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「なんとなく」では伝わらない、想いを込めた映像表現の作り方
こんにちは!映像ディレクターの柵木です😊 今日は、建設現場や会社の魅力を伝える動画作りについて、私の30年以上の経験からお話しさせていただきます。
なぜ「なんとなく」の撮影ではダメなのか
建設現場の様子を記録しようと思った時、まず何を撮ればいいのかわからず戸惑うことがありますよね。そんな時、とりあえずカメラを回してしまう...。これ、よくある話なんです!
私もテレビ局で働いていた頃、朝の情報番組で突然の企画変更があり、「とにかく何か撮って!」と言われて現場に向かったことがありました。でも、そうして撮影した映像の多くは使い物にならなかったんです。なぜでしょうか?
それは、「なんとなく」撮影された映像には魂が宿らないからなんです。
映像に込める「想い」の大切さ
例えば、建設現場のクレーンを撮影する時。ただクレーンを撮るのと、「このクレーンで、どれだけ多くの人々の夢を実現してきたんだろう」という想いを込めて撮るのでは、全く違う映像になります。
私が以前、某建設会社の記録映像を担当した時のことです。現場監督さんから「このクレーンで5年間、様々なプロジェクトを完遂してきました。今日が最後の仕事になります」と聞きました。その言葉を聞いた瞬間、クレーンの撮り方が変わりました。朝日を浴びて輝くクレーン、最後の荷物を運ぶ瞬間、作業員たちの誇らしげな表情...。一台のクレーンを通じて、建設業界で働く人々の誇りと情熱が伝わる映像になったんです。
伝えたいメッセージを明確にする
建設現場の映像を撮る前に、以下のような問いかけをしてみましょう。
「この現場で働く人々は何を目指しているのか」 「この建物は地域にどんな価値をもたらすのか」 「若い世代に何を伝えたいのか」
こうした問いかけを通じて、撮影すべき対象が見えてきます。単なる工事の記録ではなく、人々の暮らしを支える建設業の意義や、そこで働く人々の情熱を伝える映像になるはずです。
具体的な撮影テクニック
建設現場での撮影は、安全第一が大原則です。その上で、以下のような具体的なテクニックをご紹介します。
ドローン撮影のポイント
建設現場でドローンを飛ばす時は、単に上空から撮影するのではありません。私が現場で実践している撮影方法をお伝えします。
まず工事の進捗状況を伝える時は、南側から北に向かって撮影することをお勧めします。なぜなら太陽光の関係で影が少なく、現場の様子がクリアに見えるからです。
次に高度設定です。建物の最高部分より20メートルほど高い位置からスタート(ドローンのカメラ性能によりますが)し、ゆっくりと降下しながら撮影します。こうすることで、周辺環境との関係性から、徐々に工事の詳細が見えてくるような印象的な映像が撮影できます。
また、建物の四隅を結ぶような対角線上の動きも効果的です。これにより建物の規模感や、工事の全体像が把握しやすくなります。
ドローン撮影では不慣れな場合、どうしても速度が出た状態で撮影してしまうことが多いです。カメラが回っている際はなるべくゆっくりと動くように心がけましょう。
定点観測カメラの設置ポイント
定点観測カメラは、建物の完成までを記録する重要な役割を果たします。私の経験から、以下のポイントを意識して設置場所を決めています。
位置決めで最も重要なのは、工事の主要な作業が最もよく見える場所を選ぶことです。例えば、大型クレーンの作業範囲が画角に収まる位置や、建物の正面が最も印象的に映る場所を選びます。
また、朝日や夕日の光の入り方も考慮します。例えば東向きに設置すると朝の工事開始時の様子が逆光で見えづらくなってしまいます。私の場合、可能な限り南西方向からの撮影をお勧めしています。
現場作業の撮影テクニック
現場で働く方々の姿を撮影する際は、安全確認や声掛けを徹底した上で、以下のような撮影を心がけています。
作業員の方の表情は、必ず正面からではなく、やや斜め45度の角度から撮影します。真正面だと緊張してしまいますが、斜めからだと自然な表情が撮影できます。
また、手元のアップと、全体の作業風景をセットで撮影します。例えば、溶接作業であれば、火花が散る手元のアップと、その職人さんの全体像を撮影。編集で組み合わせることで、技術の繊細さと現場のスケール感を表現できます。
重機が動いているシーンは、必ず固定撮影と流し撮りの両方を撮ります。固定だと重機の大きさが、流し撮りだとスピード感が表現できるからです。
光と影の活用法
建設現場特有の映像表現として、私がよく活用するのが光と影の演出です。
例えば、朝一番の現場では、建物の影が長く伸びる瞬間を撮影します。これは建設物の威厳や大きさを表現するのに効果的です。
また、夕暮れ時に建物の内部から漏れる作業灯の光は、昼間とは違う幻想的な雰囲気を演出できます。特に、耐震補強や改修工事の現場で、建物の新たな命が吹き込まれていく様子を表現する時に重宝します。
編集で魅力を引き出す
映像編集も重要です。私の場合、テロップに頼らない編集を心がけています。なぜなら、映像そのものの力で伝えることができれば、より深い印象を残せるからです。
例えば、建設現場の朝礼シーンを撮影する時。ただ全体を撮るのではなく、真剣な表情のアップ、力強く挙がる手、きびきびとした動作など、細かな表情や動きを丁寧に撮影します。それらを編集でつなぎ合わせることで、建設現場の規律と熱意が自然と伝わってくるんです。
まとめ:想いを込めた映像づくりのために
建設業界の映像制作において最も大切なのは、「何を伝えたいのか」という明確な意図です。それは採用活動かもしれませんし、社員教育かもしれません。または、地域社会への貢献を伝えることかもしれません。
私は30年以上、映像制作に携わってきました。その経験から言えることは、「なんとなく」撮影された映像は、決して人の心に残らないということです。逆に、明確な意図を持って撮影された映像は、見る人の心に確実に届きます。
建設業界のDXが進む中、映像の重要性はますます高まっています。一つ一つの映像に想いを込めることで、建設業界の素晴らしさを多くの人々に伝えていけることでしょう。
皆さんも、ぜひ「なんとなく」ではなく、「こんな想いを伝えたい」という気持ちを大切に、映像制作に取り組んでみてください!
建設業界の未来は、皆さんの想いのこもった映像によって、もっと輝かしいものになるはずです✨
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