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日本「だけ」で使われる「S」ランクのルーツ

日本のゲームでは「ABC」ランク付けの最上位に「S」ランクがありますが、英語圏ではこのルールは適用されず「最上位がSランクだと、日本のゲームだなって思う」とまで言われています。
海外…特に英語圏だと、Aの上を表現するときには「AA」や「AAA」などの表現が使われます。ゲーム業界の「AAAタイトル」という呼称もありますしね。

そこでなぜ日本で「S」ランクが流行ったかを軽く調べてみました。

「上中下」「一二三」を使っていた19世紀末。「特級」の誕生は20世紀初頭

19世紀末(明治30年)、劇場の席ランクは「上中下」3ランク。鉄道の席ランクは「上中下」から「一等、二等、三等」へと変更された時期。

20世紀初頭(明治39年)、雑誌の広告料金ランクが「特等」と「一等」「二等」というように、スペシャル枠が登場。ほぼ同じころ、箱根温泉の宿泊料も「特等」「一等」「二等」「三等」「等外」という5ランク制に。

1911年(明治44年)には、小田原電気鉄道(現:箱根登山鉄道)に「特等」車両を設定したほか「Special Class」という表記。

1918年には、劇場にも「特等席」「特別席」が設定。

1940年(昭和15年))日中戦争の影響で食料不足となり、水で薄めた日本酒が流通した状況に対して、政府が日本酒を「特級」「一級」「二級」…「五級」まで、6クラス分けに。

「S」表記は1960年の特別席「Special Seat」が起源

1960年(昭和35年)には、ミュージカルの特別席を「Special Seat」と記載。

1972年、レッド・ツェッペリンの日本公演で、武道館にS席が設定。一方、歌舞伎座の席は「一等」「二等」を継続使用。

1983年、競輪選手の格付けにA級選手の上位クラスにS(スター)級を設定。

競輪の世界は、S級の中でも「S班」に入れるのはトップ9名のみ

1989年、コミック『スプリガン』で「S級工作員」という表現。

『週刊少年サンデー』で連載されていた『スプリガン』

1993年、コミック『幽☆遊☆白書』で「S級妖怪」登場。競輪選手から着想したという予測。

『週刊少年ジャンプ』で連載されていた『幽☆遊☆白書』

1994年、『ザ・キング・オブ・ファイターズ'94』などのゲームをきっかけに、海外でも「日本のゲームには、Aランクの上にSランクがある」という認知が広まったそうです。そんな表記、あったかな…。

ゲーム雑誌「ゲーメスト」では、私が『KOF'94』編集担当でした


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