超個人的2019年アイドルソング10選
2019年に世に出たアイドル楽曲の中で自分が特に気に入ったものを10曲選びましたので僭越ながら紹介させていただきます。
(アイドル名) - (曲名)
1. ZOC - family name
シンガーソングライター・大森靖子氏が発起人となり結成されたZOC(ゾック)による平成最後の日、4月30日に発表されたファーストシングル。
挨拶代わりの一曲としては強力なロックチューンとなっており、個人それぞれのバックグラウンドを体現し得るにはこれ以上ない歌詞とそれを表現する歌声の力強さ、激しくも切ないメロディなどZOCの魅力がこれでもかと詰め込まれた名曲。
2. nuance - タイムマジックロンリー
横浜で活動するnuance(ヌュアンス)による3rdシングル。本当は2018年12月にアナログ限定で発売されてたけど改めて発表されたのが2019年なので今年扱いで。
nuanceの曲は数あるアイドルの中でも個性的と言ってもよいくらいフックがあるのが特徴で、極めて現代的にアップデートされたシティポップという印象。どうやっても歌メロを乗せるのが難しい旋律にここまでしっくりくる声質と音域で歌メロを乗せてるのは天才としか言いようがない。
3. kolokol - Fanfare
2018年結成。新進気鋭のアイドルグループ、kolokol(コロコル)による2ndシングル。
様々なフレーズを随所に配置する曲構成といい(作曲者はよくわかってる)、これをエモーショナルに歌い上げるkolokolといい、ラストにいくにつれノスタルジックなメロディがどんどん盛り上がるのが最高。ドラムロールが入るサビは反則級にかっこいい。
4. クマリデパート - シャダーイクン
2016年結成、クマリデパートによる3rdシングル。曲名の「シャダーイクン」とはシャイン(光)とダーク(闇)を合わせたもの。
王道アイドルを目指すグループコンセプト通り、底抜けにきゃぴきゃぴした明るいメロディが光ります。かと思えばナチュラルに変拍子をぶち込んでくるという、その隙のない構成は玄人好みでもあります。とりあえずダンスがめっちゃかわいいので現場に行きたい。
5. sora tob sakana - knock!knock!
2018年にメジャーデビューしてからというもの、快進撃が止まらないsora tob sakana(ソラトブサカナ)の2ndアルバム「World Fragment Tour」に収録された曲。
聞いた者みなポストロック沼に叩き落とす魔力を秘めた大名曲「広告の街」を聞いてから早3年、まさかsora tob sakanaがここまで大きな存在になるとは失礼ながら思っておりませんでした。Perfumeのような神秘的な雰囲気と透明感がメジャー級になりもう完全に垢抜けてしまった。
6. 神宿 - グリズリーに襲われたら♡
2014年結成、原宿でのスカウトによりメンバーが集められた神宿(かみやど)による7月26日にデジタル配信されたシングル。
楽曲提供者・清竜人氏らしい特徴のある高低差の激しいメロディと絢爛豪華なMVが印象的な一曲。グリズリーという日本に生息しない生き物を引き合いに出して「襲われちゃうから早く来て♡」とかわいらしくもワガママな歌詞が世の舁夫(かきふ:神宿のファン)を欣喜雀躍させたとかさせないとか。
7. でんぱ組.inc - いのちのよろこび
もはや説明不要の確固たる地位を築いているでんぱ組.incが放つ19thシングル。
トリップ系電波ソングという要素はそのままに、作曲者の玉屋2060%氏のバンド・Wiennersにも通じる民族的なリズムを大胆に取り入れた間奏部分や生命礼賛という究極の博愛精神を歌い上げるでんぱ組の新境地。ぺろりん先生の頭にマンガ肉が乗ってるのがすごくいいですね。
8. tipToe. - 茜
「青春」をコンセプトに活動するtipToe.(ティップトウ)の2ndアルバム「daydream」に収録された曲。
わりかしアップテンポが目立つtipToe.の中でもバラード系のミドルテンポチューンで、語りかけるようなイントロから切なさが爆発するtipToe.の十八番のような曲。なんとなく90年代ポップスを思い出させるサビメロが印象的。ちなみにtipToe.は3年任期制のためもうすぐメンバーのほとんどが卒業してしまう、というエピソードも切なさを倍増させます。
9. CYNHN - 2時のパレード
ロシア語で「青色」の意味を持つ、CYNHN(スウィーニー)による6thシングル。
アイドルというよりはボーカルグループという言い方で表現されることも多いCYNHN。その名の通り、六者六様の歌声が綺麗なハーモニーを作り出していて、クマリデパートとはまた別のベクトルで"正統派"という言い方が相応しいと感じます。
10. 代代代 - くちうつしうつくしい
関西のアイドルグループ、代代代(だいだいだい)による3rdシングル。正統派アイドルを聞いてるとこういうのも欲しくなる。
やってることはテクノハードコアあたりになるんでしょうが、とにかくアイドルの持つ可愛さとノイジーな電子音まみれのバックミュージックが奇妙な融合を果たしていて、聞いててだんだん不安になってくるのが癖になります。
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カバー画像は記事内の曲のうちMVがあるものから一部分を引用しております。