目標

行動をするための目標設定


今回は行動を引き出すための目標設定について見ていきたいと思います。



□長期的な目標を立てる


「ドッグフードを食べたら1000円差し上げる」と言われて、どれだけの人がドッグフードを食べるでしょうか。

ほとんどの人は食べません。

では、10万円なら?100万円なら?

1億円なら?おそらく多くの人がドッグフードを進んで食べるでしょう。

これは極論ですが、目標と行動の関係を示しています。


もしかしたらドッグフードが好きという人もいるかもしれませんが、多くの人にとってはドッグフードを食べること自体は苦痛です。1000円もらえるくらいでは少なくとも僕は食べません。

しかし1億円もらえるのであれば、喜んで食べます。

1000円なのか1億円なのかという報酬の違いで、ドッグフードを食べるという行為は同じでも、それに対する行動は変わるのです。さらに、1億円もらえるとなると、ドッグフードを食べるという苦痛も減ります。これを食べれば1億円が手に入ってあれも買えるこれもできる!と1億円という報酬に向かってドッグフードを食べるという行為自体にも、ある意味で快感が結びつくのです。

つまり、人は目標を設定してそれを意識して行動するとき、苦痛であるはずの過程の行動も、目標達成と結びついて快楽に変わってしまうのです。

目標までの過程を快楽に結びつけるためには、とにかく目標を具体的にすることです。明確な目標を立てると脳内でドーパミンが分泌されます。このドーパミンはドキドキ・ワクワクという感情を生み出します。目標を立てた時にワクワクすることやモチベーションが上がるという経験が誰しもあるのではないでしょうか。そして、感情は行動を生み出します。

目標を明確にするということには様々ないい意味がありますが、一つははっきりと目標を思い浮かべて感情を引き出すということができるからです。残念ながらモチベーションは意識しなければ下がってしまうことが多いです。しかし明確な目標を思い浮かべるだけでもドーパミンが分泌されてモチベーションをあげることが能動的にできるのです。




□短期的な目標を立てる


長期的な目標に向かって日々行動していくためには短期的な目標の役割は大切です。

ドーパミンは、目標を立てた時に分泌されます。そして目標を達成した時にも分泌されます。ドーパミンは2回分泌されるのです。つまりその二回私たちは「快」を感じます。

人は「快」を経験すると、さらに大きな「快」を求め、そのために工夫して行動するようになります。このサイクルはドーパミンの「強化学習」と呼ばれるもので、モチベーションの維持と自分の成長に不可欠なシステムです。


短期的な目標の達成は、長期的な目標の達成に確実に近づいているという実感も与えてくれます。

例えば、マラソンでは今何キロ地点を走っているかわかるように、ここは何キロ地点ですと細かく示されています。給水地点や折り返し地点なども示されています。もしこれがなく、スタートとゴールだけだったら、自分がどれくらい走ったのかわからず、後どれくらいでゴールなのかわからないという状態で、不安や精神的負担が大きくなってしまい心が折れやすくなってしまいます。

確実にゴールに近づいているという指針が大切なのです。


短期的な目標の達成は、小さな成功体験となります。成功体験と積み重ねることで人は自信をつけることができます。自信がつくとさらに一つ上の目標にも向かうことができ、それを達成できると信じているのでどんどん行動していきます。そうやって階段を上ってくように脳の仕組み的にもできています。短期的な目標設定は、このサイクルを回す役割も担っているのです。

また、短期的な目標達成の効用をさらに上げるには、自分にご褒美を与えるということがかなり効果的です。

目標達成自体が「快」を与えてくれますが、さらに自分にご褒美を与えることで「快」を強化することとなります。その「快」を経験することで、またご褒美が欲しい!とモチベーションに変わり、目標達成に向かう力が引き出されます。これは達成した時の「ご褒美」と、達成するための「行動」が結びつくからです。



目標というのは、行動を引き出すのに非常に重要な役割を担っています。合理的な目標の立て方をするだけで行動を引き出す仕組みは作れるのです。目標を立てられた時点で、半分目標は達成されたといっても過言ではありません。

人は意外と単純です。工夫して目標を立てるだけで脳内物質が分泌されて、勝手に行動を引き起こさせてくれるのです。

日々の小さな積み重ねだけが、とんでもない大きな結果を出してくれます。




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