人の営みのことを考えてください、その1〜大津の兄弟のこと
私は今、非常に頭が忙しいです。
まず1つは、2021年6月に憲法第24条の違憲裁判が大法廷が合憲としたことで、選択的夫婦別姓の話題がまたスポットライトを浴びていること
次に、同年8月1日、17才の少年が6才の妹へ暴行を加え、傷害致死で逮捕された事件。
最後に、同年8月6日、小田急線車内で刃物を振り回した男性により、20〜50代の男女が重軽傷を負った事件です。
個人的な時系列と感情を書きます。
まず大津の事件を知り、その時の報道は簡素に、上記のことと、家族構成が兄妹と母ということでした。凄惨な事件だ、なんてひどい兄だ、そんな意見が中心です。
ですが最初に私が思ったのは、母親は何をしてるんだ?です。
もし3人でいて兄が妹を暴行したなら、私は兄の動機を考えました。しかし、兄妹です。8月の公園に行きたがるのは、6才の妹をで、兄は保護者役にしか思えないです。17才の少年が「自分のために」行きたがるようにも思えない。
更に情報を読むと、その10日前に深夜のコンビニに2人は来店し、従業員はそれを児童相談所に通報しています。深夜ではありますが、2人で一緒に買い物にも来ていたのです。
私がこの時点で思い描いたのは。
「母は子を何らかの理由でネグレクトをしていて、兄が妹の面倒を、殴る蹴るレベルで嫌々でも、精一杯見ていたけれど、限界が来た」
でした。かなり確信を持っていました。自分に酔う形になりますが、これが確定事項だったら兄妹の境遇がつらすぎて、涙が止まらなかったです。
その次の日です。ウェブの新聞記事にて、少年は
「妹の面倒をみるのがつらかった、母親が留守なことも多かった」
と供述した、と書いてありました。
ああ、嫌な予測が全て的中してしまった。
と、泣きに泣きました。そんなこと当たってほしくもないです。
そして次に知ることになります。
まず兄妹は、親の経済的理由で別々の施設に預けられ暮していて、今年の4月から初めて3人で同居していた。
同居して4ヶ月の兄妹は互いを兄妹と思えるのだろうか?特に兄の方は。と、この話題が私の心の中が重くなる一方でした。
今度は、Twitterにて、フェミニストを名乗る人々が
「これは父親が悪い」
と言っていることを知りました。
わけがわからない。本当にわけが分からない。
なんで?
意図して余白を作って表現しています。
誰かが理屈を教えてくれました。
全くわからなくて、忘れてしまっています。
事件性のあるもの、特に人と人や集団に関わることはとてもセンシティブです。
それに至る経緯や状況、誰が何を思った、などがはっきり分からないことについては、決めうちで何かを断じて口にするべきではない。
私も、時系列に沿ってTwitterでツイートしていましたが、本来は口にするべきではないと思っていました。
報道される情報が、頭の中でジグソーパズルのように次々と組み上がり、あっという間に「物語」が完成してしまい、かなりの自信作で。見せびらかしたかった、それもあります。
ですが、それでも決め打ちはしていない、極力私的な視線は入れてない、それには限界があるにせよ、「しないをする」を必死にしました。
何故それをしない、できない人々が、するりと納得できないような理由で、自分の主義主張のために、母子家庭の17才の兄が妹を死なせた事件に、「父親が悪い」と言うのか。
人間のした何かについて、自分の気持ちや願望を押し付ける人が、人間の思想や権利を謳う主義主張の賛同者である資格なんて、どこにあると思うのか。
不思議でたまりません。
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