ちょっと変わった経営者に社員が戸惑った話
きのう、「ちょっと変わった社員に経営者が困っている」という話を書いたのだが、反対に「ちょっと変わった経営者に社員が戸惑った」という話を友人から聞いた。
もうすでに解決済みらしいのだが、いま時だなあ~と・・・
町の小さな整体院にアシスタントとして勤めていた友人。ある日突然、自らも施術をする経営者に「整体院をたたみます。よって○月○日をもって~」と、会社都合の解雇というのだろうか、要するに辞めてくださいと言われたのだ。1か月ちょっと前の通告ではあったそうだが。
いや、正しくは、そういう趣旨が書かれた紙(文書)がロッカーに入っていた。コロナ禍で経営が思わしくなく、整体院をたたみ、自分は経営者ではなくフリーに戻ると。
ロッカーに紙が入っていた前日もいつもと変わらず普通に仕事が進み、経営者である院長とも普通に会話し、そして営業をやめるという話は一切出てきたことはなく、いきなりの紙きれ。狐につままれた気分だったという友人。
紙を発見した後も院長から直接話はない。
何もなかったかのように、翌日も仕事は続いた。
以前から話しかけにくい雰囲気の院長だったのかなあ。
さすがにおかしいからもう一人のアシスタントが直接話を聞きに行ったら、その時は、今後についての手続きなどに関して回答はあったそうだ。
常連客もまずまずいて、普通に会話はしていたから、
喋れないわけではない。口べた?
会社組織だったのか、個人事業主だったのかはっきりわからないのだが、いずれにしても、解雇という大切なことに関して、ロッカーに黙ってお手紙入れとくだけではダメだろう。
昭和から平成に入るぐらいまでは、会社を経営するということは、一大事業だった。従業員の生活もかかっている。
しかし今は、会社や飲食店などの店舗が生まれては消え、生まれては消え。
平成18年(2006年)の会社法改正で資本金が1円でもいいとか、従来の有限会社の規模で株式会社を名乗れるとか、規制が緩和された結果だと思う。
「起業」という言葉がもてはやされたのもその頃だ。
もちろん人生かけて起業する人もいるが、簡単に経営者になれる時代。
「ちょっと変わった社員」と同世代が経営者になれば、
「ちょっと変わった経営者」も出てくるわけか。
力もないのに起業してみて、あっさりやめる。経営者とも呼べない、
なんとも頼りない話。そういうタイプの人間は人を雇わない方がいい。
NPO団体の代表と働き方の話になった。
一家の主は会社に勤めるサラリーマン。いったん就職したら終身雇用で定年まで転職しない、辞めない。そんな働き方が一般的になった歴史は浅く、昭和20年代ぐらいまではいくつかの仕事を掛け持ちしたり、途中で転職したりが当たり前だった。
今、里山の自給自足生活を選んだり、どこにも属さず複数のやりたいことを同時に仕事にしている20代30代が増えつつある。
でもそれは、昭和の初めに戻っただけで、おかしなことでも不可能なことでもない。副業を認める企業も現れている。
将来、働き方の多様化は必然だろう。しかしだ。
かの院長のような経営者が増えたら、世の中どうなるんだろう。
ん?経営者がアレで社員もアレなら、問題なし? カオス( ;∀;)
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