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博物館デジタル化調査報告 No.14 〜テート・セント・アイヴス〜
こんにちは。ミューゼオの奈良です。
第14回はテイトのひとつであり、2018年の「ミュージアム・オブ・ジ・イヤー」最優秀ミュージアムに選ばれたテート・セント・アイヴス。テイト最後の紹介です!今やミュージアムの楽しみ方のひとつとして確立されつつあるデジタルを活用したさまざまな施策をまとめていきます。
国内のミュージアムではあまり見かけない施策も含め調査し、「デジタル化やDXは手段や方法が色々ありすぎて何から手をつけたらいいのやら…」と悩んでいる方の参考になればと思っております。
調査はミュージアムの公式HPを中心にミュージアムとしての取り組みや個人的に好きなミュージアムストアの情報なども取り上げています。テイトは全体で共通アカウントを使ってSNSを運用しているため、今回は「SNSでの活動」については省略いたします。(TOP画像はテイト公式Facebookを参照)
テイトについて
テート・セント・アイヴスも含まれるテイトは、イギリス政府の持つイギリス美術コレクションや近現代美術コレクションを所蔵・管理する組織である。
テート・セント・アイヴスの概要
イギリスの国立近現代美術館
所在:イギリス西南部コーンウォール半島
英語の正式名称:Tate St Ives
テート・セント・アイヴス(Tate St Ives)は、イギリス西南部コーンウォール半島のリゾート地・港町であるセント・アイヴスに位置する国立の近現代美術館。1993年に開設され、20世紀初頭にこの地で制作したバーバラ・ヘップワース、ベン・ニコルソンなど「セント・アイヴス派」によるイギリス近代美術の作品を中心に展示している。
イギリスでもサーフィンができる数少ないビーチとして有名なPorthmeorの浜辺に建つ、白亜の円形の建物は、エルドリッジ・エヴァンズとデイヴィッド・シャレフの設計による。町の縁に位置し、胸を打つような浜辺と町の眺めを見わたすことができる。
1993年にガス工場を改装して造られたテート・セント・アイヴスは海岸沿いにある。リゾート地としても人気であるため美術館から望める景色も格別である。美術館には海を望めることができるカフェも併設されている。
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Webサイトの内容
〈開館時間〉※基本休業なし 午前10:00-午後05:50
〈チケット〉入館無料
【1】テート・セント・アイヴスの5つの魅力
こちらのページにはテート・セント・アイヴスの楽しみ方が掲載されている。おすすめの閲覧方法などの他に、テート・セント・アイヴスが運営しているバーバラヘップワース博物館と彫刻庭園について書かれている。
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DISCOVER THE BARBARA HEPWORTH MUSEUM AND SCULPTURE GARDEN参照
バーバラヘップワース博物館と彫刻庭園は、月曜休館でチケットも予約が必要だ。
【2】スマホでも見られる展示
ARで作品を見ることができる。WEB上ではなく専用のアプリをダウンロードすると見られるようだ。
【3】子ども向けアクティビティ
テイトでは子ども向けのプログラムに注力している。デジタルで遊べるものもいくつかあるため紹介していく。
●TATE PAINT
デジタルペイントが無料で楽しめる。こちらではいくつかの背景が描かれたキャンバスの中から好きなものを選び、それぞれのシーンに沿ったペイント方法で創作を楽しむことができる。
・STREET ART
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路上の壁のようなキャンバスにスプレーやステッカーでペイントができる。
・ART PARTS
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ここでは他者の作品をヒントにしたペイントができる。また、自分の作品をシェアすることもできるため、ペイントするだけではなく発見の場としても楽しむことができる。
Shop情報
ショップもSNS同様テイト全体で運営しているが、テート・セント・アイヴス仕様のグッズを中心に紹介する。
テートセントアイブスのショップでは、アーティストと地元の風景が中心となっており、さまざまな本、ギフト、ポストカード、グリーティングカードが揃っています。また、ジュエリー、収集可能なテートセントアイブスのマグカップ、さまざまな子供向けの本も取り揃えています。
印刷物の販売による利益の70%以上は、教育および展示会プログラムに投資されています。
●テート・セント・アイヴス色のトートバック
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テートセントアイブスのスタッフとボランティアは、コーンウォールとセントアイブスの代名詞であると感じた人々、場所、植物、食べ物、フレーズについてのアイデアをまとめました。それぞれに色が付けられており、その地域を祝う鮮やかなチャートを作成できます。
ドロシーはリバプールに本拠を置くデザインスタジオであり、国際的に販売および展示されているコンセプトプリント、製品、アートワークを制作しています。
前回、テート・リバプール色のトートバックを紹介したが今回は、テート・セント・アイヴスのトートバック。色もよく見ると異なっている。
●キャンベルのスケートボード
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ウォーホルは、印刷されたインクに鮮やかな色を使用しただけでなく、ラベルの背景と下部をさまざまな色でスプレーペイントしました。このスケートデッキのデザインは、ウォーホルの作品を反映しており、スープの缶に紫、赤、水色を使用し、背景はオレンジ色で、高品質のカナダのカエデ材に巧みに印刷されています。デッキの裏側には、The Skateroom x AndyWarholが黒でプリントされています。
The Skateroomのすべてのデッキは、持続可能な森林から供給された7層のカナダ産メープルで作られています。
Skateroomは、「Art for Social Impact」モデルを使用して、世界中のアートバイヤー、アーティスト、ギャラリー、美術館、財団、小売業者、非営利団体を結び付けるプロジェクトです。彼らは芸術作品で飾られた高品質の装飾的なスケートデッキを製造し、売上高の5%またはすべての販売からの利益の25%(どちらか大きい方)を寄付して、世界中の危険にさらされている若者に力を与えることに専念するソーシャルスケートプロジェクトに資金を提供します。
アンディ・ウォーホルの代表的な作品であるキャンベルの缶詰が描かれたスケートボード。素材はサステナビリティに配慮されており、売上金の一部が寄付金となるプロジェクトの一つとして作成されている。
●アーティストとコラボしたサンダル
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海辺にあるミュージアムならではのグッツかもしれない。アーティストであるリサ・ミルロイとコラボしたグッツはサンダルの他にも、ビーチボールがあった。
まとめ
▶︎デジタルにおける創作に力を入れている
▶︎WEB上だけではなくアプリも使用している
▶︎美術館が賞を受賞するくらいの素敵な場所であり、立地を活かしたグッツなども展開している
美術館そのものが建築物としても魅力的であり、また周辺はリゾート地であるため、美術館内だけではなく地域全体を楽しむことができそうです。近くにはイギリスの最西端である証の「THE END reverse」という標識があるそうで、デジタルで楽しむだけで終わらない魅力ある美術館でした。
次回はオンタリオ美術館について調査していきます。カナダのミュージアムではどんな取り組みに力を入れているのか。お楽しみに!
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