最近のマタニティ系アプリ事情を助産師が考えてみた
ほんの少し前までは、あまり利用している妊産褥婦さんを見なかったけれど、最近は高確率での使用が目立つ「マタニティ系アプリ」。
先日も入院してきた妊婦さんが、陣痛アプリを使っていました。
スマホでサクサク情報を手に入れることのできる世の中は、便利のようだけど、ちょっと怖さを感じてしまうのは私だけでしょうか?
良し悪しではない、アプリとの付き合い方を助産師ゆかり解釈で考えてみましたので、プレママさんは是非ご参考下さい。
妊娠カレンダーアプリ
赤ちゃん(胎児)の成長をイメージできたり、妊婦さんの体調などを管理できるアプリが多いようですね。
これに関しては、イメージできるという意味で利用するのは良いと思っています。特に初妊婦さんは、赤ちゃんとの絆を育む良いツールになります。
情報収集としては、正しい情報を得るのであれば、産婦人科医がアプリの監修をしているかを確認しておきましょう。
先輩ママの体験談を含め、すべての情報が自分に当てはまる訳ではないので、不安なこと、症状においては妊婦健診を受けている病院や助産院に相談または受診するようにしてください。
私もZoomでオンライン相談を受けていますが、明らかに受診が必要な状況や、オンラインで判断しかねることは、かかりつけ医への受診をご案内しています。
陣痛アプリ
初産婦さんのほとんどが利用しているのでは?と思うくらい、お見かけします。「陣痛が10分以内になったら病院に電話してくださいね」と言われていることもあり、このアプリを使っているのかな?と思います。
陣痛が来ても、個人差はありますが、初産婦さんに関しては陣痛がきたらすぐにお産になるということはありません。初産婦さんの分娩所要時間は約12-15時間と言われていますからね。
陣痛アプリに集中するということは、陣痛に意識をフォーカスしているということ。一晩中集中し、アドレナリンを出しまくるより、カラダを休め、リラックスして副交感神経優位の方が、断然にお産は進みます。
何時頃から10分を切ってきたのかな?
キューっとなり始めたら、時計をチェックしてみる。
助産師は、正確な陣痛間隔を把握したいのではなく、大体このくらいから始まって、今こんな感じだよ、程度が分かれば十分に状況を予測・判断することができるのです。
入院してからも、きっちり陣痛アプリで「今、5分間隔です!」と教えてくれる産婦さんがいらっしゃるのですが、アプリが使えるくらいなら余裕。
今のうちにスマホをOFFしてリラックスしておいた方がいいので、そのようにお伝えするのですが、逆に今のうちにとSNS投稿したり、家族や友人とのLINEをする方が多いのが現状ですね。
授乳アプリ
母乳育児で便利と言われる授乳アプリ。
産院で、左右5分づつ1クール×2回、20分程度の授乳を、と指導していることから、吸わせる時間をアプリで管理するというもの。
このアプリを使っているお母さんをみると、少し悲しくなってしまいます。
私自身が5分1クールという時間での授乳を残念に思っているから。
私の考えを言わせていただくと、アプリで時間授乳をコントロールするよりも赤ちゃんの吸っている姿をよく見ていて欲しいのです。その理由をお話ししましょう。
母乳は、赤ちゃんが吸うことによって分泌されます。赤ちゃんの舌の動きがお母さんの脳へ伝わり、射乳反射が起こります。射乳反射は、母乳が出てくるピークに到達するまでが約20秒~1分、反射が起こると1分ほど継続すると言われていますが、この射乳反射が起こるまでに時間のかかる方もいます。
もし、ピークに達するまでに5分かかったとしたら、せっかく湧いてきた母乳を、赤ちゃんが飲む前に反対側へスイッチしてしまい、赤ちゃんはまた射乳反射を起こそうと、頑張って吸わなくてはなりません。10分頑張って、ほとんどお腹に入らないうちに疲れてしまい、2クール目には眠ってしまうという悪循環に、というワケなのです。
そういった理由から、時間で授乳をするよりも、赤ちゃんが母乳を吸う姿を見て、飲みとっているサインから反射を起こそうとするサインへ切り替わった段階で反対側へスイッチするように指導をしているのです。
モチロン、赤ちゃんの個体差を考えてのアドバイス。2.000gで出生した赤ちゃんや35~36週の早期早産時の赤ちゃんでは体力的にこの方法ではうまくいかないこともありますので、ね。
母乳育児については、助産師の間でも様々な考えがあり、残念ながら何が正解かと言い切れないグレーな部分があるのです。
それぞれの病院の方針もあります。母乳育児推進の病院であれば、5分1クールの指導はしていませんし、赤ちゃんの状態にもよりますが、基本ミルクの補足はしていません。小児科の併設がないクリニックや産院では、ミルク補足をしているところがほとんどです。何が正しくて何が誤りではなく、ご自身が共感し、出来そうだと思える母乳育児を選んで欲しいと願っています。
授乳アプリだけでなく、授乳中にスマホをずっと操作しているお母さんも割と多くいらっしゃいます。赤ちゃんへの電磁波の影響もあるので、授乳中はスマホを手から離して視線と意識を赤ちゃんへ向けてみて下さい。赤ちゃんのことがよ~くわかるようになりますよ。
育児アプリ
育児のお悩み解決に役立つアプリが多いようですね。育児系アプリは初産婦さん、経産婦さん問わず、利用されている方が多いようです。
助産師のアドバイスより、ママの口コミ情報を信じる方が不思議と多いように感じます。
同じママという立場のリアル情報が人気の理由なのでしょうね。
私としては、そういう情報は地域のコミュニティで得て欲しいと思っているので、積極的に地域の子育てサロンや産後ヨガ教室、ベビーマッサージ教室への参加をおススメしています。
お子さんの緊急時の対応などは、母子手帳に記載されています。
ですがいざという時にはあわててしまって、なかなか探せないこともあるでしょう。そんな時に、育児アプリが活躍してくれるようですね。
これも妊娠カレンダーアプリ同様、小児科医監修のものをおススメします。
私がおススメするアプリはこちらです。
助産師ゆかりのお気に入りアプリ
すごく気に入っているアプリが「赤ちゃんの寝かしつけ系」のアプリ。
色々な音が入っていて、アレンジできるので、色々なパターンの音を作ることができます。
赤ちゃんをゆらゆら抱っこしながらこの音を流すと、結構高い確率で寝かし付けに成功しています。
Amazonプライム会員の方は、Amazonmusicアプリから、赤ちゃんが泣き止む音シリーズ、すやすや赤ちゃんα波オルゴールシリーズを無料でダウンロードできますよ。こちらも寝かし付けに便利です。
産後ケアで夜間お子さんを一時お預かりした時などに重宝しています。
音楽を流すときは、赤ちゃんとスマホの距離をとることをお忘れなく
まとめ
マタニティ系アプリだけではありませんが、依存せずに上手に使えると便利ですよね。けれども使いすぎ、頼り過ぎは「木を見て森を見ず」状態になりかねません。
便利な世の中になった代償で、想像力や野性的カンで解決できるような私たちの本能を眠らせるなんてもったいないと思いませんか?
これを機にスマホとの付き合い方を少し変えてみてはいかがでしょうか。
私も寝る1時間前よりWi-FiをOFFしてスマホも遠くに置くようにして良い睡眠と電磁波対策をしています。
こちらはスマホと睡眠の影響の記事。お産も同じで、緊張状態の戦闘モードなアドレナリンが分泌された状態では、ココロとカラダ・子宮筋も硬くなります。副交感神経優位のリラックス状態は、ココロとカラダ・子宮筋はゆるゆる。お産が順調に進むには、いかにゆるゆる状態になれるかがポイントです。
電磁波についてはたくさんの情報があります。電磁波の影響を受けずに生きていくことは不可能です。ですが、できるだけ避けることはできます。
小さなことですが、スマホに電磁波カットシールを貼ったり、夜間は電源やWi-FiをOFFにするなどでも効果はあります。
スマホで音楽を聴く時には、赤ちゃんとスマホとの距離をとれるのでスピーカーを使うと便利です。
私の使っている持ち運びがラクチンなコンパクトスピーカーです。
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