真夜中、癒しの寝香水
昨年11月、人生で初めて香水を買った。
家族に香水をつける習慣がある人もおらず、ルームフレグランスなどの香りものを使う習慣もない私にとっては、ちょっとした挑戦だった。
マジョリカマジョルカのマジョロマンティカ。
浜辺美波ちゃんが監修した373番である。
新作の808番と、2020年にも限定販売されていた再販の373番を店頭で比べたところ、373番の香りの方が好きだったのでそちらに。
べっこう飴を思わせるブラウンの瓶も悪くない。
とにかく甘くて、“THE・女の子”という香り。
お花やフルーツのような自然な甘さというよりは、お砂糖やお菓子のような甘さである。
夏よりも冬、ニットにコートにマフラーに、厚着する季節にふんわり一滴香らせたい。
私がとても好きな香りで、気に入って買ったことは間違いない。
しかし、唯一の懸念点が、香りの甘さがあまりにも“THE・女の子”すぎて少し使いづらいことだった。
香水の香りは苦手な人も多いし、そもそも香水を扱い慣れない私には付けすぎてしまうリスクもある。
通学などで混雑した電車に乗ることも多く、他の人との距離が近くなる可能性があるときは少し躊躇われる。
それに、香りそのものは好きなのだけれど、なんとなく私の性格やファッションとはミスマッチにも思えた。
どう使おうかと悩んだ挙句、寝香水として使うことにした。
パルファムは香水の中でも持続時間が長いという特徴がある。
寝香水にすると、疲れていて余程寝すぎた日でない限りは朝起きてもまだほんのり香っているほどである。
このくらいの残り香なら、気兼ねなく外出できる。
そう決めた日から、寝るまでのひとときが特別になった。
いつもの部屋、いつものベッド、いつもの布団、いつもの灯り。
なのに、香りがふわっと甘い。
この特別は、5時間以内しか睡眠時間を確保できない夜は味わえない。
香りが朝まで残りすぎる。
最低7時間程度は寝られる余裕がある夜だけの特別である。
今年のお正月は、学生最後のお正月。
自他共に認める、幸せな寝正月だった。
甘い香りに癒されて、睡眠の質も上がった気がする。
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