『キミと僕の』



――とどく。 
とどく、 
キミの言葉に。

――とどかない。 
とどかない、 
キミの心に。 

僕と 
          キミの 
    距離は 

手を伸ばせばとどきそうに 
ほんのちょっとしかなくて 

でも手を伸ばせばとどかないくらい 
ずうっと遠くて 

だから僕は、 
手を伸ばさない。 

伸ばせば 
とどきそう 

だけど 
手を伸ばさない。 

――ねえ。 
見えないキミの 
見えない心は 

いま、どこにあるんだろう 

どこに 
あるんだろう。 


――わかる。 
わかる、 
キミの気持ちは。 

――わからない。 
わからない、 
キミの未来は。 

僕と 
 キミの 
  歩む道は 

目を凝らしても見えないくらい 
まばゆく光り輝いていて 

でも前に進んでも届かないくらい 
ずうっと遠くて 

だから僕は、 
前を見ない。 

見ていれば 
幸せになれる 

だけど 
前を見ない。 

――ねえ。 
見えないキミとの 
見えない道は 

いま、どこまで来てたんだろう 

どこまで 
来てたんだろう。 

(Fin) 

いいなと思ったら応援しよう!