【2023年GW韓国旅打ち】日本人の知らないカジノに行こう! ⑩カジノを受け入れた町、舎北(後編)
5/4 4:30 a.m.
無事起床しました。ホテルからはカジノへ向かう幹線道路が見えるのですが、現時点でも車の流れがあるもよう。閉場の6時前にはすでに退場のピークが過ぎていたことを考えると、サブクはすでにカジノベットタウンとしての活動を開始している可能性は高いです。というわけで早朝のサブクに降り立ちます。
あれぇ!?閉めてる店がほとんどだよぉ!?
体感では9割方のお店が閉店、開店準備すらしていないように感じます。
質屋通りにも車はそこそこありますが、これが質に入れられた車なのかはわかりません。
空は少しずつ明るくなってきているのですが、町はというとネオンとは対照的に閑散としています。
この前の道を進むと町から出る幹線道路に乗るのですが、体感では7割ぐらいの車がサブクに寄らずに帰っちゃってる感じがしますね。
午前6時を回ったので完全にピークタイムは過ぎたでしょうということで、最後にサブクを散策します。動画を回しながら歩いていたのですが、マッサージとモーテルの客引きに2回ほど引っ掛かったぐらいで、むしろ昼や夜の方がまだ人が多い印象でした。
モーテルはともかく、マッサージはタイ人のプロが施術するよ!と言っていたので、連日の歩行により腰から下が爆発しそうだったので食指が動きかけたのですが、撮影を先に済ませたかったのと、財布の中には約100万ウォンやらクレカやらを入れっぱなしだったので、施術中に何をされるかわかったもんじゃなかったので一旦チラシだけもらってホテルに戻ってきました。
で、マッサージの魅力には抗いきれなかったので、財布の中を10万ウォンだけにして行ってみることに。
受付でクーポンを見せると確かに割引が聞いて60分5000円になりました(それでも高い)。スタッフが遅れるとのことで部屋に通されて待ってたのですが、
風俗有識者ニキに聞きたいのですが、ここってエロい方のマッサージですか? なんかアフターでなんかごにょごにょ行っていたのは拒否したのですが…。
なんてことを考えながら待っていたらやってきたのは全身革のファッションでまとめたちょっと小太りないかにもな嬢。
あ、ここ風俗店だ!追加料金払ったらヌキありのやつだ!
ここでやっと気づきます。ただまぁ追加料金を払ってないので当然のことながらマッサージのみです。そのタイ式マッサージも「タイ人が見様見真似で覚えたマッサージらしきことをする」ぐらいの認識で、コリだのなんだのに対する意識は皆無。骨と筋肉の区別もついてないのでただただ痛い。あと私服のスカートのまま施術しだしたので、動くと革のスカートがぎゅむぎゅむ鳴って耳障りです。
おまけに私のことを韓国人と思っているらしく、終始私に対して韓国語で翻訳してくるので、タイ語→韓国語→日本語というよくわからないことになり「仰向けになってください」、その一言を受け取るまでに10分を要しました。当然ながらその間もタイマーストップはなしです。まぁ今思えばタイ人のおねーさんとスマホ翻訳で異文化交流したと思えば…。
というわけで、もみほぐしを目的とするならちゃんとしたお店に行きましょう。客引きなんて日本でもついていったらろくなことにならないと経験していたはずなのになぁ…。ポーカーでスった5万円よりもこんな毒にも薬にもならないマッサージに払った5000円の方が狂おしいほど惜しいです。
失意のマッサージを受けて店を出たら午前8時、
町からは客引きさえも失せ、開店前の資材搬入の車がちょこちょこと停まっているのみです。
逆にカジノへと向かう幹線道路は今日も勝負しようとするギャンブラーたちの車が列をなしていました。
ホテルへと帰る前にサブク駅でサブクからソウルまで乗る電車のチケットを買ったら
1本逃して13時半の電車になりました。マッサージを受けずに購入していれば1本前の9時前の便が買えたかもしれません。悲しい。
仕方がないのでチェックアウトまでだらだらしたら、あとはひたすら町の写真を撮りだめします。そうだね、サブクの写真供養のコーナーだね。
さよならサブク。ひょっとしたら人生でもう一回ぐらいは、あのカジノの熱気を感じに来るかもしれません。
Q. で、結局「失敗したカジノ」だったの?
A. 確かに「失敗した」のかもしれないが、少なくとも「失敗し続けている」カジノではなかった。
もちろん質屋も風俗店もありますし、今思えばあんな山奥にネオンだらけの町というだけでも十分異質です。ですがそれらはもはや町の顔としての役割を終えようとしているように感じました。
ネットで読める視察記では、カジノが閉場する朝の5~6時になると町は疲れたカジノ帰りでごった返すと書いていましたがそんなことは全くありません。小一時間ほどカジノからサブクへ降りる幹線道路を張っていましたが、体感7割方のカジノ客を乗せた車は町から離れる幹線道路に乗って消えていきましたし、活気もむしろ昼~夜の方があるように感じられました。大半のお店も主戦場をその時間帯に移している印象です。
ではあの町に寄らず幹線道路に乗って消えていった大量の自家用車はどこに行ったのか? まさか2~3時間かけてソウルまで帰っているのか? それとも我々日本人の知らないカジノベッドタウンが近くにあるのか? 気にはなりますが、そこまで調べる人脈も興味もありません。
サブクやコハンを散策していて強く感じたのは、町に対して明確に資金投入が行われているという点です。
コハンのまだ完成していないバスの停留所…地下区画建造中の大型ホテル…
サブクの町の規模に見合わない新造の大型ホテルたち…
妙に新店の多いサブクの街並み…。工事中の洞窟…。
個人や一企業が単独でこんなカジノしかないクソ田舎に進出するとは考えづらいです。少なくともカジノを有する江原ランド株式会社(以下江原ランド)、原州駅の開拓具合も考慮すると、ひょっとしたら韓国政府レベルが補助を行っている可能性があります。
韓国政府が考えていそうなのは、ソウルをはじめとする都市圏が人口過密によって限界を迎えつつあるので、その分散を目的として原州をはじめとする地方都市に資金を注入し、その都市機能を強化したいという目論見はありそうです。
江原ランドとしては、韓国人から金を巻き上げた”罪滅ぼし”なのかまではわかりかねますが、事業拡大によって山奥に雇用は確実に生み出しています。やがて新しく生まれたサービスを目当てにやってくる客をグループのホテルだけでは受け入れきれないので、麓のコハンやサブクのベッドタウンとしての機能を強化したい。仮に江原ランドだけでは手に余る計画だったとしても、韓国政府に話を持ち掛ければ、無下にはできないはずです。外国人専用カジノを束にしてやっと同等の規模を誇る企業の話を断れば、どんな遺恨が残るかは想像がつきません。雇用創出と労働人口の移動という点では政府にとっても悪い話ではないはずなので、個人や企業の出展支援という形で一枚かんでいるというのは十分あり得る話だと思います。
恐らく江原ランドは、サブクやコハンという麓の町も巻き込んで、この旌善(チョンソン)という地区に総合レジャー地区を作り上げようとしている、というのは流石に妄想が過ぎるでしょうか。
「失敗したカジノみたいになったらどうするんだ」
いつまでもそんなことを言っている日本を尻目に、当の失敗したカジノとそのベッドタウンは、その事実すら糧にして、もう別の何かに変質しようとしていますよ。
ただまぁ「じゃあ日本もカジノ作ったあと町にお金ばらまいたらいいんか?」と言われたら、韓国とは状況が違うから難しいしそもそもしないんじゃない?と思います。
江原ランドは韓国の会社なのでカジノの利益はそのまま韓国に還元されますが、大阪のカジノはMGMとオリックスの共同出資、つまりカジノの利益が100%フルで日本のものというわけにもいきません。
あとは最近問題として顕在化した中抜き、内部留保体質。
カジノ関連のニュースとか見てても、カジノ推進派って入ってくるお金ばっか見てて、維持費とかの出ていくお金のことは全然考えてない感じがするんですよね。なのでカジノホームレスが街にあふれて治安が悪化しても、「適正に対処する(しない)」とか言ってのらりくらりかわしてカジノの利益は後生大事にしまいこんで、「は?ギャンブル依存症?そんなん自制できないお前の問題じゃん(笑)」とお得意の自己責任論で市民同士で対立させて問題の根本は放置。本当にやりやがりそうだから怖い。
反対派の江原ランドカジノのルポは多いのに、賛成派のルポは全然見当たらないというのも上記の疑念を強めます。カジノ推進派の偉い人がこんなクソザコギャンブラーのnoteを見るとは思いませんが、推進派こそ江原ランドカジノ見てこいって言いたいですよね。
ので、私は「ポーカーができるなら日本にカジノができるのは賛成」と思ってましたが、この分だと成功させるのは難しそうですね、はは…。
後半は愚痴っぽくなってしまいましたが、とにかくこれで大邱・旌善カジノ視察旅打ちは完全終了。次回最終回です。