新規入場オリエンテーション動画の作り方~効率化と安全性向上を実現する構成例~
建設現場において、新規入場者へのオリエンテーションは安全管理の要となる重要な取り組みです。従来の口頭説明や紙資料による方法では、説明者によって品質にばらつきが出たり、理解度の確認が難しかったりと、さまざまな課題がありました。
私は30年以上の映像制作経験を活かし、建設業界向けの映像制作に特化して活動しています。本記事では、新規入場オリエンテーション動画の作り方について、実践的なノウハウをお伝えしていきます。
なぜ今、動画オリエンテーションなのか
建設業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中、新規入場オリエンテーションの動画化は避けては通れない課題となっています。実際、ある大手建設会社では、動画オリエンテーションの導入により、説明時間を従来の3時間から1時間に短縮することに成功。さらに、作業員の安全意識向上にも効果が表れているとのことです。
動画オリエンテーションには以下のような利点があります。誰が説明しても同じ品質で情報を伝えられる点、繰り返し視聴できる点、多言語対応が容易な点などが挙げられます。また、一度制作してしまえば、長期的なコスト削減にもつながります。
効果的な動画構成の作り方
1. 会社概要と工事概要
動画の冒頭では、会社の理念や工事の目的を簡潔に伝えることが重要です。私の経験では、この部分を丁寧に作ることで、作業員の仕事に対するモチベーションが大きく変わることがわかっています。
「この工事は地域の防災力を高め、住民の安全を守る大切な仕事です」といった具体的なメッセージを入れることで、作業員一人一人が自分の仕事の社会的意義を実感できます。
2. 現場の全体像
続いて、現場の全体像を示します。この部分ではドローン撮影が非常に効果的です。上空からの映像で工事エリア全体を示すことで、作業員は自分の作業場所と周辺環境との関係を直感的に理解できます。
現場の全体像を示す際は、以下の要素を含めると効果的です。
作業エリアの境界線、資材置き場の位置、休憩所やトイレの場所、非常口や避難経路、危険区域の明示など。これらの情報は、実際の現場映像に図解やアニメーションを重ねることで、わかりやすく表現できます。
3. 安全ルールと基本動作
安全ルールの説明では、「こうすべき」という理想的な例と、「こうしてはいけない」という悪い例の両方を示すことが効果的です。
例えば、ヘルメットの着用方法を説明する場合、正しい着用方法だけでなく、「あごひもを緩めたまま作業している」といった危険な例も示すことで、理解が深まります。
4. 緊急時の対応
緊急時の対応方法は、実際の避難経路を歩いて撮影した映像を使うと効果的です。「火災が発生したら、このように避難します」といった具体的な手順を、実際の映像で示すことで、緊急時でも冷静に対応できる準備ができます。
5. 理解度確認
動画の最後には必ず理解度確認のセクションを設けましょう。ここでは、動画内で説明した重要なポイントについて、○×形式や選択式の問題を出題します。
また、Googleフォームなどを使ってアンケートを蓄積する方法もおすすめです。動画を見終わったところでスマホからQRコードを読み込んでもらい、アンケートに答えてもらうことで、さらなる動画の改善に結びつきます。
6.進入路説明
現場事務所から現場に向かう際の進入ルートの確認は動画で見るとわかりやすいです。特に交差点や曲がり角での注意点を説明しながら視覚でも音声でも訴えることができるので忘れることが少なくなります。
7.職員紹介
できれば現場職員の紹介もあると良いです。名前と一言コメントを言ってもらうのも記憶に残るのでオススメです。
制作時の実践的なポイント
映像の撮影について
現場の撮影では、朝一番の整理整頓された状態で撮影することをお勧めします。天候は曇りの日を選ぶと、影が出にくく、見やすい映像が撮れます。
ドローン撮影を行う場合は、必ず飛行許可が必要なエリアかどうかを確認してください。また、風の強い日や雨の日は避け、安全な撮影を心がけましょう。
ナレーションと字幕
ナレーションは、専門用語を多用せず、わかりやすい言葉を使うことが重要です。また、外国人作業員のために、英語、中国語、ベトナム語などの字幕を入れることをお勧めします。
字幕は白い文字に黒い縁取りをつけると、背景に関係なく読みやすくなります。
適切な動画の長さ
新規入場オリエンテーション動画は、10分を超えないように意識することをお勧めします。長すぎると集中力が途切れ、重要な情報が伝わりにくくなります。
内容が多い場合は、「基本編」「安全編」「作業手順編」などに分けて、複数の動画にすることをお勧めします。
動画導入の効果
私がサポートした建設会社では、動画オリエンテーションの導入により、以下のような効果が得られています。
説明時間の短縮:従来の3分の1の時間で済むようになった
担当職員の負担が減った
理解度の向上:映像で具体的に示すことで、言葉の壁を越えて情報が伝わるようになった
記録の管理:視聴履歴を残すことで、確実な教育記録として残せるようになった
まとめ:はじめての動画制作に向けて
新規入場オリエンテーション動画の制作は、決して難しいものではありません。スマートフォンでも十分な品質の映像が撮影できる時代です。大切なのは、伝えたい情報を整理し、視聴者の立場に立って、わかりやすく伝えることです。
まずは、現場の全体像を撮影した簡単な動画から始めてみてはいかがでしょうか。そこから徐々にコンテンツを充実させていくことで、より効果的な動画オリエンテーションを作り上げることができます。
動画による新規入場オリエンテーションは、建設現場の安全性向上とDX推進の両方に貢献できる重要な取り組みです。本記事が、皆様の現場における安全管理の効率化の一助となれば幸いです。
建設現場の安全は、一人一人の意識と行動にかかっています。動画という効果的なツールを活用して、全ての作業員が安全に働ける環境づくりを進めていきましょう。
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