Magazine Study vol.1
【今号の目次】
1.特別企画 対談
2.3月28日のらいすた概要
3.3月28日のらいすたQ&A
4.その他のQ&A
5.今号の研究論文紹介
6.時事ニュース
7.近況報告
8.質問送り先案内
9.署名
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1.特別企画 対談
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1)Live Studyとは何か?
寺岡:いきなりですけど、何でMagazine Study(まがすた)をはじめようと思ったんですか?
※ まがすたの継続課金版は現在申請中(2018年4月5日現在)
京極:その前に、まがすたの母体であるLive Study(らいすた)を説明してよ(笑)。
寺岡:あぁそうですね。らいすたは、Instagramのライブ配信機能を使ったネット上の学び場です。
※ らいすた公式ホームページ http://livestudy.strikingly.com
京極:最初、このアイデアを聞いたときは驚いたよ。どうして思いついたの?
寺岡:これだけネットが発達してるのに、講演会や研修会にわざわざ行かないといけないのって大変だなあと思って(笑)
京極:確かに面倒だよね。
寺岡:はい。面倒なんです。あと、都合がつかないから勉強しないっていう選択肢はないほうがいいと思ったんです。医療者って、資格を取ってからも知識をアップデートしないといけないじゃないですか。
京極:はいはい。
寺岡:で、気軽に学べるシステムが欲しいなあと思ったんです。
京極:実際にらいすたをやってみた感想だけど、作業療法士以外もさまざまな職種の方が参加してくれたし、それこそ学生とかクライエントも聞いていたりするので、従来の講演会や研修会とは違うネットワークが形成されつつあるように感じました。
寺岡:そうですね、嬉しい誤算でした。最初は、同世代の人達で、出産や子育てをしていて一時的に現場を離れている人達でも、勉強が身近になって現場に帰って来やすくなればなぁと思ってた程度なんですが。
京極:ひとまずその思いが実現した、と。
寺岡:で、なんで新たに「まがすた」なんですか?
2)Magazine Studyとは何か?
京極:らいすたはライブ感がすごく良いんだけど、その場で創発した議論を残せないじゃない?
寺岡:そうですね、見逃した人は分からないですしね。
京極:かといって、動画をアーカイブする気にもなれない(笑)。
寺岡:動画を残したらライブ感が薄れますからね。
京極:そうそう。で、ライブ感はそのまま残して、創発した議論を記録するにはMagazineを発行するのがよい、と思ったわけ。
寺岡:なるほどです。
京極:気軽にアホなこともいえないし。
寺岡:確かに(笑)。
京極:これなら、ある程度正確なQ&Aも作れるし、らいすたでは伝えきれなかった情報を届けることもできる。
寺岡:らいすたとはまた違う楽しみがありますね。内容はどういったものを考えてるんですか?
京極:寺岡さんとぼくの「らいすた」の資料に加えて、「まがすた」を発行する直前に行ったOBP2.0(Occupation Based Practice 2.0)関連のらいすたの概要と質疑応答をコンパクトにまとめて、それ以外にも関連するQ&Aとか、OBP(Occupation Based Practice)に関連する最新の研究論文のリストなどを考えています。
寺岡:OBP2.0関連は月2回ありますから、まがすたも月2回の発行ということになりますか?
京極:基本はそうなりますね。
寺岡:盛りだくさんですね。
京極:内容はやりながら考えていくつもりだけどね(笑)
寺岡:私はまがすたによって選択肢が増えた点がよいと思っています。
京極:どういうこと?
寺岡:今のシステムって、無料で動画を見るか、500円払って資料を買うか、の2択しかないじゃないですか。
京極:はいはい。
寺岡:そこから、毎月私と京極先生の資料を買ってる人は、このマガジンもついてくるとなるとお得だし、今まで通り資料だけ買うというのでもいいし、資料より安いマガジンだけ買って概要をつかむ、ってこともできるようになるのでそれは有り難いかなあと思います。
※ まがすたの継続課金版は現在申請中(2018年4月5日現在)
京極:確かにそうだね。
3)OBP2.0って何だろう?
京極:さっきからOBP2.0って出てくるので、それについても解説してもらえますか。
寺岡:OBP2.0の前身にはOBPがあるんですけども、これは、作業を通して人の健康と幸福を促進するというアプローチするものです。
京極:OBPのポイントは評価と介入に作業を使うってところにあるね。
寺岡:そうです。他にも、作業に注意を向け続ける実践はOFP(Occupation Focused Practice)、世界のあらゆる事柄を作業中心に解釈する実践はOCP(Occupation Centered Practice)と呼ぶこともあります。
京極:OFPは作業に注意を向け続ければよいので、評価と介入で必ずしも作業を使う必要はなく、OCPは作業療法士の認識論を表す概念ですね。
寺岡:そうです。OBP2.0はそうした発想を受け継ぎつつ、作業療法のはじまりから現代までくすぶってきた信念対立にも対応できる超メタ理論として開発しつつあります。
京極:ぼくが体系化した信念対立解明アプローチを、寺岡さんが理論研究を通して作業療法理論の一部に組みこもうとしているんだんだよね。
寺岡:正確にはまだその過程ではあるのですが、OBP2.0は作業療法で解くべき問題を4種類の作業機能障害に整理し、作業療法を活用しやすくしつつ、多職種連携などで生じる信念対立に対応できる方法論として設計しています。
京極:作業療法は多職種が作ったので、理論構造上、作業療法と多職種連携に対応できるというのは、ある意味で原点回帰ですね。
寺岡:はい。そもそもOBP2.0を含む現在のOBPは、マリー・ライリー先生が提案した作業行動の延長にあるので、現代の作業療法の動向そのものが原点回帰という志向をもっていると考えています。
寺岡:でも、現状では完全にOBP一色になったかというとそうではなくて、さまざまな学派が内在していて、そこかしこで信念対立が生じています。OBP2.0は作業療法に京極先生の信念対立解明アプローチを組むことによって、この対立を終わらせたいという考えの基で作りました。まだ開発の途上ですけど。
京極:信念対立解明アプローチは作業療法に限らずさまざまな領域で使えるものだけど、特定の領域の理論と結びつくことによっていろいろ面白いことができそうだと感じています。
寺岡:そのためには、早く理論書を完成させないといけませんね(笑)
京極:「まがすた」なんかやっている場合ではない!(笑)
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