2020年 上半期アルバム20選
ロック/ポップス編とメタル編(その他ラウドミュージックも込み)でそれぞれ10枚ずつ。
まずロック/ポップスから。
iri「Sparkle」
最近はこればっかり聞いてる。
神奈川出身のシンガーソングライター、iriによる4thアルバム。
彼女のソウルフルな歌声と、あくまでも日常の延長線上に生まれるような自然とノレるリズムがとにかく聞いてて心地いい。
Dua Lipa「Future Nostalgia」
イングランドのシンガーソングライター、Dua Lipa(デュア・リパ)の2ndアルバム。
タイトルの通り、80年代ディスコサウンドを大胆に取り込みながらも彼女の表現豊かな歌声と個性が存分に出た快作。
羊文学「ざわめき」
日本のスリーピース・オルタナティブロックバンド、羊文学の4thEP。
優しく突き放すようなオルタナに包まれる快感は止めらんねえな。
GEZAN「狂」
大阪出身のオルタナティブロックバンド、GEZANによる5thアルバム。
すべての曲が心拍数のリズムで作られた"狂気"と、この世界の中で"踊り狂う"者どもへの警鐘とメッセージ。
Tame Impala「The Slow Rush」
オーストラリアのサイケデリックロックバンド、Tame Impala(テーム・インパラ)の4thアルバム。
前作までのサイケっぽさは多少なりを潜め、近年のロック界隈の潮流に則ったリズムセクションの強化が施されている。リズムとポップネスが強くなったTame Impalaなんて好きにならないわけナイジャン……
King Gnu「CEREMONY」
今や押しも押されぬ存在となったロックバンド、King Gnuの3rdアルバム。
日本のロックの新たな地平を切り開くに足る力を持った一枚です。
kolokol「WONDERLAND」
アイドルグループ、kolokolの2ndフルアルバム。
伸びやかな哀愁ある歌声とピアノの旋律が美しいアイドルロックアルバム。
藤井風「HELP EVER HURT NEVER」
岡山出身のシンガーソングライター、藤井風の1stアルバム。
たぶん今年のブライテストホープというか大型新人というか、そこらへんの受賞は確実視されてる人。
米津玄師や長谷川白紙を初めて聞いたときの衝撃を思い出した。センスの塊すぎて嫉妬すら起きん。
downy「第七作品集『無題』」
日本のインディー/ポストロックバンド、downyの7thアルバム。
中心人物だった青木裕が亡くなって初の作品。これまで以上に無色の質感が伴う楽曲群。
赤い公園「THE PARK」
結成10周年を迎えたロックバンド、赤い公園の5thアルバム。
新ボーカル・石野理子(ex.アイドルネッサンス)が加入してからリリースされた初めてのアルバムとなる。
心機一転を図ったような躍動感ある曲としっとり聞かせるミディアムナンバーとのバランスが絶妙。そこかしこに垣間見えるひねくれ具合が好きだったのだけど、その強みは残しながらもより幅広い層にウケそうな感じがいいっすね。
続いてメタル編。
ディストーションギターとデスボイスが苦手な人は回れ右!
Protest the Hero「Palimpsest」
メタル版 最近はこればっかり聞いてる。
カナダのプログレッシブメタル/カオティック/マスコアバンド、Protest the Heroの6年ぶりの5thアルバム。フルアルバムとしてはおよそ7年ぶりのリリース。
メンバーの脱退とボーカルの喉の不調により今後が危ぶまれたけどよくぞ戻ってきてくれました。相変わらずのテンションの高さに一安心、その中の緩急の付け方も堂に入ったものでかなり満足度は高かった。
Frost*「Others」
イギリスのプログレッシブ/エクスペリメンタルメタル、Frost*の最新EP。
1st「Milliontown」の頃のドリムシフォロワーから徐々に脱却を図り、今作では完全にデジタル化。前半と後半で印象がガラっと変わるのも職人芸って感じ。
Heaven Shall Burn「Of Truth and Sacrifice」
ドイツのメタルコア、Heaven Shall Burnの9thアルバム。
2枚で1時間半超えという大作ながら、まったく聞き疲れしないバランス感覚はさすが時間をかけて制作しただけのことはある。長いのに気づいたら再生しちゃってるという手軽さも地味に良い。
Havok「V」
アメリカのスラッシュメタルバンド、Havokの5thアルバム。
2010年代初頭に台頭したリバイバルスラッシュ勢の中でも未だに愚直にスラッシュしてる珍しい例。リフのバリエーションも多彩でメロディアスなソロもある。勢いだけじゃないスラッシュの魅力が詰まった一枚。
Code Orange「Underneath」
アメリカのハードコア、Code Orangeの3thアルバム。
ノイズや音飛びなどを意図的に楽曲に取り入れることでさらに暴虐さが加わるという手法。新たなヘヴィ・ミュージックの時代はすぐそこまで来ているのかもしれない。
Igorrr「Spirituality and Distortion」
フランスのコンポーザー・Gautier Serreによる実験的音楽プロジェクト、Igorrrの4thアルバム。
自分の音楽造詣が浅いせいで全貌を把握することは困難なのだけど、ジャズ、プログレ、ブラックメタル、民族音楽、ブレイクコアなどを自らの血肉とし独自の世界を構築する奇っ怪な作品。
Burden of Life「The Makeshift Conqueror」
ドイツのメロディックデスメタルバンド、Burden of Lifeの5thアルバム。
もうほぼ(全部とは言ってない)デスボイスも使ってないしメロデスの形式だけ借りたメロディックメタルと言っていい音楽性になってきてるんだけど、マジで普通に曲が良すぎるので印象に残ってます。
Trivium「What the Dead Men Say」
なんだかんだで世界で人気なTriviumの9thアルバム。
地味に2ndアルバム「Ascendancy」の頃から聞いてるんだけどそんなに追いかけてもいないって存在のTriviumなんですが、今作は一つ一つの曲が聞きやすさとメタルとしてのカッコよさを兼ね備えていて、アルバムとしてもまとまりが良くて最高だった。
Dynazty「The Dark Delight」
スウェーデンのメロディック/パワーメタルバンド、Dynaztyの7thアルバム。
とりあえずPVを貼った"Heartless Madness"のサビが最高なので聞いてほしい。話はそれからだ。
Xibalba「Años en Infierno」
アメリカはカリフォルニア出身のビートダウン・ハードコア/デスメタルバンド、Xibalbaの4thアルバム。
地を這うようなヘヴィネスとカリフォルニアの荒涼とした質感を伴うデスメタリックなハードコアを展開する。ドゥーミーなところはひたすら重く、疾走するところはグルーヴィーに攻める姿勢が気持ちいい。
紹介しきれなかった他にも良いアルバムばかりなのでまた機会があれば紹介します。