僕にとってのキャンプ
Aug 1 2021
この写真は60年以上前のものです。
きっと北海道の支笏湖の湖畔だと思います。
父親がキャンプ好きで、母親の背中におぶられている頃からスバル360で北海道中を連れ回されました。だから僕にとってキャンプとは、大自然の中に恐怖体験に行くことでした。雨風が吹き付ける音、夜の闇、動物の鳴き声、アイヌの部落から聞こえてくる太鼓と歌い声、濡れること、寒いこと、どれも恐怖でした。そのせいか、建ったばかりのテントに入った時の住処ができた安心感を今も思い出します。これは、布一枚で外界と隔てられているだけなのに、テントが生み出す不思議な魔力なのだと思います。
そして、ガス、水道、電気無しの耐乏生活です。風呂、シャワー、トイレは勿論ありません。夜の明かりも石油ランプだけでした。だから、幼かった僕はキャンプの良さが分かリませんでした。醍醐味を味わえないまま、物心がついた頃に父親の転勤で東京の麻布に引っ越してしまいました。これでキャンプに行かなくても良くなったかと思ったら、彼のキャンプ好きが高じて、車を使ってファミリーで行くキャンプの普及団体を立ち上げてしまったのです。これでキャンプが家業になってしまいました。そして父親が目指したのは、整備されたキャンプ場での管理されたキャンプで、それにはキャンピングカーの進化なども含まれていました。僕はこれが嫌いでした。なんで既に建ってるテントに寝るためだけに、何時間もかけてキャンプ場まで来なくちゃならないのだと思ったことが何度もありました。そして僕の興味は車のレースで、キャンプ場よりサーキットで時間を過ごしたかったのです。
19歳の時に初めてアメリカに渡り、友人のフォルクスワーゲンキャンパーでヨセミテ国立公園でキャンプした時、父親の目指した究極はこれだったのだなと、それはそれとしてとても楽しむことができました。日本も段々キャンプ場の設備が整い、この状況に近づきつつあるのだと思います。
その後、僕がテーマパークの仕事に就いたことで分かったのは、ヨセミテ国立公園は自然をテーマにした完璧なテーマパークだということで、大自然と都市生活が絶妙なバランスで保たれているところが魅力です。それは、アメリカのほとんどの有名国立公園にも言えることがもしれません。よりワイルドな自然を求めたら、何十マイルものトレイルに徒歩で踏み込んで行くか、4輪駆動車が必要になります。
独立してからは、都会育ちの女性と結婚して娘が2人だったこともあり、キャンプからずうっと遠ざかっていました。しかし、10年ほど前からミドルライフ・クライシスが我が身に起こって一人暮らしになり、65歳を迎えた今、アラスカにとても惹かれています。子供の頃に北海道で味わった大自然がまだ残っているアラスカへ、旅の夢が膨らみます。
先ずは旅に必要なキャンパーバンを仕立てるところか始めたいと思っています。
Noteでアップデイトして行きますので、是非フォローしてください。
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