三菱地所のマンションのネットが遅すぎたので調べてみたら深い闇を見つけてしまった件
こんにちは、@mutoatu です。普段はIT関連のデザイナーをしていますが、今回は自分はどうでもいいのでおいておきます。
表題のとおりなんですが、筆者は三菱地所が分譲している「ザ・パークハウス」の分譲、かつ当時築3年の築浅マンションへ入居しました。しかし、令和の時代にも関わらず、最高でも99Mbpsと平成な速度しか出ませんでした…(有線接続時)
しかも、ネットは基本指定の「つなぐネットコミュニケーションズ」のみの契約ということもあり、お困りの方が多いんじゃないかと思います。調査にあたってはそれなりの労力がかかったのでこの記事でその工数を供養できることを願っています…。
そもそものボトルネックは何か
これは割とすぐに分かる話でした。住居内の配線はCAT6eで行われていたのでそこではなく、幹線もCAT6eで居室まで来ていましたので線材の問題ではありません。
また、幹線自体を計測するとかなりの速度が出るので、各居室に設置されているL2スイッチ(宅内ハブ)が原因でした。私の住居の場合は、ELECOM製のEHC-F08PA-JWという100Mbps上限のハブが使用されていました。
これは誰のものか、交換してよいのか
しかし、これを交換していいのかどうか、そもそもこのL2スイッチの所有者は誰かわかりませんでした。
そこでプロバイダーである「つなぐネットコミュニケーションズ」に確認をしたところ、「そちらのハブは区分所有者さまのものになりますので、オーナーさんの確認が取れれば交換いただいて構いません。弊社での提供範囲は幹線の提供までになります」とのお返事をいただきました。そのため、オーナーに確認の上、ギガビット対応のものへと交換しました。
ちなみに後日発覚したのですが、現居の速度の遅さは管理組合でも問題になっていたようで、管理会社を通じて情報提供をさせていただきました。なお、管理会社の担当者さんもなんでこんなものをつけるんや…とおっしゃっていたので企画設計は何をやっているんだ…勘弁してくれよ…という気持ちが高まりました。
どうやら同じような物件が多くあるらしい
実は、自分自身は直近で別の賃貸へ移る予定でした。しかし、その転居先も新築時は三菱地所が所有しており、現居と同様に地所の子会社である三菱地所レジレンスの企画で建築された可能性が高いものであることがわかっていました。
実際、現地で測らせてもらった数値としては100Mbps上限となっており、現居と同様に宅内ハブがボトルネックとなっていることが予想されました。そのため、同様に宅内ハブを交換し対応すれば問題ないかと思っていました。しかし事件は鍵渡し当日に発生しました。
宅内ハブがみつからない…と思ったら思わぬ場所に
鍵渡しの当日、私はとてもテンションが上っていました。かなり希望に沿った物件を見つけることができたので、引っ越しもすぐだし楽しみだな〜と。そして家を出て、不動産屋さんと合流し、清掃に不備がないかなどを確認し一通り終え、鍵を受け取ろうとしました。
しかし、私は見逃しませんでした。宅内ハブがどこにも見当たらないのです。不動産屋さんと一生懸命あらゆる収納の中を調べ、管理会社にも電話をしていただき、確認しました。そしてプロバイダーである「つなぐネットコミュニケーションズ」に電話し確認したところ衝撃の事実が発覚したのです。
つなぐネットの担当者はこう言いました。「ユニットバスの点検口のところですね。蓋を開けると見えるかと思います」
そんなバカな?そんな危ないところにところにネットワーク機器や電源を設置するなんてありえないよな?そう、私は思いましたし、きっと不動産屋の担当者さんも思っていたことでしょう。しかし、指示される通り、蓋を開けてみると…
なんと…本当にありました…恐ろしい…こんなところに電気水ガス同等のライフラインであるインターネットの幹線が来ているではありませんか…(それだけでなく電源、テレビの分配器のようなものも見受けられます)
ということで私はあまりにも恐ろしくて、その日は鍵を受け取ることはできませんでした。取り急ぎその問題の概要とその解決までの間、賃発の開始をずらす要望をまとめた文書を作成し、不動産会社さんへ一応内容証明という形で送りました。また引っ越し等の日程がタイトに設定されていましたので、一旦日程をバラす手続きを一通り行いました。
割と一般的な話らしい…(衝撃)
これは今まで一棟まるごと賃貸の物件に住んだことがなかったので、私が無知だったということなのかもしれませんが、「浴室 ネット回線」とかで調べてみると結構事例が出てくるではないですか…まああの三菱地所さんがそういった指示を施工業者にされているのであれば、もっとひどい例はいっぱいありそうですが…。
少なくとも設置されていたハブのメーカーさんである、エレコムの担当者さんは「推奨はしてないです!!!!」とおっしゃてました。
しかし、ざっと調べた限り、三菱地所の新しめの賃貸で「ザ・パークハビオ 麻布十番」「ザ・パークハビオ SOHO 大手町」などでも同様にユニットバスの上に設置されていることが確認できました。(つなぐネットさんありがとうございます)
工数削減と現場における倫理
一定電子機器の知識があれば、そんな場所に設置しようなんて考えないでしょうし、いくら施工が楽でリスクが低いからといっても、それ以前に倫理というものがあるでしょうに…という気持ちになりました。
これはソフトウェアであっても一緒かもしれません。正直後のことを考えなければデザインだってエンジニアリングだって適当で済ませることはできます。でもユーザーのことや、後の自分たちのためにちゃんと設計し実装をしているのが現状だと思います。
そして、自分がもし設計であれば、少なくとも現代においてライフラインの一つであるインターネットの幹線と宅内ハブをお風呂の上に設置することはしないですし、そんな物件入居も所有したくないなと感じたのが個人的な思いです。(どんな事情があろうとも)
まとめ
今回、三菱地所の広報さん、その他三菱地所グループの電話窓口の方々、つなぐネットコミュニケーションズさんのご担当者さん、ELECOMさんのご担当者さんなど様々な方にお話をお伺いしました。貴重なお時間をいただきましたことを感謝いたします。
しかし、問題自体はすでに起きているものであります。
100Mbpsのハブの件は単なるコストカットなので三菱地所がそういう姿勢の企業なんだな(個人的には誠意を感じない設計をしているという意)と認識するだけでよいかもしれません。
しかし、浴室設置の件は知識不足なだけかもしれませんが、少なくとも私はリスクが大きいと感じました。そして、より多くの方が知っておくべきこと、つまり物件を借りたり買う前にチェックすべきことかなと思い記事にした次第です。参考になれば幸いです。
Apx. 三菱地所からの回答
調査開始と同時に三菱地所の広報経由で本件について、こうなった背景などを質問させていただいていました。そして、記事の準備ができたあとではありますが、建築時の企画を担当された「三菱地所レジデンス」からの回答がありましたので掲載します。
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