Vroidで自創作モデルを作ってMMDで躍らせよう!(超我流)
はじめに
こちらは、MMDで自創作キャラが踊っている動画が欲しいけど右も左も分からない…!と言う方向けの解説兼自分用の備忘録です。Vroid製モデルの作成方法からPMX形式への変換、物理入れ、MMDの基本的な操作、動画のクオリティアップ(?)の方法までを解説しています。
本記事はとあるフォロワーさん向けに作成したものをもったいない精神で加筆して公開しているものになりますので読みずらい・分かりずらい所が多々あるかと存じますがご容赦ください。
今回はフォロワーさん宅の探索者をモデル化して躍らせる過程をまとめました。下記の動画が完成形です。これを最後まで読むとこんな感じの動画が作れます(たぶん)。
またこちらの解説は最終的に上記のような質感の動画を作成することを目標にしています。トゥーン調(アニメ調)の動画を作りたい場合はあまり参考にならないかもしれません。ご了承ください。(トゥーン調の方の解説も気が向いたら作るかも)
参考にさせていただいたサイト様
本記事はたくさんのサイト様を参考にさせていただいております。どれも大変参考になりますので、こちらの記事を読む前に目を通しておいていただくと良いと思います。
今回は上記サイト様以外にもたくさんのツールやエフェクトをお借りさせていただいております。ツールやエフェクト等の制作者様に感謝を申し上げます。
モデルを作ろう!
まず作るキャラクターのデザインを決めましょう!最初は装飾などの少ないモデルから始めるのがおすすめです。長い髪やロングスカートはあまり初心者向きとは言えないですが好きなキャラクターを作るのが一番です。あまり深く気にせず行きましょう。
使用ツールの準備
モデル作成に使用するツールは「Vroid Studio」です。
上記の公式サイトからDLできます。私はsteam版を使っていますが機能的な違いはないと思うので適当にDLしてください。
必須ではありませんが無いと不便なので、これにプラスしてペイントソフトも準備すると良いです。私は有料ソフトの「CLIP STUDIO PAINT」を使用しています。無料ソフトだと「MediBang Paint」が個人的にはおすすめです。
1.ルックの編集
まず先ほどDLしてきたVroid Studioを開き、新規を押しましょう。次に体型のプリセットを選択する画面になります。今回は男性キャラなので男性を選択します。基本的にそのキャラクターの性別に合わせて問題ないと思いますが、少年などは女性のプリセットを元にした方が作りやすい場合もあります。
ではモデル制作を始めていきます。初歩的な事ではありますが保存を忘れて作業データが飛ぶと本当に悲しいので、こまめに保存するように心がけてください!
まず上部のタブからルックタブを開きます。そこでアウトラインとリムライトで全ての項目を0にしてください。それ以外は触らなくて大丈夫です。
2.顔の編集・テクスチャの編集
顔の調整を行っていきます。ぶっちゃけ好みなので好きに作りましょう。理想に近いプリセットを選んでそこから微調整していくのがおすすめです。モデル配布所(本記事の最後にあるリンクから飛べます)でテクスチャも配布しているのでそれを適用しても大丈夫です。
編集をしているときは表情編集で変えてみて不自然なところが無いか確認してください。デフォルト表情だと違和感がないのに笑うとおかしいところがあるとかザラにあります。
テクスチャを編集する際はVroid内で編集するのではなく、ペイントソフトの使用をおすすめします。「カスタマイズ」→「テクスチャ編集」でテクスチャ編集画面を開いた後、レイヤーを右クリックして「エクスポート」、もう一度右クリックして「ガイドをエクスポート」。エクスプローラーが開くと思うので任意の場所に保存します。そうすると二枚の画像が出力されるので、その二枚をペイントソフトを使って重ねて開きます。ガイドに沿ってテクスチャを編集し、別途保存しエクスポートと逆の手順を踏んでインポートをしましょう。(保存時ガイド画像のレイヤーを非表示にするのを忘れずに!)またテクスチャを編集する際は半透明な部分を作らないよう注意してください。
3.髪の編集
なんか・・・がんばってください。ここがおそらく一番大変な作業だと思います。最初のうちはプリセットを組み合わせたりBoothで素材を拾ってくる方が良いかも。基本的にハイライトは付けません。髪型を編集→マテリアル→テクスチャ編集でハイライトのレイヤーを非表示にしています。
髪の編集が終わったら髪の揺れ方を設定からボーン設定画面を開きます。ボーングループ数を適当に20~25ぐらいに設定してボーングループ自動生成を押します。前髪・後髪・横髪と別れている場合はそれぞれで同じことを繰り返します。全ての髪にボーングループを設定したら髪の揺れ方の設定画面を保存して閉じます。
その後右上のカメラアイコンを押して撮影モードにします。風のタブを開いてパラメーターを操作して前後左右上下から風を吹かせて挙動のおかしな毛束が無いか確認します。挙動のおかしな毛束があれば髪の揺れ方の設定画面から該当ボーングループを探し出しパラメーターで調整してください。基本的に固定点のパラメーターをいじれば直ると思います。調整したら撮影モードで直ったかしっかり確認してください。
下記は顔と髪の調整を終えた状態です。体のテクスチャを設定していないせいでファンデ選びに失敗した人みたいになっていますが大丈夫です。
4.体型の編集
体型を編集するときは衣装のタブから服を脱がしておくと良いです。なんか身ぐるみ剥いでいるみたいで申し訳ない気持ちなりますが、心を鬼にして頑張りましょう。パラメーター調整は基本好みで問題ありません。腰の大きさを小さくするとそれに応じて足が細くなります。男キャラの胸の大きさは0にしておくのがおすすめです。私はこんな感じにしました。基本足長めにしています。
5.衣装の編集
重ね着機能とテクスチャ編集でごり押します。貫通があった場合はパラメーター調整で頑張ります。重ね着機能を使用するには「カスタマイズ」から「テクスチャ編集」画面を開き、左側の下の方にある「テンプレート追加」を押すことで重ね着ができます。それでも貫通していたらテクスチャ編集で重なっている部分を透明にしてしまうのも一つです。テクスチャ編集でシェーダーカラーのチェックを外すのを忘れないでください。
そんなこんなでモデル完成です!やったね。
6.出力
モデルができたら最後に出力を行います。右上のカメラアイコンの隣の出力アイコンを押し「VRMエクスポート」を選択します。エクスポート画面に移ったらモデルを回して様々な角度から眺めて不備がないか最終確認をしてください。問題が無ければエクスポートを押して必須事項を入力してください。配布予定が無ければ適当で問題ありません。入力できたらもう一度エクスポートを押し、任意の場所にvrmファイルを保存してください。ここまでできたらVroidでの作業は終わりです。念のためvroidファイルに上書き保存をしてVroidは閉じてください。
モデルを最適化しよう!
ここではモデルをMMD対応形式(pmx)に変換し物理演算を入れていきます。すこし複雑?なので慣れるまで少し大変かと思いますが根気で乗り切りましょう!
使用ツールの準備
①Vroid2Pmx
miu様が公開してくださっているvrm形式のモデルをpmx形式に変換してくれるツールです。下記からDLし解凍しておいてください。
②PmxTailor
上記と同じくmiu様が公開してくださっているモデルに物理演算を設定してくれるツールです。同じくリンク先からDLして解凍しておいてください。
③PMXエディタ
極北P様が後悔してくださっているpmx形式のモデルを編集するためのツールです。下記からDLして解凍しexeが起動できるか確認してください。起動できなければリンク先の下の方にある「初心者用セットアップ手順」を参照してください。
1.モデルの変換
「Vroid2Pmx_2.01.01.exe」を起動します。「対象モデル」の横の「開く」を押下し先ほど出力したvrm形式のモデルデータを開きます。その後は特に何も考えず「Vroid2Pmx実行」のボタンを押して実行完了を待ちましょう。上手くいけばvrmモデルと同じ場所に新たなフォルダが生成されその中にpmx形式に変換されたモデルがあるはずです。ここまで出来たらVroid2Pmxは閉じて大丈夫です。
2.jsonファイルによる物理入れ
次に「PmxTailor_2.00.03.exe」を起動します。対象モデルに先ほど変換したpmxモデルを指定します。実行を押したい気持ちをぐっと堪えて上部にある「パラ調整」のタブを開きます。パラ調整タブの上の方にある「Vroid2Pmx設定インポート選択」を押します。そうすると下記のようなウィンドウが開くかと思います。この中で揺らしたいものにチェックを付けます。今回は「髪S1」しか選択できないので分かりずらいですが女性キャラであれば「胸」「SK(スカート)」やフードのある服を着たモデルであれば「フード」「フード紐」などが選択対象となります。物理を入れるとリアルな動きになる反面処理が重たくなるので揺らす必要が無ければチェックを外しておくことをおすすめします。
またスカートの物理入れですがミニスカートの場合はこの段階で物理を入れてしまって良いですが、ロングスカートの場合は一旦ここでは物理を入れずに後の工程で物理を入れる方が良いでしょう。
任意の材質にチェックを入れたらOKを押してウィンドウを閉じます。上部からファイルタブに戻り「PmxTailor実行」を押し実行完了を待ちましょう。実行完了するとpmxファイルと同じ場所に新たなpmxファイルが生成されます。一旦これでPmxTailorでの作業は終了ですが後ほどまた使用するので開きっぱなしで良いです。
3.物理の確認
ここで一旦、物理演算がきちんと機能しているか確認しましょう。まず、「PmxEditor_x64.exe」を開きます。そうすると「Pmx編集」と「PmxView」の二つのタブが開くと思います。PmxViewの方に先ほど生成されたpmxファイルをドラッグアンドドロップしてください。ポップアップウィンドウが出るのでOKを押し、モデルを読み込みます。PmxViewの上部2段目の小窓:の並びにある「T」を押すと「TransformView」のタブが新たに開きます。下のようになったでしょうか?
このままではボーンが可視化されているせいでモデルが見ずらいですね。ウィンドウ下部にある青色の◉マークを押すとボーンが非表示になりモデルが見やすくなります。そうしたら、上部2段目のモード:の並びにある「物」ボタンを押します。その後右側にあるボーンタブの「0:全ての親」を選択し、回転のところの緑色のYをクリックして左右にドラッグするとモデルがY軸方向に回転します。そこで先ほど物理を入れた材質(今回の場合は髪)が揺れていれば物理入れは成功です。
激しく回転させると髪の毛がこんなんなったりすることもあると思うんですが全く問題ありません。基本揺れてりゃ大丈夫です。逆に物理を入れたはずなのに1ミリも動かなかったら何かしら失敗してるってことです。物理が入っていることを確認出来たらTransformViewのタブを閉じてください。
4.頂点csvファイルを利用した物理入れ
次により自然になるように上着に物理演算を入れていきます。ここはステップアップ的な要素であり必須ではないため飛ばしても構いません。ですがここの工程を経ると確実にモデルがパワーアップします!下は工程2までのモデル(右)と工程3を行ったモデル(左)の比較動画です。やっぱり物理演算を入れると自然な動きになりますね。
前の工程から続けてPMXエディタを使用します。まずPmx編集のタブから編集→リスト関係→View選択対象のリスト選択で頂点にチェックを入れます。警告のウィンドウが出るかと思いますがOKを押してください。
その次にPmxViewのタブに戻ります。先ほどと同じ手順でボーンを非表示にしましょう。小窓:の並びにある「絞」を押すと「絞込み表示」のウィンドウが開きます。ここでは材質やボーン、剛体などを選んで表示/非表示を切り替えることができます。「頂点/材質」タブの材質にチェックが入っていることを確認し、「パーツ毎」と同じ並びにある「反」のボタンを押してください。これを押すと表示されていた材質が非表示になり、非表示になっていた材質が表示されます。今回は全ての材質が表示されている状態で「反」を押したのでPmxViewの画面からモデルが消えたはずです。次に材質の一覧の中から上着を探しチェックを入れます。上着だけが画面に表示されたら絞込み表示」のウィンドウは閉じましょう。
PmxViewでドラッグをすると範囲選択をすることができます。選択された範囲内の頂点がオレンジになります。それを利用して上着の物理演算を入れる範囲を決めて範囲選択を行います。基本好みですがよくわからないのであれば下記の画像を参照して同じぐらいの位置から下を選択すると良いでしょう。この時に気を付けて欲しいことは飛び出した頂点を選択しないようにすることです。
上の画像は失敗例です。一部飛び出して選択されてしまっているのが分かるでしょうか?こうなってしまった場合はctrlキーを押しながら余分な部分を範囲選択しましょう。そうするとその部分の選択が解除されます。
上は成功例です。ぐるっと頂点が一周しており、飛び出しているところがないですね。上のように頂点を選択できたらPmx編集のタブに戻ります。(この時PmxViewでクリックをしないように気を付けてください!選択が解除されてしまいます)上部2段目の頂点のタブを開き左側のリストから薄灰色になっている項目を探します。見つけたらその項目を右クリックします。すると項目が薄灰色から水色になります。
その後「CSVファイルを保存」を押し、任意の場所へ任意の名前を付けて保存してください。私は「(キャラ名) 上着 物理範囲.csv」としています。
次に上着の物理入れの際に利用する親ボーンを確認します。PmxViewのタブに戻り下部のmodeからモードを「Weight」に変更して下さい。その後Pmx編集のタブに移りボーンタブを開きます。そこでリストからボーンを選択するとそのボーンが影響を与える範囲(?)が赤く可視化されます。
先ほど選択した頂点の中の一番高い位置にある頂点の列がどのあたりだったかを思い出してなんとなく位置が合うボーンがどれか確認します。今回は「下半身」のボーンを親ボーンとしようと思います。ここで確認したボーンの名前を忘れないようにしてください。
PMXエディタは引き続き使用するため開いたままで問題ありません。
PmxTailorに戻ります。物理入れ済みのモデルを対象モデルとして開きます。パラ調整タブを開き各項目を設定していきます。
物理材質→物理演算を入れる材質(今回は上着)を選ぶ。名前が分からない場合はPMXエディタの絞込み表示機能で確認してね。
親ボーン→先ほど確認したボーンを選択します。
剛体グループ→基本7より下ならどこでも大丈夫だと思います。
既存設定→そのまま
プリセット→物理を入れる材質に合うものを適当に選びましょう。今回は「布(レザー)」を選択しました。
特殊形状→なし
上記以外は基本触らないで大丈夫です。
各項目の設定が終わったら「物理対象CSV」の横の「開く」を押して先ほど出力したcsvファイルを指定します。
ここまで設定できたらファイルタブに戻って「PmxTailor実行」を行いエラーが起きないことを祈ってください。特に問題もなく実行が終了すれば元のモデルと同じ場所に新しいpmxモデルが出力されるはずです。
ここまでできたら、PMXエディタで確認をしましょう。表示モードを通常に戻すのを忘れずに!その後は工程3と全く同じなので割愛します。上着がひらひらしたら勝ちです。おめでとう!
今回は面倒くさかったので都合上、ネクタイの物理入れは省いていますがネクタイに物理を入れるともっとかっこよくなると思います。ネクタイの物理入れにチャレンジしたい方のために、ネクタイの物理入れの分かりやすい解説動画を貼っておくのでこちらを参照してください。(正直私が説明するより分かりやすいと思われる)
ネクタイの物理入れの方法は「備考・おまけ」のところで解説しています。気になる方はそちらをご覧いただけると幸いです。
ここまで出来たらモデルは完成です!こだわろうと思えばいくらでもこだわれるところではあるので慣れてきたら色々調べてやってみるのも良いと思います。スカートの物理入れは私も分からないところが多いのでここでは解説しません。一応最後のおまけのところに自分の知っていることを書いておくので目を通すと何かの役に立つかもしれません。
モデルを躍らせよう!
やっと踊ります。やったね~!長かったね~!
使用ツールの準備
①MikuMikuDance
樋口優様作成の3DCG動画作成ツールです。リンク先から最新verをDLして起動するか確かめましょう。エラーが出る場合はサイトに書いてあるランタイムのDLを試してください。
②楽曲・モーションデータ・カメラデータ・ステージデータ
モーションやステージ・カメラのデータは自作することもできますが今回は有志の方が配布してくださっているデータを使用します。作成したモデルに合わせて好きなデータを用意してください。MMDではwav形式以外の音楽ファイルを読み込めないので事前に変換などが必要な場合は行って置いてください。私はmp3をAviutlでwavに変換しています。
今回は楽曲をなとり様、モーションをゆり様、カメラをひな様、ステージを一護牛乳様からお借りしました。本記事の冒頭に掲載した動画の概要欄に詳しくクレジット表記を行っていますので気になる方はそちらからご確認ください。
③Ut Video Codec Suite
梅澤威志様作の可逆圧縮コーデックの一つです。MMDから動画を出力する際に使います。必須ではないけどほぼ必須みたいなもん。あって損はないから入れとけ、って感じ。有名なのでもうすでに入ってるよーって人は大丈夫です。下記を参照してDLしてください。
1.モデル・ステージの読み込み
それでは「MikuMikuDance.exe」を起動しましょう!右側の白い空間に先ほど作成したpmx形式のモデルをドラッグアンドドロップしてください。モデル情報のポップアップウィンドウが表示されるのでOKを押します。しばらく待つと白い空間にモデルが配置されるはずです。同じ手順でDLしてきたpmx形式のステージデータもMMDに読み込ませてください。こんな感じ。
どう見ても座標軸が邪魔なので消しましょう。上部の「表示」タブから「座標軸表示」のチェックを外すと床の座標軸が消えます。
2.モーションの適用
次にモデルを動かしていきます。下部のパネルの中の「モデル操作」のパネルを探してください。そこで該当モデルが選択されているか確認してください。もし選択されていなければプルダウンでモデルを選択してください。
モデルを選択できたらDLしてきたvrm形式のモーションデータを先ほどと同じようにドラッグアンドドロップして読み込ませます。表情やリップのモーションが別途ある場合は同じように読み込ませてください。モーションによっては読み込ませた直後にモデルが画面から消える場合がありますがその場合は落ち着いて再生を押してみてください。しばらく待てばモデルが映るはずです。
カメラデータは同じように、モデル操作パネルから「カメラ・照明・アクセサリ」に切り替えてドラッグアンドドロップでいけます。
wavファイルはボーン・フレーム操作パネルの白い帯のような場所にドラッグアンドドロップすることで読み込ませられます。
一通り読み込ませられたらモデル操作パネルから「カメラ・照明・アクセサリ」に切り替えて「再生」を押してみましょう。よっぽどのことがない限り踊ってくれるはずです。
3.出力
ここまで来たら最後に出力をして動画の完成です。まず出力サイズを設定しましょう。上部の「表示」タブから出力サイズが変更できます。基本は16:9のアスペクト比になるように設定するのが良いでしょう。サイズが大きいほど高画質になりますがその分処理は重たくなります。最初は1920×1080で一度出力をしてみてそれで動作が重ければサイズを下げる…というようにするのがおすすめです。
次に動画の長さを確認します。フレーム操作パネルで一番右端にある矢印と縦線のくっついたようなマークのボタンを押します。そうすると動画の最終フレームが表示されるのでそれを覚えておいてください。今回は5734フレームが最終フレームでした。
この二点を確認出来たらファイルタブから「AVIファイルに出力」を押します。エクスプローラーが開くので保存場所を指定して任意のファイル名を付けます。その後の出力設定の画面で各項目を設定します。
フレームレート→低ければカクカクし、高ければぬるぬるします。30fpsあれば問題ないです。
録画フレーム→左の枠に「0」右の枠に先ほど確認したフレーム数を入力します。
WAVE出力→チェックを外すと音のない動画が出力されます。基本チェックは入れたままで大丈夫です。
ビデオ圧縮コーデック→ツール準備のところで貼った解説を参照して選んでください。私は「UtVideo YUV420 BT.709 DMO」を選択しています。
avi形式で動画が出力できたら必要に応じてmp4などへの変換を行ってください。私は音楽ファイルの変換の時と同じくAviutlを使用してaviからmp4へ変換しています。下記が今回できた動画の一部です。
かっこいい動画を作ろう!
待ってください。詐欺じゃないです。ここからかっこよくなるんです。本当です。いくつか手順を踏めばこれ↓作れるから!!という事でここからmmdで動画の質感や空気感を作っていきます。
使用ツールの準備
①MikuMikuEffect
舞力介入P様作のMMDでエフェクトファイルを読み込めるようにするためのツールです。DL後に解凍し、中身を「MikuMikuDance.exe」と同じフォルダに移しMMDを再起動してください。導入に成功していれば右上の✕ボタンの下に「MMEffect」のボタンが追加されているはずです。そのボタンをクリックし「エフェクト使用」「自動更新」「割当ファイル自動保存」の三か所にチェックを入れて導入は完了です。
②Ray-mmd
Rui様作の物理ベースのシェーダーエフェクトです。このエフェクトを適用することで一気にリアルな質感になります。リンク先のページ中段のDownloadから最新版のzipをDLし、解凍してください。
③AutoLuminous
そぼろ様作のオブジェクトに発光効果を与えるエフェクトです。つまるところ適用すると光ります。同様にリンク先の「Effect」からDLして解凍しておきましょう。
④WorkingFloorAL
針金P様作の床面鏡像描画エフェクトの「WorkingFloor」のAutoLuminous対応版です。WorkingFloorとAutoLuminousを同時に使いたい場合は「WorkingFloor」ではなく「WorkingFloorAL」を使用します。適用すると床が鏡面反射するようになります。同じくDLして解凍しておいてください。
⑤お手軽空気遠近エフェクト
化身バレッタ様作のエフェクトです。遠くに行くほど色を青みがからせ霞んでいるように見せることで遠近感を生んでくれます。よくわからないけど適用するといい感じになります。こちらもDL後解凍しておいてください。
⑥当たり判定付き雨エフェクト
ビームマンP様作のエフェクトです。そのまんまです。雨が降ります。こちらもリンク先の動画の概要からDLして解凍します。
⑦Ray-mmd 夜景メイキングパック
今回はこちらのアールビット様の動画を参考にしている部分があります。動画の概要欄からパッケージがDLできますのでDLして解凍しておいてください。
1.ray-mmdの準備
ツールの準備が終わったら「ファイル」→「新規」で新しいプロジェクトを開きましょう。モデルやステージを読み込む前にシェーダーであるray-mmdの準備をします。邪魔なので座標軸は非表示にしておきます。DLしてきた「ray-mmd-1.5.0」内の「Skybox」の中の「Time of night」の中にある「Time of night.pmx」を探してください。見つけたらそれをMMDにドラッグアンドドロップで入れてください。カメラを動かして上を見ると銀河と流星が見えるかと思います。それを確認出来たら「MMEffect」ボタンから「エフェクト割当」を開きます。「Main」タブの「Object」のところに「Time of night.pmx」があると思うのでそれを選択した状態でウィンドウ下部の「選択項目の一括操作」の中の「ファイル選択」を押し「Time of night」内の「Time of night without milkway.fx」を開きます。上を見上げた時に銀河が見えなければ成功です。OKで「エフェクト割当」を閉じます。
次に「ray-mmd-1.5.0」内の「ray.x」をドラッグアンドドロップでMMDに読み込ませます。続けて同じ場所にある「ray_controller.pmx」も読み込ませてください。
もう一度「エフェクト割当」を開きます。「Main」以外にもタブが増えているはずですので「EnviLightMap」のタブを開きましょう。そこで「Time of night.pmx」に「Time of lighting.fx」を割り当ててください。続いて「MaterialMap」タブを開き「Time of night.pmx」に「ray-mmd-1.5.0」内の「Materials」の中の「material_skybox.fx」を割り当ててください。ここまでできた一旦「エフェクト割当」は閉じて大丈夫です。上手くできてれば下のようになるはずです。
モデル操作パネルで「Time of night」を選択した状態で先ほどDLしてきた「Ray-mmd 夜景メイキング」内の「手順」の中の「01-Skybox」の中にある「Time_Of_Night.vmd」を読み込ませます。見上げた時に流星が止まっていれば大丈夫です。上手くできていれば下のようになるはずです。
2.ステージ・モデルの読み込み
ステージとモデルをドラッグアンドドロップで読み込ませてください。
何か発光しているみたいで色味がおかしいですね。これはモデルとステージにray-mmdが適用されていないためこうなっています。という事でモデルとステージにray-mmdを適用していきましょう。「エフェクト割当」の「Main」タブでモデルとステージに「ray-mmd-1.5.0」内の「Main」にある「main.fx」を割り当ててください。
good!いい感じになりました。モデル操作パネルから「カメラ・照明・アクセサリ」に切り替え、そこへ「Ray-mmd 夜景メイキング」内の「手順」の中の「03-基本照明」の中にある「01-カメラと照明.vmd」を投げ入れます。
めちゃくちゃ夜っぽくなりました。やったね。
3.ALの設定
夜っぽくはなりましたがさすがに暗すぎるので光を当てていきましょう。まずAL(AutoLuminous)の設定からしていきます。ALは基本的にAL対応オブジェクトを光らせることができます。今回はお借りしたステージがALに対応していたのでALを適用して光らせていきますがALに対応していないステージやモデルはそのままでは光らないので注意してください。また表情モーフで光り方を操作できるモデルやステージもあるのでDLしたモデルやステージのread meなどを参照してください。
「AutoLuminous.x」を読み込ませた後「表情操作」パネルのスライダーで光り方を調節しました。表情操作で数値を調節した後は登録を押すのを忘れないようにしてください。
ALを適用したのでこのように窓が光りました。いい感じ!
4.照明の設定
とはいえまだ暗いので次はモデルにスポットライト当てていきます。ray-mmdの「Lightning」フォルダにある「SpotLight.pmx」をドラッグアンドドロップで読み込ませてください。
まず照明の強さと色味を設定します。SpotLightの表情操作パネルで「R+」「G+」「B+」をそれぞれ「0.3」と設定して登録します。これらのパラメータはそれぞれ光の三原色を表しているため全て同じ値に設定すると白い光になります。値を調整すれば赤っぽい照明なども作ることができるでしょう。次に「AttenuationBulb+」を「0.4」に設定して登録します。
次に照明の位置と角度を設定します。基本私は照明をモデルの斜め後ろから当てることが多いです。カメラモードと切り替えながら好きに照明の位置と角度を調節してください。わたしはこのように設定しています。特にこだわりが無ければ真似してこの値を入力するのも良いと思います。
いい感じにライトが当たりましたがスポットライトの球が邪魔なので非表示にしましょう。「エフェクト割当」で「Main」と「MaterialMap」の両方のタブで「SpotLight.pmx」のチェックを外してください。そうするとスポットライトの球が消えるかと思います。
更にスポットライトがモデルに追従するように設定しようと思います。「SpotLight」のモデル操作パネルの「外」のボタンを押します。
「外部親モデル」でモデルを選択し「外部親ボーン」で「センター」を選択したら「外部親登録」「フレーム登録」をそれぞれ押してウィンドウを閉じましょう。
5.マテリアルの設定
ray-mmdでは材質ごとにMaterialを設定することで質感を変えることができます。「エフェクト割当」で「MaterialMap」を開きます。そこでモデルを選択し右クリック→「サブセット展開」を押しましょう。そうすると材質ごとにfxファイルを割り当てられるようになるので自由にfxファイルを割り当ててください。fxファイルは自分で作ることもできるみたいなんですが私はよくわからないのでray-mmdの「Materials」内のファイルを適当に割り当てています。私は下記の通りにfxファイルを割り当てています(それ以外は触ってないです)。
肌(Face/Body)→「material_body.fx」
髪(Hair/HairBack)→「material_hair_with_anisotropy.fx」
服(Tops/Bottoms/Tie)→「material_cloth.fx」
小技?としては「Metallic」の中のマテリアルを靴にを割り当てるとエナメルっぽくなったりするのがあります。とにかく色々割り当てて試してみるべし!気に食わなければもとに戻せば良いだけなのでね。(「Materials」内の「material_2.0.fx」を割り当てると質感が元に戻ります)
6.エフェクトで空気感を作る
DLしてきた「空気遠近」内の「空気遠近青.x」をドラッグアンドドロップで読み込ませます。なんかよく分かりませんが、画面全体に遠近感がでます。やったね!
次に「WorkingFloor」を適用して地面に鏡面反射をつけようと思います。当初は「流体水面エフェクト」を使用して床を水たまりのようにする予定だったのですが「流体水面エフェクト」と「当たり判定付き雨エフェクト」と併用するとMMDがとんでもなく重くなって落ちかけたので水たまりを作るのは諦めました。しかし雨を降らせるのであれば地面のテカテカ感はだしたいよなあ…!ということで今回は代替案として「WorkingFloor」を利用しています。とりあえずDLしてきた「WorkingFloorAL_v007」内の「WorkingFloorAL.x」を何も考えずMMDにドラッグアンドドロップで読み込ませましょう。
こんな風に床の一部が鏡面反射するようになったと思います。しかしこのままでは鏡面反射する範囲が足りないですし反射しすぎているように感じるのでそれぞれ調節していきます。モデル操作パネルから「カメラ・照明・アクセサリ」モードに切り替えてください。アクセサリ操作から「WorkingFloor」の適用範囲や反射具合を調節することができます。「Si」で適用範囲、「Tr」で反射具合を操作できます。今回は「Si」を「5.0」、「Tr」を「0.3」に設定しました。いい感じに設定できたら忘れずに登録をしてください。
やっと雨を降らせます!「HitRain_v1_1_32_64」内の「HitRain_low.x」と「HitRain_Controller0.pmx」を読み込ませた後「お勧め設定.vmd」を読み込むと雨が降ります。表情操作パネルのスライダーで色々調節できるので好きに設定します。(登録も忘れないでね!)私は「範囲」を「0.7」に設定しました。それ以外は弄ってません。
最後に画面の色味?を調整したり効果を追加しましょう。モデル操作パネルから「ray_controller」を選択し表情操作のところで色味とか色々弄れるので好みの感じになるまでこねくり回してください。私がよく弄ってるのはこの辺の項目です。
「SunLight+/SunLight-」→MMDに元からある照明の明るさを上げたり下げる。今回は不使用。
「SSAO+」→影が濃くなる?あんまり数値を高くすると怖い感じになる。0~0.5ぐらいが無難?今回は0.3に設定。
「BloomThreshold」→明るいところにブラーを掛けることができる。光がぼんやりして柔らかく?なるのでお気に入り。今回は0.4に設定。
「Vignette」→画面の周りが暗くなる。今回は0.7に設定。
「Dispersion」→RGBずらしが掛かる。あんまり強くすると見ずらい。今回は0.2に設定。
「Contrast+/Contrast-」→そのまんま。コントラストを上げたり下げたりできる。今回は「Contrast-」を0.4に設定。
「Saturation+/Saturation-」→彩度を上げたり下げたりできる。今回は「Saturation-」を0.3に設定。
7.満足したら完成
満足いくまで弄ったら、あとはモーションや楽曲を流し込んで出力して完成です!お疲れ様でした😄
私は後からモデルの造形が気に入らなくなったのでモデルを調節した上にビームマンP様作の「被写界深度エフェクト」かけて再出力しました。「被写界深度エフェクト」については割愛しますが気になる方向けに「被写界深度エフェクト」の配布動画を貼っておきます。こちらで詳しく使い方が解説されていますのでそちらを参照してください。
備考
ray-mmdのSkyboxについて
今回は夜っぽい画面を作りましたが昼っぽい画面を作ることももちろん可能です。その場合は「Time of night.pmx」ではなく「Helipad GoldenHour」内の「Sky with box.pmx」を使用するのが簡単です。「Sky with box.pmx」をMMDに読み込んだ後「エフェクト割当」の「EnviLightMap」のタブで「Sky with box.pmx」に「Sky with lighting.fx」を割り当てて使用してください。好みにはなりますが「Sky with box.pmx」を使用するとき、私の場合はいつも「ray_controller」の「SunLight-」を0.5~1に設定しています。
スカートの物理演算
スカートの物理入れの方法はたくさんあり未だに私自身も研究が必要だなあと思っているところなので私の方から詳しく解説することはできません!ごめんなさい。その代わりに私がよく参考にさせていただいている湊リオ様の解説記事を下記に貼っておきます。私は全部試したんですが、PmxTailorで「最強スカート」を適用するのが一番手軽かつ上手くいったように思います。
個人的にはミニスカートであればjsonファイルを利用した物理入れで十分だと思います。特に今回のような上着を着たモデルで上着に物理を入れるのであれば、頑張ってスカートに物理を入れる必要はほぼ無いというか、下手に入れない方が動きが綺麗な気がします(個人の素人の意見です)。
ネクタイの物理演算
ネクタイの物理入れはこちらの動画を参考にさせていただいております。先に動画を見てからだと分かりやすいかと思います。ネクタイの物理入れでは剛体を調節する必要があるので少し難しいと感じるかもしれません。
ネクタイ以外の物理入れが済んでいる状態のモデルをPMXエディタで開きましょう。「PmxView」の小窓:の並びにある「絞」のボタンから絞り込み表示機能を利用してネクタイのみを表示します。邪魔なのでボーンは左下の◉から非表示にしておきます。「Pmx編集」の方のView選択対象のリスト選択で頂点にチェックを入れるのも忘れずに。「PmxView」のウィンドウで選択:の欄の「頂」と「面」、範囲:の欄の「△」にそれぞれチェックを入れてください。そうすると下のように面とその周囲の頂点が選択できるようになります。
shiftキーを押しながら中央の二列だけを根本まで選択しましょう。
選択するとこうなります。選択できたら「Pmx編集」に戻り頂点のタブで薄灰色の箇所を探してcsv出力してください。私の場合ファイル名は「(キャラ名) ネクタイ 物理範囲.csv」としています。
次は一旦先ほどの選択を解除してネクタイの根本の部分を選択します。範囲:の欄から「▭」を押してBOX範囲のモードに切り替え、下のように根本中央の3点を選択します。
選択できたら同様にcsv出力します。ファイル名は「(キャラ名) ネクタイ 根本頂点.csv」などが良いでしょう。
最後に下のようにネクタイの根本より下を選択しcsv出力したらPMXエディタでの作業は一旦終了です。ファイル名は「(キャラ名) ネクタイ 裏頂点.csv」としました。
ここまで出来たらPmxTailorで物理を入れたいモデルを開き、パラ調整タブを開いてください。そこで各項目を以下のように設定します。
物理材質→ネクタイを選ぶ。名前が分からない場合はPMXエディタの絞込み表示機能で確認。
親ボーン→上半身2を選択
剛体グループ→7以下かつ、コートの物理入れの時使用していない番号を選択
プリセット→物理を入れる材質に合うものを適当に選びましょう。今回は「布(レザー)」を選択しました。
特殊形状→なし
上記を設定できたら「物理対象頂点CSV」「根本頂点CSV」「裏面対象頂点CSV」の欄でそれぞれ先ほど出力してきたcsvファイルを選択します。選択できたら「パラ調整(詳細)」タブを開いてください。そこで「密度基準」を中央に設定。その後「ファイル」タブに戻って実行し、実行完了を待ちます。
実行完了後に生成されるモデルデータを開きPMXエディタのTransformViewで確認するとネクタイがシャツ等のトップスに埋まってしまうかと思います。ここを修正してきましょう。
「PmxView」のウィンドウで選択:から「剛」にチェックを入れます。こうするとカラフルなボールやカプセルのようなものがたくさん表示されるようになったかと思いますが、これが剛体です。簡単に言えば当たり判定のようなものです(厳密には違うと思う)。絞込み表示の機能の剛体タブから「上半身」「上半身2」そして「ネクタイの剛体(Accessから始まる剛体)」以外を非表示にします。そうしたらPmx編集のウィンドウの剛体タブを開いてください。そこで各剛体の位置や半径、高さを調整することができるので下図のように上半身の剛体がネクタイの剛体と触れるように調整します。
適宜TransformViewで見え方を確認するとやりやすいです。よくわからない方用に私の場合の設定値を載せておきます。
最後に編集したモデルを保存します。これでネクタイの物理入れは終了です。
テクスチャ配布所
リンク先にてVroidStudio向けのテクスチャを配布しています。
readmeに目を通したうえでご使用するようお願いします。テクスチャのご使用に関して不明な点がございましたらtwitterのDMまでご連絡お願いします。
さいごに
ここまで読んでいただきありがとうございました!どうだったでしょうか。少しでも、MMDで自創作キャラが踊っている動画が欲しいけど右も左も分からない…!と言う皆さんのお役に立てていれば幸いです。
記事に不備や問題点がありましたらtwitterのDMまでご連絡お願い致します。もし質問などがある場合はお気軽にどうぞ。答えられる範囲で回答させていただきます。まだまだ初心者なので本記事に間違いやアドバイスがあればぜひ教えていただきたいです。
無湯(@myuyu_xox)