2000年問題の後始末

時は2000年の正月明け。
大学生の私は、お茶の水の割と大きめなビルで清掃のバイトをしていた。午後1時〜9時まで、4〜6時は休憩時間の、実労6時間で時給1200円。当時でも割のいい方だったと思う。

そして休憩時間のこと。
直属の上司である主任が神妙な顔つきで私に近寄り
「おい、お前さ、ゲームとか得意？」
と訊いてきた。
その頃の自分は中禅寺秋彦もびっくりな愛想なしで上司にタメ口だったから、ぶっきらぼうに
「ジャンルによる」
と返答した。
すると主任は事務机からCDを一枚持ってきて
「休憩時間にこれやってくんね？」
と差し出されたのは。

「臭作」

頭パニックである。辛うじて出た言葉が
「これどうしたの？」
以下、主任の説明
「2000年問題で正月にオレここで泊まりがけでさ。こんなとこで年越すくらいならエロいやつ見ながらじゃないとやってらんねえなあって秋葉原行ってアダルト専門店行って適当に買ってやったんだけど、そのゲームやり方すらわかんなかったんだわ」

わ　か　っ　て　た　ま　る　か
あ　と　ど　こ　の　み　せ　に　い　っ　た　？

「で、お前漫画とかゲームとか詳しいじゃん。休憩中とかにPCでネットとかしてるから、できるかなあと」
「やるのはいいんだけど」

い　い　と　か　い　っ　ち　ゃ　っ　た　よ

「なんでやらなきゃいけないの？」
「俺、エロいシーン見たいだけだから」

わ　ら　う　し　か　な　い

つまらなかったらやめちゃっていいよ、と言われ、結局始めたんだが…無理、自力でクリア無理。
攻略サイトに繋ぎながらぶちぶちぶちぶち、電話応対しながらクリックしまくり、結局どれくらいかかっただろうか、結構な日数使って全画像集めた。
事務机の引き出し見たらまだエロゲが数本あったけど、やってもつまらなさそうなタイトルだから見なかったことにした。

上司にエロゲのクリアを命じられた女子大生

今だったら訴訟を起こせるね！