博物館デジタル化調査報告 No.21 〜自然史博物館(ウィーン)〜
こんにちは。ミューゼオ株式会社の奈良です。
第21回はオーストリアの首都ウィーンにあり、約3000万点の収蔵品を誇る世界でも主要な博物館の1つとされる自然史博物館(ウィーン)。今やミュージアムの楽しみ方のひとつとして確立されつつあるデジタルを活用したさまざまな施策をまとめていきます!
国内のミュージアムではあまり見かけない施策も含め調査し、「デジタル化やDXは手段や方法が色々ありすぎて何から手をつけたらいいのやら…」と悩んでいる方の参考になればと思っております。
調査はミュージアムの公式HPを中心にミュージアムとしての取り組みやSNSの活用方法を調査し、個人的に好きなミュージアムストアの情報なども取り上げています。(TOP画像は自然史博物館公式Facebookを参照)
自然史博物館(ウィーン)の概要
所在:オーストリアの首都ウィーン
正式名称: Naturhistorisches Museum Wien
略語:NHMW
ウィーンの旧市街を囲むリング通り沿いのマリア・テレジア広場に建てられた自然史博物館には、歴代のオーストリア皇帝達が収集した歴史的にみても貴重なものが展示されている。
1908年にオーストリアのヴァッハウで発見された「Venus of Willendorf」といわれるヴィーナス像は約2万9500年前の旧石器時代のもの。他にも1882年に日本の明治天皇から当時のオーストリア皇帝フランツ・ヨゼフ帝に贈られた日本のタカアシガニの標本や、1751年に落ちた隕石なども展示している。
Webサイトの内容
〈開館時間〉※火曜日は休館 ※水曜日は21時まで開館
月・木・金・土・日曜日 09:00~18:30
水曜日 09:00~21:00
〈チケット〉当日券も販売している。
日本語での公式Webサイトもあるため基本情報を確認してから訪問することが可能だ。一方で、美術史美術館とは異なり日本語に変換した音声ガイドはない、また営業時間や休館日も異なるため注意が必要だ。
【1】洞窟探索の展示会イベント
無料で参加することのできる洞窟についての講義。洞窟ができる背景についてや洞窟の中で生きる動物など様々な角度から探索していくことができる。
【2】デッキ50
子どもに人気の動く恐竜ショーなど、化学や地球について楽しく学ぶことができるプログラムが開催されている。
【3】さまざまな言語に対応した映画館
プラネタリウムもある自然史博物館では、様々な言語に対応したガイドが準備されている。日本語があるかは確認できなかった。
【4】オンラインゲーム
考古学などに由来したオンラインゲームも提供。シンプルな操作方法で遊べるため誰でも楽しく学びながら遊ぶことができる。
【5】3Dミュージアム
約2万9500年前の旧石器時代のヴィーナス像などを3Dで間近に干渉することができる。特徴的な場所には説明も加えられている。
SNSでの活動
自然史博物館では3つのSNSとGoogleアート、Podcastを利用して情報を発信。YouTubeも積極的に活用している。様々な媒体を使って作品紹介を発信しているため、自分の好きな媒体で情報をチェックできる。
イベントや最近のイベントについてなどが発信されている。
展示物やイベントについて投稿されている。Facebookの内容とは異なる。
主にイベントについて投稿されている。
●Googleアート
鉱物標本や化石などをオンラインで閲覧することができる。
●Podcast
展示会のガイドや恐竜の骨格について、環境についてなど様々なテーマで開催されているイベントの音声を聞くことができる。
YouTube
〈チャンネル登録者数〉986人
〈本数〉約240本以上
〈配信開始〉51,006 回視聴2011/09/27(10年前)
〈最高視聴〉65,880 回視聴
内容:月はどのように地球を周回していますか?
Store情報
こちらからは美術史美術館でしか買えないようなアイテムを紹介。オンラインでの購入はメールにて注文をしなければならない。また、商品も一覧で確認できない。恐竜のマスクなどを販売しているようだ。
まとめ
▶︎歴史や環境について学ぶことができるイベントをオンラインでも開催している
▶︎様々なSNSを活用している
▶︎3Dミュージアムも含めオンラインでのイベントは無料のものが多い
自然史博物館では子どもから大人まで楽しめるイベントが多く開催されており、かつ無料であるためどんな方でも気軽に参加できるように工夫がされていました。またSNSの活用も進んでいるため、デジタル化を進める参考になりそうです!
次回はペルーにあるラルコ博物について調査していきます。今回に引き続き博物館の調査になりますが違いはあるのでしょうか。お楽しみに!