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最初に感じた違和感

平成28年春 カナは病弱支援学校中学部1年生になりました。
病弱支援学校全てがそうなのかは分かりませんが、1人1担任で細やかな対応にとても好感を持てました。

例えば、カナは自由な時間とか、暇な時間が苦手でした。する事がないというのが不安だった様で、学校が長期休みになると
『する事がない!何したらいい?』
と私の職場に電話するのが日課でした。
ですから私にとって長期休みの『イベント探し』は職場の同僚を巻き込んでの大仕事でした。
特に体験型イベントの企画が少ない春休みは1番の悩みのタネでした。この事を1日入学の時に話したら、
『じゃぁ春休み学校に来ませんか?』
と言って下さり、実際にカナは中学部へ登校させてもらいました。

それから、カナは3年間ずっと1クラス1人でした。これは支援学校でもかなり稀なのだそうですが、小学部、中学部、高等部と3学部が同じ校舎内で学んでいたので、1人でもそんなに寂しくは無かった様に思います。
それでも、昼休みには先生方が交代で声がけをして、雑談したり遊んだり悩みを聞いたり、つまり同級生の役をして下さいました。
授業の方も毎日1対1の6時間は辛いので、2対1にして先生が生徒役をしてみたりと、工夫もしてくださいました。

ところが5月の初め頃、最初の違和感がやってきます。
『今日は早く終わって遊べる授業が沢山あったよ!』
と嬉しそうに帰宅。
先生が準備していた単元が30分で終わったから残りの時間は遊べた。そしてそれは多教科で同じことが行われているとの事。

20分間も遊ぶの?
1つの単元終わったら次に進めばいいのでは?それとも遊びを取り入れた授業????

疑問は山程ありましたが、授業の内容にまで親が口出すのもどうかと思って、様子を見ることにしました。

ところがその内に
『今日もだった』
『遊んでばっかりで学校がつまらない』
と言う様になりました。
もともと『する事が無い』が苦手なカナは、講義型の授業や、知ってる事を何回もやるのが苦手です。逆に知らない事や、新しい事を学ぶのは大好きでしたので、『遊ぶ』に飽きてしまったのです。

コレは流石に不味いなと思い、学校に相談しました。
・『遊ぶ』が毎日毎時間は困るし辛い。
・本人が学習したがっている。
・本人が理解できているなら先に進んで欲しい
・遊ぶ癖がついて高校で50分授業に耐えられな
 くなるのは困る。

これらについて学部主事のK先生は理解して下さるものの、
・カナの飲み込みが早く用意した単元がすぐに
 終わる。
・学習のペースは早いので大丈夫。

という理由で、この件についてはこの後夏休み明けまで続きます。なかなか先生方に浸透しない理由の1つには、中学が教科担任制ということも関係していた様です。

なぜ夏休み明けから『遊ぶ』が無くなったのか?
1つはK先生が、根気強く先生方に話をして下さった事。もう1つは夏休みの宿題に、赤ペンで私が『問題のヒント』を書き込みをしていた事でした。

カナは丸付けをする事が苦手です。それは本人の特性(見え方)が関係しているのですが、苦手な丸付けを当時は私が代行していました。
それを見た先生方が、
どうして母親が丸付けしてるのか?
と気になり
親子で学習に取り組んでいる事を知り、
学校がしなくてどうする!
となった様です。
それ以降は『遊び』の時間は少なくなっていきました。

それと同時に、カナは高校の入試問題が解けた話や、面白かった歴史の裏話など、授業の楽しかった話をする事が多くなりました。

この事から、『疑問を感じたら早めに聞く』『根気強く学校と話し合う』という事をする様になりました。

それでも、どうにもならない事もありました。
それはもう一つの違和感
『宿題が出ない』
で書こうと思います。


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