建設現場の可視化を加速させる!生成AIで簡単動画台本作成術
映像ディレクターの柵木です。30年以上の映像制作経験を活かし、今回は建設業界で働く皆さんに向けて、生成AIを使った動画台本の作り方をお伝えします。
私は高校時代に8ミリ映画から始まり、テレビ局で10年以上ディレクターを務めた後、建設業界の映像制作に特化した事業を展開してきました。その経験から、建設現場の「見える化」には動画が最も効果的だと確信しています。
なぜ今、建設業界で動画が必要なのか
建設業界のDX推進において、現場の可視化は重要な課題です。工事の進捗状況や安全管理、技術継承など、文字や写真だけでは伝えきれない情報を、動画なら効果的に共有できます。
しかし、多くの現場担当者が「台本の書き方がわからない」「何を撮ればいいのかわからない」という悩みを抱えています。そこで登場したのが、生成AIを活用した台本作成です。
生成AIで台本を作る具体的な手順
まず、ChatGPTやBardなどの生成AIに対して、以下のような情報を整理して入力します。
動画の目的 例:「新入社員向けの型枠解体作業の手順説明動画を作りたい」
想定視聴者 例:「建設現場経験のない20代前半の新入社員」
動画の長さ 例:「3分程度」
重要な安全ポイントや注意事項 例:「保護具の着用確認、周囲の安全確認、工具の使い方」
このような情報を入力すると、生成AIは基本的な台本の構造を提案してくれます。ただし、そのまま使うのではなく、現場の実情に合わせて編集することが重要です。
台本のブラッシュアップのコツ
生成AIが作成した台本は、あくまでも叩き台です。私の経験から、以下の点に注意して編集することをお勧めします。
導入部分で視聴者の注意を引く 現場の実態に即した具体的な状況から入ることで、視聴者の興味を引き出します。
専門用語の適切な使用 建設業界特有の用語は、必要に応じて図解や具体例を入れることを明記します。
安全確認のタイミング 各工程の前後で必ず安全確認を入れることを忘れずに記載します。
生成AIを使う際の最大のメリットは、短時間で基本構造を作れることです。これにより、現場担当者は自分の専門知識を活かした内容の充実に集中できます。
具体的な指示の出し方
生成AIに対して、次のような具体的な指示を出すと、より実用的な台本が得られます:
「3分の建設現場安全管理動画の台本を作成してください。導入→作業手順→注意点→まとめの構成で、各セクション30秒程度です。現場で実際に使用する保護具や工具の確認シーンを含めてください。」
これにより、実際の撮影現場でも使いやすい台本が作成できます。
ChatGPTに聞いてみた
実際にこのままのプロンプトをChatGPTに投げてみたところ、こんな感じで台本を書いてくれました。
### 台本: 建設現場安全管理動画
#### **導入(0:00 - 0:30)**
【シーン】
- 建設現場全景(朝の光が差し込む中、工事が始まる様子)。
- ナレーションが流れながら、作業員が整列して朝礼を行っている場面。
【ナレーション】
"安全第一。それは建設現場で働く私たち全員の最優先事項です。この動画では、安全を守るために重要な手順と注意点を確認していきます。"
【テキスト表示】
- 大きな文字で「建設現場安全管理の基本」を画面中央に表示。
- サブテキストで「安全な現場作りの第一歩」と記載。
---
#### **作業手順(0:30 - 1:00)**
【シーン】
- 作業員が保護具を着用している場面をクローズアップ(ヘルメット、安全靴、手袋)。
- 作業員が工具を点検している様子(電動工具のケーブルを確認、はしごの安定性を確認)。
【ナレーション】
"現場作業を開始する前に、必ず保護具を着用しましょう。ヘルメット、安全靴、手袋の装着を確認してください。また、工具の点検も忘れずに行いましょう。特に電動工具やはしごは、使用前に異常がないかをしっかり確認してください。"
【テキスト表示】
- ポイント1: 保護具の着用(ヘルメット、安全靴、手袋)。
- ポイント2: 工具の点検(電動工具、はしご)。
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#### **注意点(1:00 - 1:30)**
【シーン】
- 作業員が高所で作業をしている場面(安全帯を使用している)。
- 別の作業員が資材を運搬している際に声を掛け合っているシーン。
【ナレーション】
"作業中は、周囲の状況に常に注意を払いましょう。特に高所作業では安全帯を必ず使用してください。また、重機や資材の移動時には、声を掛け合い、確認を徹底してください。"
【テキスト表示】
- ポイント1: 高所作業では安全帯を使用。
- ポイント2: 声を掛け合い、周囲を確認。
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#### **まとめ(1:30 - 2:00)**
【シーン】
- 作業員たちが作業を終え、笑顔で一日を振り返る様子。
- 現場監督がチームに向けて話している場面。
【ナレーション】
"安全管理は、すべての作業の基本です。一人ひとりが注意を払い、協力し合うことで、安全で効率的な現場作りが可能になります。今日も安全第一で、一緒に頑張りましょう。"
【テキスト表示】
- 大きな文字で「安全第一」。
- サブテキストで「共に作る、安全で効率的な現場」と記載。
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#### **エンディング(2:00 - 3:00)**
【シーン】
- チーム全員がカメラに向かって手を振る。
- 背景には「安全第一」のスローガンが表示。
【テキスト表示】
- "この動画は株式会社モーション・ビジュアル・ジャパンが制作しました"(ロゴを挿入)。
- "お問い合わせ: info@example.com"。
ここまでを一瞬で書き上げてくれるので、あとは自分仕様に変更すれば完成してしまいます。結構敷居が低くなったという気がしませんか?
まとめ
建設業界のDX推進には、現場の可視化が不可欠です。生成AIを活用することで、誰でも基本的な動画台本を作成できるようになります。ただし、現場の実情や安全管理の重要性を踏まえた編集は必須です。
次回は、実際の撮影テクニックについてお話しする予定です。建設現場ならではの撮影の注意点や、効果的なアングルの選び方など、実践的な内容をお届けします。
ご質問やご要望がありましたら、コメント欄でお待ちしています。一緒に建設業界の発展に貢献していきましょう。
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さいごに
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
もし「もう少し詳しく知りたい!」という方がいらっしゃれば、こちらの記事も是非読んでいただければと思います!
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