、そういえば管理部長がなんかしてましたね」

彼女は両手に抱えていた資料をしまうと、「これ、来月に使うと思うので置いときますね」と教えてくれたあと、少し申し訳なさそうな顔をしました。

「この机、まだ全然片付いてなくてすみません。管理部長には、『新しい方が来る前に、前の人の資料移動しないとまずいですよ』って何度も言ったんですけど、全然手を付けなくて……」

「いえいえいえ! おいおい片づけますんで大丈夫です!」

何故に彼女が謝るのか!!?!? 私は大変衝撃を受けました。ECサイト担当の方にそんな心配をさせるとは、管理部長めなんて奴なんだ!

「いえ、自分は人事の仕事も一部やってるので、準備出来なくて申し訳ないです。………あと、その、本当に大丈夫ですか?」

さらっと仕事が越境していることを漏らしつつ小西さんが続けた言葉には、何やら含みがあります。私が意図を捉えきれずにいると、彼女はなお、心配そうな声色でこう続けました。

「無理そうだなって思われたら、すぐ言ってくださいね。自分、多分ちょっとは手伝えると思うので…」

「あの、それは一体どういう……?」

付け足された言葉で、私の困惑度は更に増加です。思わず尋ねると、彼女は言いにくそうに、小声でこんなことを教えてくれたのでした。

「前にここに座ってた人、朝から晩まで泣きながら仕事されてたんです…」


次回に、続きます。

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amamiya@令和ブラック転生の人
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