第5話
昼休みの時間は
読書したり
誰かに手紙書いてるふりしたり
そんなことしてなきゃ
ぼっちがみじめで仕方ない
同情の眼差しが情けなくて
不要ですって
イキってみる
でもそれが更にクラスメイトとの間に壁作ってる
コミュ障で社交性ゼロだけど
自分ではわかってても
他人からそう思われたくない
こんなことしてちゃだめだ
自分が辛いだけだって
わかってるのに
もうむり
他人と向き合う代わりに
この友達ひとりも作れない
できそこないの自分が周りからどう思われてるだろうか
そんなことばかりにとらわれすぎて
逃げ出したくなる
担任は
『クラスはみんないい子だし
安仁屋さんと仲良くしたいっていう子
いると思うよ
だからもっと積極的になろうよ』
そんなこと軽々しく言ってくる
でももう既に構築された分厚い仕切り
個々のコロニー
そこにあたしの居場所はない
プライドという素材で
強固な塀を構築してしまった
今から仲間に入れてほしいなんて
そんなこととても言えない
あたしが歩み寄ったら
優しい子は一緒にって言ってくれるだろう
でもそのうちの何人か
『えっ』
てなる空気
そうなるに決まってる
それにあたしは耐えられない
それを気にせずそうできたなら
あたしの世界は変わるのかもしれない
でもあたしには
その勇気がない
今のそのクラスの空気を壊してまで
波風立ててく勇気が
あたしにあるのは無駄なプライドだけなんだ
でも学校には行かなきゃいけない
辛い辛い辛い
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