今まで見た悪夢の紹介と記録

夢分析とか得意な人いたら聞いてみたいけど、そもそもあまり信用してないから別にいいや。

1、追いかけられる夢

ただ追いかけられるだけじゃなくて、全力で逃げているから、呼吸がどんどん苦しくなってくる。足を止めたら、大変なことになるということだけは分かっている。でもどんどん自分の速度が落ちているのは分かる。追っ手は、私が速度を落とすと、同じように速度を落とす。私は「これはもしや、どんなことがあっても私は追いつかれないのでは?」と疑うが、恐ろしくてそれを試す気にはなれない。当然だ。それで速度を落として、見込みが外れたら、私はおしまいだから。
呼吸はどんどん苦しくなっていく。溺れ死ぬかのような苦しみ。肺がつぶれて、壊れていくのが分かる。このまま走り続ければ、追いつかれなくても私は二度と走れなくなるということが分かった。いっそのこと、体が私を止めてくれればいいと思った。それでも、足は前へ前へと向かう。
意識が遠のくと、自制心が薄れていくのがわかった。私は走りながら、無意識的に振り向いた。背筋が凍った。

私はそこで何を認識したのは覚えていない。ただ、自分は生きていて、何の問題もなく、肺も、体も、心も、平穏無事であるということを思い出して、安堵した。
同時に、その夢は決してその時が初めてではなく、何度も見た夢であることに思い当たり、この先、さきほどと同じ地獄のような恐怖と苦しみに喘がなくてはいけないという予感に、恐れ慄いた。
そしてその恐れ自体が、また新たな悪夢を生むような気がして、私は「それもよし! 悪夢にもきっと意味も価値もあるはずだ!」と自分に言い聞かせて体を起こした。


2、目覚めることができない夢

私は日によって違うが、時々ものすごく起きづらい日がある。低血圧なのかもしれないし、また別の部分に原因があるのかもしれない。
目が覚める。体が動かない。とりあえず三十分くらい待つ。無理に動かそうとすると、金縛り特有の恐ろしい幻覚や幻聴がやってくるから、抵抗しないのがいい。できるだけ何も考えず、体が自然と起きるようになるか、それかもう一度眠ることを目指す。
しばらくして、体が少し動くのを感じる。試しに、指の先を動かそうとする。指の先だけ動く。他は動かない。その瞬間、部屋が真っ暗になった。幻覚だ、と思った。さっきまで部屋は明るかったから。いや、そもそもなぜ部屋が明るかったのか? なぜそれに、疑問を持たなかったのだ? そもそも今何時だ? 学校には間に合うのか?(不登校なのに、その夢の中では私は毎日ちゃんと学校に通っているのだ……)
赤ん坊の叫び声が聞こえた。同時に、赤ん坊の笑い声が聞こえた。自分の歯が自分の口の中をごろごろと転がっていて、どんどん抜けていっていることに気が付いた。これは夢だ、と自分に言い聞かせる。恐ろしいと思えば思うほど、ひどい目にあうぞ、と私は自分に言い聞かせ、目をしっかり開く。恐怖を減らすには、しっかり認識することだ。
天井に大きな口が開く。同時に、自分の背中が裂けていくのを感じる。痛くて、叫ぶ。誰も助けに来ない。痛みには、抵抗できない。ただ耐えるのみ。
目が覚めた。体は重いが、一応全身が動く。何かがおかしい。ここは、自分の部屋じゃない。
そう認識した瞬間、また目が覚めた。そこはいつもの自分の部屋だ。安心する。いや、安心してはいけない。またここも、夢かもしれない。
「お母さん!」
叫んだ。違う! 口から音は出ているのに、それが自分の耳に入ってこない。空気がないのだ。耳も聞こえない。なんの音も聞こえない。なんで呼吸は苦しくない? あぁそうか。これが夢だから……
目が覚めた。きっとまたこれも夢だ。何度これを繰り返せばいい? あぁ知っているぞ。いつかは出られる。大事なのは、ちゃんと精神を保つこと。自分らしくあること。耐えること。自分らしく耐えること。
自分の夢を、覚えておくこと……
本当の意味で目が覚めると、それが確実にそう理解できる。現実はあまりにも、具体的なのだ。夢の中ではぼやけているような部分が、現実ではぼやけていない。自分がそこにあるはずだと思ったものが、ちゃんとそこにある。
自分が正気の世界で生きていることを強く自覚する。
夢を繰り返すのは、実は自分が正気であることを確認するためなのかもしれないと、そう思った。


3、くすぐられる夢

この夢は、それほど怖い夢じゃない。だいたいはじめは、愉快な出来事から始まる。そのうち、動物や、意味不明な生き物や、知らない人がやってきて、私を無理やり押し倒し、くすぐり始める。私はその意味不明な刺激に、喘ぐしかない。気持ち悪い。気持ちよくはない。吐きそうになるが、実際に吐くことはない。ただ、耐えるのみ。早く終わってくれと願うのみ。体が犯されているという感覚はない。でも、心が犯されているという感覚はある。

他に何もなく、何かのタイミングで普通に目を覚ます。ひどい目にあった、と目覚めた私はうんざりする。

 多分この三つが悪夢のイツメンって感じだよね。最近あまり見なくなったけど、一時期すごい頻度で見ていた。一度の夢の中で、複数の悪夢が繰り返し登場することもあった。1→2→1→3→2→やっと目覚める、みたいな。地獄やでほんと……

 しかもなぜか、私って夢の中でも現実生活と同じくらい感覚器官が鋭敏で、痛みも味も幸福も全部リアルに感じちゃうんだよね。
 お下品な話だけど、性的なアレがアレになってアレしまくるみたいなことも、時々ある。きっと薬物やってる人って、起きている間あぁいう感じの幸福感に包まれるのかなぁ、みたいに思ってる。なんか、シラフで感じられる快感じゃない、って感じ。
 逆に言えば、もうお腹いっぱいだし、また味わいたいとはあまり思えない。多分そういうところもあるから、私ってあまり快感とか幸福に興味がないのかもしれない。

 まぁ、痛いのとか苦しいのとかも同じくらい激しいのを感じさせられるから、いいことばっかりじゃないけどね。そもそも強い快感がいいことなのかって言われても、それもよく分からないけど。

 いろいろ言ったけど、最近はよく眠れてる。夜更かししても、食事のバランスと、起きたくなるまでずっと眠るというルールを守ってたらそれほど肌も髪もひどいダメージを負わないことに気づいてから、すごく楽になった。
 多分、決まった時間に寝て、決まった時間に起きなくちゃいけなという偏見自体が、結構危ないものだったのかもしれない。
 私は今1時~4時の間に眠りについて、6時~12時の間に起きるような生活をしてる。昼寝は基本的にしないけど、時々ならいい。二三時間眠ってもいい。
 そういう風に生活してると、なんだか余計なストレスを感じずに生活できるようになった。

 生活習慣病云々言うてる人らの言ってることと真逆だから他の人もそうだとは言えないけど、少なくとも私にとって規則正しい生活よりも、こういう自分の体に正直な生活の方が、楽だし、気分も安定する。
 ちゃんと両方試したもん、私。
 あいつら人の体のことろくに知らんくせに「みんなそうだから」っていう決めつけで謎のアドバイスしてくるの腹立つわ。

 自分の体は、何が健康的であるか、心や人格よりもよく分かってるんだろうね。体の判断を尊重しよう。

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