アニメーションCMで独特の世界観を。【後編】
前回ご紹介したこちらのTVCM
https://www.youtube.com/watch?v=py9PPuNbggs
今回はこのTVCMを作成した際に利用した「技法」を紹介します!
それがこちら
【ロトスコープ】
ロトスコープとは、簡単に説明をすると「実写を元に作画しているアニメーション」のことです。
人物の動きをカメラで撮影し、それをトレースしてアニメーションにする手法です。ロトスコープを使用している作品として代表的なものが『白雪姫』、『惡の華』、『花とアリス殺人事件』など。
ロトスコープを使用して制作されている作品はどれも強く目に、頭の中に残ります。
アニメと実写の融合…境目のようなものが曖昧になり、不思議な世界をのぞいている感覚になるような気がします。夢の中のようで、夢の中じゃないような、なんだか印象に残る。このような効果が今回のTVCMの趣旨を表現するのにピッタリでした。
そして今回はその制作過程も少しだけ紹介します!
【撮影の様子】
絵コンテ通りの映像の他に、アニメーション映えしそうな素材を多めに撮っておきます。「やっぱり2カット目にはこの映像の方がいいかも!」「この素材の一部だけをアニメにして別動画として出してみたいかも」そんなご要望にもお応えできるようにしています。
【制作】
実写で映像を組んだ後、早速アニメにする作業に入ります。
今回ピックアップするのはコーヒーのシーンです!
こちらが元の実写素材。
こちらがイラスト化した画像
このカットはロトスコープで実写をアニメとして再現した後、
「どうせアニメならもっとあり得ないくらいモコモコ増えたら面白いよね!」
という声から話が広がり、「泡が文字になって浮き出てくる」という斬新なアイデアも登場。こんなコーヒー、見たことない!なんだこれ!どうやってるんだろう!と思うような「アニメーションならでは」を追求した遊び心ある表現にシフトチェンジしました。作業中、イラストだから、アニメだからこその表現が可能だったことが特に難しく、そして楽しい部分でした。
他にも背景が揺れたり、人物の輪郭がうねうねしたり、色がパラパラと絶妙に変わる部分を追加したり、線でエフェクトを描いてみたり…沢山の「ならではポイント」を詰め込みました。
この「イラスト・アニメならでは」はユニークな演出だけでなく、
角度的に実写の映像にどうしても映り込んでしまう「反射」や「電源コード」「文字情報が入った文書やポスター」などをまるでそこに何もなかったようにする修正にも使えますし、その逆で「ここにこれを置いてほしい」など、そういった追加修正なども可能です。
今回は長くなりましたが、このあたりでおしまいです。
お付き合いくださりありがとうございました。
まだまだここでは書ききれなかったこともいっぱい…。今後、ショートバージョンとして制作のことを少しずつ出していけたらと思います。
では、今後もムビサポ大分をよろしくお願いします!
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