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忍法・自我消滅 -苦手な人との付き合い方-

就職活動の面接でよく聞かれる質問に、「あなたが苦手な人はどんな人ですか?」「その人とはどのように付き合っていますか?」というものがあります。

苦手な人が全くいないという人は超少数派で、ほとんどの人には苦手なタイプの人はいると思いますし、実際に私もいます。
しかし、具体的に自分の苦手な人を挙げようとすると、なぜか全く思い浮かびません。いるはずなのに。
自分で推測するに、私は他人に対して「この人苦手だな」と思った瞬間、その人のことを考えることをやめているからなのだと思います。
考えることをやめて、必要以上に関わらないように避けているのです。

ただ、これは学生の身分だからできることであって、社会人ともなれば苦手な人とでも上手に付き合っていく必要が出てきます。

「あなたが苦手な人はどんな人ですか?」

さて、冒頭の質問。
「あなたが苦手な人はどんな人ですか?」に対して、ある企業の面接で、私は「他人の気持ちを考えられない人です」と答えました。

苦手な人というのは、多くの場合、自分の持つ嫌な側面を持っている人だと感じています。
その人の嫌な面を見ることで、ある種の自己嫌悪感が生じ、それが自分にとってストレスになるのではないかと。
とすると、この場合「私は他人の気持ちを考えられません」と言っていることになります。
それも間違っていないのかもしれませんが、正確には「他人の気持ちを考えられなくなることがあるから、日頃から考えるように意識している」と言う方がしっくりきます。

もう少し付け足すと、私の場合、自分の感情を優先してしまって他人の気持ちを考えられないというよりは、感情よりも理論的な正しさを優先してしまって他人の気持ちを考えられないことがあるのですが、それもある意味、「理論的な正しさを優先したい」という私の感情なわけです。

「自分は意識しているのに、この人は意識しようともしていない」その先にはきっと、「だから羨ましい」という言葉が続くのです。

こうやって客観視できることは、冒頭二つ目の質問、「その人とはどのように付き合っていますか?」に繋がっていると思います。

「その人とはどのように付き合っていますか?」

面接で私が答えた内容は、「自分の主観的な感情を消して付き合う」というものでした。
その人に対して、ああして欲しい、こうして欲しいなどという期待はせず、その人自身の持つ正義を認め、「あの人はこれがしたい。(確かに他人の気持ちは考えられていないかもしれないけれど)素直に自分の意志を貫いている。それに対して誰も文句を言っていない。(ただ呆れられているだけかもしれないけれど)平和な世の中じゃないか」そう考えれば、苦手な人もなんとなく受け入れられるような気がしませんか。

“苦手”と“羨ましい”は紙一重

タイトルの『忍法・自我消滅』とは、先日、ドラマ『メンタル強め美女白川さん』を観ていた時に出てきた言葉です。
劇中では、妊娠して産休に入る同僚にマウントを取られたと感じ、「幸せそうで羨ましい。でも、それを素直に祝福できない自分がキツい」という状況で、自我を消滅させると「幸せそう」だけが残るから祝福できる、というストーリーとして描かれていました。
これだって、結局「羨ましい」が負の感情として表れてしまっているわけです。

“苦手”と“羨ましい”って、紙一重なのかもしれませんね。

見出し画像のサザンカの花言葉は“困難に打ち勝つ”。
例え勝つことはできずとも、困難から逃れられずにいたとしても、今、この瞬間の自分を好きでいられるように生きていけたら良いな、と思う今日この頃です。

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