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死ぬと覚悟を決めた祖母が迎えた在宅死

祖母が死んだ
享年102歳
大往生で、何の問題も不足もない

この年齢に至るまで、何度も山あり谷あり
いつ最期を迎えるのかとわからなくなるくらい
何度も危機はあった

コロナ禍で、施設の面会がままならず
ついに先生が、自宅で最期を迎えられますか?と口にした

それを皮切りに、数日後には自宅に戻ってきた
もうひとりの祖母を在宅で看取ったときの
往診の先生と、訪問看護ステーションのみなさんの支援の元

帰れないかと思ったと施設の方が言うように
時々、幻覚が出始めていた
食べ物も、ほとんど口にしない
それでも、表情は穏やか

おそらく、自宅に戻ること=死ぬこと、を理解していたのだと思う

私の予測では1週間後の新月

生まれるときを生業にしているから
月で先を読む癖がある
必ずしもその通りにはならないのがいのちだけれど
当たると当たらないに関わらず、予測は大切

得てして、祖母は新月の前日に最期を迎えた

赤ちゃんが生まれるとき
この日に生まれてと願うと、その通りになることがよくある
いのちは、予測通りにいかないけれど
そのいのちを想う人の意に添おうとするのもまた、いのちなんだなぁと思っていた

祖母も、死ぬことを覚悟して戻ってきて
6日間というときを、息子たちと過ごして
なんとなくそろそろかなという空気を察して
人生を閉じたような気がしてならない

100歳を越えたいのちは、立派だ

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