つかうひとはつくるひと?ー プラットフォームの性質から見る参入コスト ー
こんにちは。普段はかにぱんの雄と雌を仕分ける仕事をしています。
アドベントカレンダーで「25日までなら余裕でしょ」と思って25日を選んだら普通に年末進行でハチャメチャが押し寄せてきました。死ぬ。
クリスマスに予定がない人間でよかった。
そんなわけでプラットフォームは難しいという話について書いていきます。
プラットフォームって?
みなさん、プラットフォームって聞いたことあります?まあありますよね。
普通プラットフォームといえば「なにがしかのサービスを動かす基盤のこと」というニュアンスが強いと思います。
でもここでいうプラットフォームはちょっと違います。
『プラットフォーム革命』の言葉を借りるなら、それは「ビジネスモデル」なのです。
みんな大好きジェフリー・パーカーはこんな感じでも言ってますね。
プラットフォームとは、外部の生産者と消費者のあいだに価値創造的な相互作用を実現させた企業である。相互作用のためのオープンで参加型のインフラを提供し、その管理環境を設定する。
ユーザー同士の結びつきを完成させ、商品やサービス、ソーシャルカレンシーの交換を促すことで、すべての参加者の価値創造を実現することが、その目的である。
『プラットフォーマー 勝者の法則』( p.51)
ウヒー。難しい。でも具体的に考えると確かにそんな感じですよね。
例えばウーバーは「運転手(外部の生産者)」と「乗る人(消費者)」を結びつけ、運転に対する利用料を支払う(サービスの交換・価値創造)ビジネスモデルです。エアビーもそれに当たりますね。
つまりプラットフォームの本質は「生産者と消費者を結びつける場を提供して価値を創造する」ことだともいえそうです。
生産者、かつ、消費者
生産者と消費者を結びつける場、というお話でしたが、では生産者って誰なんでしょう。ウーバーだったら運転手、エアビーだったら宿泊先を提供する人ですね。運転手は目的地まで人を送るというサービスを提供し、宿主は今日泊まる宿を提供する。
ではTwitter、FacebookなどのSNSはどうでしょう。
これも「相互作用のためのオープンで参加型のインフラを提供」してますし、「ユーザー同士の結びつきを完成させ、商品やサービス、ソーシャルカレンシーの交換」をしてますね。特にソーシャルカレンシー(「映え〜!」みたいな意味です)との愛称はメッチャ良い。
これらのサービスも間違いなくプラットフォームと言っていいでしょう。
その場合、消費者と生産者は誰でしょうか。ここは結構曖昧ですね。
ツイートを生み出していると同時に誰かのツイートも見ている人がほとんどだと思います。ここで「生産者であり消費者である」というダブりが生まれてきます。
その視点で見てみると、イーベイ、メルカリなどのECも「生産者かつ消費者」がいそうです。メルカリで出品もするし、買い物もする、というユーザーの存在。特にこの手のECはSNSと違ってプラットフォームが経済圏になるので、売って稼いだ売上金をメルカリ内で使う(副収入から買い物させる)ことが可能なので、売り手=買い手のうまみは多分にあると思います。
プラットフォームの参入コスト
一方で、SNSの時のように生産者かつ消費者である人の割合はそこまで高くない、とも思います。(ここはデータ探したけどちゃんとしたのなかったので憶測で話します)それはなぜかというと、普通に物を買うのはめんどくないけど売るのはめんどいからです。
まず売るためのモノが必要。それをさらに商品として登録が必要。さらにさらに売れたら梱包とか、発送とかメッセージとか…
自分だったら速攻でハードオフ行っちゃうよね。
まあそんなわけで売り手として参加するのは結構大変なワケです。これをここでは「プラットフォームへの参入コスト」と呼びます。
なので、必然的に生産者の方が数が少なくなっていくのです。(実はこの問題はウーバーでも抱えており、乗客を装った勧誘部隊を他社サービスの運転手のもとに派遣して引き抜くという仁義なき戦略が話題になりました)
生産者≠消費者
さて、参入コストという側面からプラットフォームの生産者と消費者のダブりやすさについてみてみましたが、App storeやPlay Storeといったプラットフォームはどうでしょう。
はい、生産者としての参入コスト爆高いですね。
インストールはきっと誰もがしたことあるとおもうんです。
でもそれに対してアプリを作って売りましたなんて人、圧倒的に少ないんじゃないでしょうか。
こういう場合、プラットフォームは難しい立場に立たされます。明確に消費者と生産者の役割を持つ人の双方を必要とするからです。
消費者が参加しても、その人がのちのち生産者になるかと言えばそうじゃありません。その人はずっと消費者の可能性が高いです。
常に成長のためには双方の人物を確保し続ける必要があるということです。
ちょっと長くなったので一旦ここで締めることにします。何が言いたかったのかというと一口にプラットフォームといってもまじでほんと色々あるから覚悟しろよということです。