ブランド作りにおける『愛着』と『映え』を考える
ブランディングにおいて、長く愛されるブランド作りというものを大切にしているけれども、物が溢れて、愛が分散しやすいからこそ、『愛着』が育つブランド作りという視点を考えていかなければいけないのでは?というのが最近考えていることの一つにあります。
というのも、気づけば、自分の人生の中にいつのまにか入り込んでいるブランドがあったり、愛着が湧いていると買う物があることにハッとしたんですよね。
(これなんて、貼るの失敗したことも何度もあるけど、何度も買ってます。)
冷静に考えたら、これってすごいこと。
反対に、知ってはいるし、購入したことはあるものの、次がないものの方が実際多いからこそ、リピートしたくなるものと1回で終わるものの違いは?と考えると『愛着』に行き着いたのです。
営業トークとか、そういう部分を超えた部分の『買いたい!』を生んでいるんですよね。
愛着のあるブランドを見てみると、
・そのブランドや人の『人となり』や『想い』が見えてくるからこそ愛着が湧く
・人柄や想いをきちんと発信に載せている
という共通点がありますし、こう言ったことはファン作りとは?と考えたことがある発信者は聞いたことがあるかと思われます。
『思いさえ発信しておけば愛されるのでは?』という安直な考えが浮かびそうですが。笑
同時に、
・物や情報が溢れている時代だからこそ、ただ売るだけでは愛着は湧かない
・意図した発信をしていかないと、簡単には愛されないし、作為的すぎると、逆に嫌われる。(←これ、マジ大事よね。)
ということを分かっておくことも大切だと思っています。
完全に余談ですが、(最近ちょくちょく触れているので読んでくださっている方もいると思うのですが)、BTSに突然ハマりました。
『とりあえず、聞いたことあるわ。』と思っていた私ですが、知って1週間後に映画館に駆け込んでドキュメンタリーを観に行っていた自分にビックリ。
(ちなみに、そのドキュメンタリーで完全に沼った。)
詳しくは、PodcastでBTSのブランディングの凄すぎる感じを熱弁しているので、聞いて欲しいんですが。笑
📻#75ブランディング視点でBTSを見ると勉強になりすぎる、など諸々。
彼らの凄さは、K-POPが好きなのではなくて、『私はBTSが好き何だ。』というアイデンティティを掲げさせてしまう力の偉大さのですよ。
そして、これは、私は、『愛着』から来ていると思っています。
そして、『愛着』の対象にあるものは何なのか?と考えたところ、『映え』ではないか?ということに行き着きました。
ということで、それぞれを深めてみますね。
『映え』の特徴
映えの特徴は…
・デザインや見栄えの重視
・購入者の『これを撮りたい!』という感情を刺激するため、商品の質よりも、商品を通した自分にフォーカスが行く
・1回映えを体験すると、それでいい人が多い
・商品やブランドよりも、あくまでもそれを使っている私
などなど。
(ちなみに、良い悪いではなくて、こういう特性があるよというだけなので、いかに、目的達成をするために活用するか?という視点で聞いて欲しい。)
また、『映え』という視点を強めるには、提供者がどのように集客するか?という視点を突き詰めると磨かれる。一方通行になりがちになるという特徴もある。
『愛着』の特徴
愛着の特徴は…
・効果/効能以外のものから生まれている
・側に置いておきたいお守りや空気感になることも
・何度も何度も購入したくなる
・何度も購入しに行くという体験をしに行く購入者が出てくる
などなど。
これは、アーティストのファンの方なんかが想像できるんだけど、コンサートのためにガチで行きませんか???(私はお笑いはこんな感じよ。)
こう言った、愛着というものは、購入者にどう返していくのか?という視点を突き詰めることによって生まれるものなのでは?ということを最近考えている。循環していくという感覚でしょうか。
『愛着』と『映え』の例を。
より、わかりやすく説明しますね。
①ディズニーランド
一番イメージしやすいのは、ディズニーだと思うのですが、ディズニーって、いわゆる、写真映えしやすい場所なのですが、同時に、特別な価値もあり、愛着が湧く場としての認識がある人が多いのではないでしょうか。
ただの映えだけにとどまらない、愛着を設計していると言うことが本当に素晴らしいし、長く愛される秘訣だと思っております。
②近所のお店、八百屋、定食屋さんなどなど
今の時代、映えは必要か?ということを考えたときに思うのは、一切映えていないのに、集客できている場所が存在しているのは、ここも、お客さまにとって愛着がある場所になっているのだと思っております。
③ハイブランドはどうなる???
『愛着が湧く』という言葉が連想させるのは、高いものがわざわざ下に降りて来るという感覚を連想させるのではないか?と思わせるのではないでしょうか。
学生時代とか、ブランドのマークを購入した感覚を持ったこともあるので(私だけ?)だからこそ、『映え』と思われるかもしれませんが、ハイブランドこそ、愛着の割合が大きいと実感しています。
購入したことがないブランドにも関わらず、『このブランドなら大丈夫よね。』という感覚を持っているのではないでしょうか。
購入したことがないのに、抱いてる信頼って、すごいことです。
自分が購入していないのにも関わらず、人生において、関わった誰かが身に纏っていたり(あるある)。
ブランド自体もですが、身に纏っている本人がSNSなどを通じて語り部となり、ストーリーが紡がれていると、気づいたらストーリーが浸透していっているなんてことも。
④SNSを通じた盛り上がりについて
このnoteを見てくださっている方は、SNSを発信している人が多いかと思われるので、触れておこうかと思いますが。
SNSを使った盛り上がりというのも、一種の映えの役割を担っているものだと思っております。
例えば、『これを頑張ります!』『こんな夢が叶いました!』『こんな実績を出しました!』と発信って、びっくりするほどみんな優しく評価をしてくれるんです。
一見反応があることと、自分に対して愛着が湧いたというものは全くの別物であって、正しく自分が認識しないと、己を狂わすので、例に挙げておきました。笑
プロモーションやノウハウ、テクニックも同様なことが多いですね。人が集まるのも早いし、離れるもの早いということを理解した上で使っていく必要性を感じます。
伝わりましたでしょうか…!
大切なのは『どのようにブランドを設計していくのか』
この書き方だと、映えってよくない感じに見えちゃいそうなのですが、一過性の力を発揮する『映え』は戦略的に使っていくべきだとも思っています。
ただ、長く続く愛着を育てて行かない限りは、この人のことを知っているけど、見ないうちに忘れちゃった…的になるよという意味。
だから、『今、ブランドとして、どう在りたい?』『映え:愛着は何%ずつでいく???』という感覚はいつも持っておく必要性を感じております。
『愛着』を育てるために私たちに必要なこと
愛着を育てるためには、私たちの『強さ』から生まれると考えています。
そもそも、どこを目指すのか?
自分は何を大切にしていきたいのか?
根本的に大事にしたいことはなんなのか?
という部分を、貫く強さが一番大切な部分です。
というのも、ブランドを育てるのは、人です。
人には感情があったり、物事がうまく行かないときがあったり、人生いろいろですが。
それでも、自分を貫いていくということ。
楽なことに流されたり、妥協したり、正解は究極はわかりませんが、だけど、自分の取り組む姿勢自体が、結果的にブランドの在り方に透けてみえるものなのです。
自分に嘘をつかない。
結局は、この繰り返しが愛着のベースを作るのです。
『愛着を育てたい』そう感じたときに、知っておく3つの場所
『愛着を育てたい』と思っている人には、おそらく現状が3種類の状況のどこかにいるのではないか?と思っております。
①映えのフェーズ
完全に外側の思考にフォーカスしていた時期。
②頑固になってるフェーズ
自分の中だけで愛着を試行錯誤しているとき。基本的には、愛着を感じるのは、『相手』なので一人でモヤモヤしているときは独りよがりになっているのでは?と疑った方が、軽やかに解決することが多いです。
③愛着を生み出すフェーズ
『相手との関係性をそもそもどう作っていきたいのか?』ということを元に、コミュニケーションによって愛着を育てていく時期。
そもそもの現在地がずれていると、施策もずれがちなので、ヒントとして残しておきました。
最後に
長々と書いてきましたが、自分の中で改めて、愛着が大切なのでは…?というテーマが最近浮上したので、まとめました。
気づいたら、何度も足を運んで購入しているブランドがあったので、この要素大切よね…と思ったのがキッカケです。より詳しい生々しい話は裏マガジンでもお話ししてるので是非チェックして見てくださいませ。
➡️愛着の湧くブランドとは?
また、世の中に出回っている情報が短期戦略の話ばかりなのは、こう言った、長期戦略の本当のところを語るということが、語る方にとってデメリットになることの方が多いからだと思います。
(どんなに賢い戦略だったとしても、見え方によってはあざとさやズルさに見える。だからこそ、意図が見えない方が進めやすいことのほうが多いです。)
ブランド作りに関わる私だからこそ、役割を盾に(笑)踏み込んだ話をして行けたらと思ってます。
▶︎お知らせ
近々記事を書く予定ですが、『世界観で選ばれるブランディング』のオンラインセミナーを開講することにしました。興味がある方はこちらからご確認ください。
P.S.
BTSのブランディングについて同業者の方とディスカッションしたい…!本当すごいのよ…!
みんな、今JYParkさんを注目しているけど、その後輩が仕掛けているBTSの会社の諸々が凄過ぎて勉強になりまくります。