ゼルダの伝説 知恵のかりもの(switch) ゲーム プレイ感想②


ゲームエンジンとビジュアル

『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』は、『ゼルダの伝説 夢をみる島』のリメイク版と同じゲームエンジンを使用しており、グラフィックの表現方法や視覚的な特徴が共通している。2頭身のキャラクターたちがジオラマのような世界を冒険するのは同様。

本作のグラフィックには夢を見る島と同じく被写界深度が使われており、ジオラマをカメラで撮影したかのような独特な雰囲気を持つ。前景と遠景がぼかされることで、まるでミニチュア世界に居るような体験をすることが出来た。

今作の主人公はハイラルの王女『ゼルダ』。ゼルダシリーズの主人公は『リンク』ということで有名だが、今作で初めて主人公として抜擢された。


本作のアクション「カリモノ」

タイトルにもある「カリモノ」は、本作の核となるゲームシステム。

ゼルダは周囲の物や敵を「借りる」ことで、それらの特性を活かしながら冒険を進めていく。木箱やベッドといった無機物だけでなく、モンスターすらカリモノの対象になる。借りたモンスターのステータスや移動方法はそのままなので、強敵を味方にする楽しさがある。

カリモノの活用次第で攻略方法が変化するのも魅力で、使い慣れたカリモノを常用する一方、新しいものを試すことで新たな発見が生まれるのが面白い。


自由度の高いゲームプレイとカリモノの活用

『知恵のかりもの』は、どこから進めるか、どのカリモノを使うかをプレイヤーが自由に決められる。しかし、導線はしっかり設計されており、自由度と遊びやすさのバランスが絶妙に取られている。

カリモノの使い方もユニークで、単なるアクションにとどまらず、環境と組み合わせることでさらなる応用が可能だ。例えば、木箱を積んで足場を作ったり、寒冷地では火を灯して暖を取ったりと、状況に応じた使い方を考えるのが楽しい。

戦闘中にベッドで寝るといった遊びも可能。


トップビューの意義と遊びの設計

本作では、見下ろし型ゼルダとしての「当たり前」を見直したことが大きな特徴となっている。トップビュー視点は画面内の情報を整理しやすく、謎解きに適している。

プレイヤーが考える材料が限られることで、謎解きに集中しやすくなり、「ヒントを前提とした謎」を出さずとも解ける仕組みになっている。これにより、理不尽な難しさを感じることなく、適度な試行錯誤を楽しめる。


キャラクターの個性と関係性

NPCの相棒キャラクター『トリィ』との関係性も本作の魅力の一つ。

最初はどこか無感情な態度を取るが、主人公『ゼルダ』との冒険を通じて次第に感情を見せるようになる。最終的にゼルダ姫がボーッと立っていると頭に乗っかってくる姿を見せるようになり、和むことが出来る。


勇者『リンク』の存在

ゼルダシリーズの象徴的存在である『リンク』も本作に登場する。

おなじみの緑の服に剣と盾を持った姿は、『夢をみる島』のリンクと同様。しかし、今作ではゼルダ視点でリンクを見ることになり、彼を単なるプレイヤーの分身ではなく、一つのキャラクターとして描いているのが印象的だった。

詳細は伏せるが、リンクは勇者としての存在感を発揮し、頼もしさを感じさせてくれる。個人的には『夢をみる島』から続けてプレイしたこともあって、前作主人公が登場したような感動を覚えた。


『夢をみる島』との関係性とシリーズの未来

ディレクターの青沼英二さんのインタビューによると、『夢をみる島』のリメイク版で得たグラフィック技術が、本作の開発の基盤となったという。また、「カリモノの性能を大きく変えすぎるとゲームのリアリティが失われるため、基本的に同じ特性を維持する」といった開発方針も明らかになっている。
またインタビューで、トップビューのゼルダは2Dゼルダの伝統を受け継ぎつつ、3Dゼルダと対比される存在として今後も発展していく方針が語られており、今後が期待される。


まとめ

昔ながらのトップビューの遊び、ジオラマのようなビジュアル、自由なカリモノを使って試行錯誤しながら解決策を見出す楽しさが詰まっていた。

カリモノによる多様な解決方法があるため、謎解きで詰まることはほとんどなく、難易度は比較的優しい。ゼルダシリーズ初心者や、子供が最初に触れる作品としても最適だと感じた。
実際、クリスマスシーズンに家電量販店で売り切れになっていたのを見かけたので、プレゼントとして選ぶ人も多かったのだろう。

ちなみに、自分が一番苦戦したのは馬の障害物レースでした。


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