バレンタイン曲の最先端はここにある。[Poppin'Party Sweets BAN!]

バンドリに存在するPoppin'Partyの[Sweets BAN!]という曲をご存知だろうか。私はSwitch勢なのでこの曲に付随するイベントがあるのかどうか等詳しいことは知らないが、初めて聴いた時その歌詞の鮮烈さにとてつもない衝撃を受けた。

この曲はいわゆるバレンタイン曲と呼ばれるジャンルの曲になる。私のような化石のオタクに限らずも元来多くの人が想起するであろうバレンタイン曲の内容とは大きく異なっている。特にバンドリのような美少女ゲームにおいてイメージされるバレンタイン曲と言えばやはり恋愛の曲であろう。

バレンタインに友チョコ交換を心待ちとする心情を描くという着眼点

バレンタインの曲にあり、恋愛要素を一切見せない。あくまでも仲良しガールズバンドのメンバー間でのイベントとしてバレンタインを全力で楽しんでいる。このバレンタインイベントに対する向き合い方、ひいては着眼点に時代の先を感じた。

今は遥か何年も昔、下手すれば十年以上遡ることになるが昔は俺の嫁という概念がオタクの主流であった。だが時代は移ろい現代での主流は推しという概念に加えキャラ間に対する俗っぽく言うところの尊い・エモいという感情が主流である。要は自分という存在を二次元に介入させなくなってきているということだ。

バンドリに限らず現代では様々な媒体でバレンタインイベントにおいて恋愛要素が入らないということはそう珍しいことでない。事実バンドリにおいてはこの曲が出る以前から友チョコにフィーチャーしたイベントストーリーはあった。

だが曲はない。私が知る中でこの曲のような振り切ったバレンタイン曲は知らない。あったら教えてほしい。

だからこそ、この曲は時代の最先端であり、いかにしてバレンタインをテーマとした曲でニーズ溢れるエモさを叩き出せるのかに対する一つの大きなアンサーであると感じた。

一切の前時代的な恋愛要素を出さず、友チョコという要素に全てを注ぎ込む。コンテンツのイメージを崩さず時代のニーズにも合い、なによりも聴いていて楽しい。あまりにも深い感銘を受けた。アイデアの凄まじさもさながら、ここには作り手側の大いなる愛を感じられた。ポピパならバレンタインをこう楽しむといった妄想に対してあまりにも解像度の高すぎるアンサーであるからだ。

この曲がリリースされたのはもう一年ほど前になるが、それでも聴く度にこの衝撃に感銘を受けているし、これが時代の求める最先端のバレンタイン曲であると私は信じて止まない。バレンタインとは友チョコを交換し合う日であったのだ。バンドリというコンテンツは、本当にすごい。



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