リピートとファン化について思いつくまま話す。
鍼灸院のリピートとファン化のお話を思いつくままにする回。
ノウハウではなくエッセイ的な何かなので、鈴木に興味ある人以外には面白くないです。
鈴木の頭ん中に興味ある奇特な人はどうぞ。
鍼灸師向け。
■リピートとは
最初に、リピートを定義づけるとすると
『初回の患者様が、2回目、そして3回目以降も来院してくれること』
リピート戦略という話をすると、「通わせる」ようでなんか嫌だ、という意見(時々言葉の暴力)を必ず耳にする。
私はこれは違うと思っていて、私が言っている「リピート戦略」は、
通う必要があり、通うことで良くなる方が、説明をきちんと聞いて納得した上で、適切に通ってくれる環境を作ること。
決して、「回数券買わないと大変なことになる」とビビらせて無理やり通わせることではない。
治療院の経営を成り立たせるには、「リピートしてもらう」「新規が絶え間なくやってくる」のいずれかの状況を満たす必要がある
巷では「リピートさせない治療院経営」というのも反響がある。
「治す」→「流行る」→「新規が来る」のループ。
もちろん「治したくて」鍼灸師になった人は多いのだから、この仕組みに憧れるのは無理はない。
ただ、個人的には「リピートさせるのが嫌からこの仕組みを目指す」というのは順番が違うと感じている。
「リピートしてもらうために必要な要素」
「新規が絶え間なくやってくる院を作るのに必要な要素」
せめてこの2つの要素を最低限理解した上で、自分に合ったものを選んでいってほしいというのが私の期待するところ。(偉そうですねごめんなさい)
■ファンを作るとは
次に「ファンを作る」という話。
私自身は『集客→リピート→ファン化』というセットで考えている。
私の定義する「ファン」とは、
『何かしらの「通う理由」を明確に患者さん自身が持っている状態』
・貴方に会いたいから来ているの
・メンテナンスで月1回来ないと不安なの
・先生の言う通りに通えば健康になれると確信している
理由はなんでもいいが、複数回通った結果、こちらの設定した「理想の通い方」を体現している人を「ファン」と言っている。
ファンを作るには、「何を持ってファンとみなすのか」という基準を持つことと、「その条件を明確にゴールに据えて適切に提案する」ということが必要になる。
■そもそも鍼灸院は「リピート&ファン化されやすい」
鍼灸院は、他の治療院業態に比べて「リピートされやすい」と感じている。
それは、「あまり知られていない鍼灸という手段を、探して探して、満を持して来院する人が多い」と思うから。
私たち鍼灸師がどんなに鍼灸の良さを知っていても、
一般的には未だに「特殊な施術」の領域といっても過言ではない。
めちゃくちゃ探して、ドキドキしながら行く場所が鍼灸院なのだ。
色々試して悩んで、最後に鍼灸に行きつくという患者様もいる。
そんな中で、そこそこちゃんとした見た目の鍼灸師が、そこそこちゃんと施術をやってくれれば、他の治療院業態に比べ、リピートされやすい立場だとは感じている。
■「リピートされやすい」による弊害
鍼灸師さんにリピートの話をする時は、
「もっとできることあるよ」ということを伝えている。
そこそこリピートしてもらえるから手を抜きがちだけど、
大手の治療院、システム化された治療院を見てみなよ。
めちゃくちゃ引くくらいのリピート対策やってるぞ。と。
「あいつらは技術もないくせに、小手先と口で金儲けしてるだけで本当に患者のためにはなっていない」
そういう意見も耳にする。
しかし、実際に患者様が「あいつら」の院をリピートしているという事実は変わらない。
だったら、技術を持っている(事実かどうかは別として)鍼灸師こそ、
「小手先と口も手に入れて」施術を行ってほしい、戦略的に、きっちり通ってもらいきっちり改善させる環境を作ってほしいというのが個人的な想いだ。
■私自身、別にリピートが得意なわけではない
リピートだのファン化だのという話をしているが、私自身、別にリピートが得意なわけではない。
なんなら、リピートに関してはもともと苦手意識すらある。
ろくに研修も受けず、その場その場でごまかし、必死で勉強しながら施術をしてビクビクしていた勤務鍼灸師時代。
その後、「リピートが本当に患者様にとって良いことなのか」という疑問を拭えない時期が相当長かった。
頑なに「効果を感じてくれた人だけ来てくれればいい」と、次回予約なんて取らないという鍼灸院経営が長く続いた(よく潰れなかったな)
そんな私が、東京に出てきて、前述したような「引くほどリピート対策をやっている」現場を目の当たりにし、その現場でなんと研修担当もやっていた。(もはやギャグ)
リピート率が異常に高いスタッフを何人も見てきた。
当初は衝撃的だったし、非常に悔しかった。
「伝える」という努力を怠った鍼灸院運営をしていたなぁ、とはじめて気づいた。
結果、研修するからにはと、苦手だからこそ勉強したし、納得するまでやったので、
今はリピートも、やる気になればめっちゃ得意と言えるレベルにはなった。
(やる気になるかどうかは別の問題)
そんな中で「鍼灸師、もっとできることあるんじゃねーか」「もっと伝えないともったいなくね?」と思った。
そしてそれを、Twitterとか、zoom相談とかでつらつら話していた。
で、私は当時出来なかったけど、治療が得意な鍼灸師の先生たちに助言してたら、
結果としてみんなリピート率上がったり、結果出しててすごいんだよな、というのが現状。
■一方、多分ファン化は得意
一方で、ファン化には少し自信がある。
生まれ持ったおせっかいな性格が功を奏し、「あ、こいつ使えるな」と思って頂けた方には本当に良くしてもらった。
患者さんにも、どこぞの社長さんにも、その他色んな人達にも(割愛)
23歳で運よく開業できたのも、当時の患者さんのおかげだし(ちなみにヤ○ザ)
三重に帰った時にテナントを紹介してくれたのも、
今「三重に帰るよ」というと、「東京からの交通費出すから施術して」と言ってくれるのも、届く頃には賞味期限切れてる赤福の朔日餅を送ってくれるのもかつての患者さんである(ちなみに同上)
ファン化にコツがあるか、と言われれば、自分の得意分野、自然にできることを喜んでくれる人を探し出し、大切にすることだけだと思う。
まぁ、だから、まずは自分の得意分野が何なのかをちゃんと把握するところから始めるといいんだろうね。
んで、アピールする。言うだけタダ。
■自分のファンになってくれる人は誰か
・自分の得意分野、興味を持てること、(人より)自然にできることは何か
・自分の得意分野を喜んでくれる人は誰か
・自分が何か教えてあげたくなる、助けてあげたくなる対象は誰か
そんなことを考えたら、ある日、私の「ファン化したい」対象は現場の患者さん以上に治療家の皆さんだということに気づいた。
だから、今は治療家のファンを増やせるよう尽力している。
そう決めると、Twitterでは患者さん向けの情報は一切つぶやかないし、
「治療苦手~」みたいなことも平気で言えるようになってくる。
私は、治療をする私ではなく、治療家さんの役に立つことでファンを増やそうとしているから。
言葉の選択が変わる。
行動の選択が変わる。
そうなれば、もちろん結果も変わる。と思う。
■まとめ
リピートとファン化について、どうにもドヤ顔で話せるような状態ではなく
ただただ「数多くの事例を持っている」だけ、な私の現状。
まぁそれでも誰かしらの役には立っていると思われるので、
まぁリピート、ファン化について公の場所で話す私を見ても許しておくれよ、という気持ち。
今の私は、ファンなのかどうかは置いておいて、
・頼ってくれる治療家さん
・誘ってくれる治療家さん
・いっしょに仕事しようと言ってくれる治療家さん
に囲まれてなかなか幸せに暮らしています。
…どうしよう、私が幸せに暮らしてるとかいう相当どうでも良い結論になったので、このへんで終わります笑
こういうポンコツな感じも、ある種ファンが増える要因だということにしておこうと思います。
改めて、治療家さん向けのお仕事頑張るぞっと。
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