台風と遠距離恋愛。

 また台風が発生したそうで。この季節は、台風が多くて嫌になる。

 私は、遠距離恋愛をしている。ちなみに今年で3年目だ。大学の頃から付き合っていた恋人と、就職を機に遠距離になるという、何とも「よくある話」だ。

 遠距離を始めた頃は、辛くて仕方がなかった。周りはたくさん会えているのに、なんで自分たちは遠距離なのだと。しかし、近距離でも別れることはあるし、近くてもなかなか会えない場合もある。時が経つにつれて「よそはよそ。私たちは私たち。信頼しあえば、大丈夫だろう」と、周りと比較して落ち込むことはなくなった。

 ただ、なかなか会えないことの寂しさは相変わらずあった。趣味に打ち込んでみたり、友達と遊びに出かけたりはするものの、寂しさを紛らわせずにいた。結局、恋人に電話をかけて「会いたい」と言ってみたり「今何してる？」とLINEを送ってみたりしていた。恋人は優しいので、「俺も会いたい」と百点満点の答えを返してくれた。面倒がらずにいてくれて、ありがたい。

 何とか会えない時間を耐え、やっと久しぶりに会えるとなったとき…ニュースを見たら「台風発生」の文字が。今年の台風は、三連休を狙いがちだ。会うタイミングにここぞとばかりに被せてくる。憎い。

 台風が被ると電車が止まり会えなくなるかも。恋人が来てくれても交通状況によってはすぐ帰ることになるかも。色々な「もしも」が浮かび、心も晴れない。

 台風の進路予想をネットでチェックする日々が始まる。調べた中で「JTWC」という米軍の進路予想が結構当たっていて参考になるなと思った。1日に何回かサイトを開いてチェックする。日本に来そうだと気付き、落ち込む。

 自然には逆らえない。仕方ない。でも、私は諦めが悪い。 どうか来週末晴れますようにと、切に願う。

 遠距離の関係が終わり、近距離となったとき、そんなこともあったねと、お互い思い出話にできるのだろうか。そんな日が来たら、台風の日は、ゆっくり紅茶でも飲みながら、TSUTAYAでDVDでも借りて、恋人とゆっくり鑑賞したい。映画は何がいいかな。私の大好きな「きみに読む物語」にしようかな。我ながら、素敵なアイデアだ。