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建設業界のための映像編集の基本 - 広角から接写への流れ
映像編集の基本的なテクニックについて、建設現場の撮影を例にご説明したいと思います。私は20年以上、建設業界の映像制作に携わってきましたが、最も重要な編集の原則の1つが「広いものから狭いものへ」という流れです。
なぜ「広いから狭い」なのか?
「え?そんな決まりがあるんですか?」とよくご質問をいただきます。実はこれには深い理由があります。人間の視覚認識の特性に基づいているからです。私たちが新しい場所に行ったとき、まず周りを見渡して全体像を把握し、その後に気になる部分を詳しく見るという自然な行動をとります。映像編集もこの人間の自然な視覚体験に沿って構成すると、見る人にとって理解しやすい作品になるのです。
建設現場での具体例
例えば、新築工事の映像を編集する場合を考えてみましょう。
まず最初のカットは何にすべきでしょうか?答えは「建設現場全体が見渡せる広角ショット」です。できれば道路からパンして(カメラを横に振って)現場全体を見せると、場所や規模感が一目で分かります。その後で足場の組み立て作業や鉄骨の溶接といった具体的な作業のアップショットへと移行していきます。
ある時、若手社員から「なぜいきなり溶接作業のアップから始めちゃダメなんですか?」と質問されたことがあります。確かにインパクトのある映像かもしれません。しかし、見る人は「これはどこの現場の、どの部分の作業なんだろう?」と戸惑うことになります。
報道番組から学ぶ
テレビのニュース映像を見てみましょう。事故や災害の報道でも、必ず最初は現場の広角ショットから入ります。「○○市××町の建設現場で...」というナレーションとともに、場所を特定できる映像を見せるのです。これによって視聴者は状況を正確に理解することができます。
実践的な編集の例
ある大規模マンション建設のプロモーション映像を制作した時の例をご紹介します:
オープニング:建設現場の空撮(広角)
現場入口から内部へのトラッキングショット(中間)
基礎工事の状況(やや広め)
コンクリート打設作業(中間)
熟練作業員の手元(アップ)
このように段階的にカメラを寄せていくことで、見る人を自然に現場の中へと導いていくことができました。
例外的な使い方
もちろん、全ての映像をこの原則に従って編集する必要はありません。例えば:
事故の瞬間など、衝撃的な映像を見せたい場合
技術的な詳細を強調したい場合
アーティスティックな表現を目指す場合
こういった場合は、あえて「狭いから広い」という逆の流れを使うこともあります。ただし、その場合でも最終的には場所や状況を説明する広角ショットを入れる必要があります。
実践のためのアドバイス
この原則を実践するため、以下の点に気をつけましょう:
必ず現場全体のestablishing shot(場面設定ショット)を撮影しておく
同じアングルで広角と望遠の2パターンを撮る
作業の流れに沿って順番に撮影する
編集時は視聴者の理解度を常に意識する
まとめ
「広いものから狭いものへ」という原則は、決して難しいものではありません。しかし、この基本を押さえるだけで、プロフェッショナルな印象の映像に仕上がります。建設現場の記録やPR動画を作る際は、ぜひこの点を意識してみてください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。長年の経験を活かして、御社の映像制作のお手伝いをさせていただきます。建設業界の魅力を、より多くの方々に伝えられる映像を一緒に作っていきましょう。
さいごに
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
もし「もう少し詳しく知りたい!」という方がいらっしゃれば、こちらの記事も是非読んでいただければと思います!
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