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10.「なんで?」に潜むワガママな承認欲求

「性格が問題なんじゃ?」

「人に言えない恋してるのね」

「選り好みし過ぎなんじゃない?」

「高望みしてるんでしょ!」

「お金があればジジイでもいいじゃない!」

「子ども好きでしょ!女はタイムリミットがあるのよ」

「なんで結婚しないの?」という問いに「さあ?ご縁がなくて」と答えた際、そこに理由を求めた相手の推測妄想判断から出されたその理由の数々です。

「なんで?」と言われてもねぇ…。

なにしろ、東京一縁結びにご利益があると噂の某神社で初めてお守りを買った年に大失恋した私としては、本当に自分でも「ご縁がない」としか言いようがありません。

けれども「なんで?」と問う方々は、「縁がない」という事実だけでは納得できないようですね。
どうも人間というのは、目の前にいる自分と違う生き方の人間を、自分が納得できる理由づけしないと、気が済まないようです。
もちろん私だって人間ですから、他者を推測判断する面はあるので、お互い様と割り切っていますが、結婚問題が絡む時って、なぜか心なし見下され気味なのがなんだかなぁ〜と感じます。

そこでふと思い出したのが、みかんの口グセ「なんで?」に戸惑うしみちゃん。
この2人の会話に、私が出会す「なんで結婚しないの?」質問を当てはめてみたんです。

なるほど!

相手はなんとなく聞くだけで、さほどマジメに聞いてる訳でもない。
でも、自分をぞんざいに扱われたくなくて、それなりに明確な答えが欲しい。
ただそれだけ。

「なんで?」のネタとしては、『結婚問題』でなくても良い訳だけど、結婚のように少々人生絡みならマジメに回答してもらえそうだし、己の承認欲求を軽く満たしてくれるかも〜ってところでしょうか。

だから、「ご縁がない」の一言で済まされると、『(あくまでも軽〜く質問とはいえ)大事な問題を聞いてるのにつれないじゃない、聞いた私の立場はどうしてくれるの!』と焦るのではないかと推測します。

そこで満たされないからとて、見下すような推測妄想判断で、理由を決めつけることだけはやめましょう、皆さん。
こちら側としては、そんなワガママな承認欲求を満たしてあげる筋合いはないし、その推測妄想が噂として一人歩きして、さらに縁遠くされても困りますからね。

…って、散々にその推測妄想をばら撒かれてたことに、若干気付くのが遅かった!

…かも。

朝日新聞出版 けらえいこ
あたしンちベスト8巻【日常は面白い】
『口グセ』100ページより

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