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【医療情報技師】医療×ITの注目資格の試験概要を解説
医療とITの架け橋になれる存在「医療情報技師」
その重要性が増す中、資格に興味を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
医療情報技師ってどんな資格なんだろう。
誰でも受験できるのかな。
独学でも合格を目指せる試験名の?
といった疑問をお持ちの方もいるのではありませんか。
現役医療事務講師のすずきです。
現在も医療機関での仕事に携わりながら講師をしています。
第22回医療情報技師認定試験(2024年度)に初受験&独学で合格しました。
医療情報技師は独学でも十分合格を目指せる資格です!
本記事では、試験の概要について解説します。
医療情報技師への第一歩を、この記事と一緒に踏み出しましょう!
医療情報技師とは?
医療情報技師は、
医療と情報技術の専門知識を活かし、
医療現場での情報管理やシステム運用を担う専門家です。
現代の医療現場は電子カルテや医療データベースなどITシステムが欠かせない存在となっており、
医療情報技師はそれらを効率的かつ安全に活用するための重要な役割を果たすでしょう。
具体的な仕事内容は、働く職場や役職によって異なりますが、
新しい医療システムの検討、導入、スタッフへの使い方説明
ソフトウェアやハードウェアのトラブルシューティング
医療データのセキュリティ管理と保護
これらがメインとなることが多い印象です。
医療情報技師試験について
受検資格
受検のための資格は問いません。
試験実施時期・試験会場
毎年8月下旬(年1回)
2025年度 8月24日(日)
2026年度 8月23日(日)
全国13会場(北海道 宮城県 東京都 新潟県 石川県 愛知県 大阪府 岡山県 広島県 香川県 福岡県 鹿児島県 沖縄県)
試験方法・受検科目・試験時間・合格基準
マークシート方式による多肢選択試験
医学・医療系(50問、60分)
情報処理技術系(50問、60分)
医療情報システム系(60問、90分)
合格基準は各分野での基準点を満たし、
かつ総合で一定以上の得点を取得することとされていますが、
年度によって若干の違いはあります。
だいたい60%~70%ほどのようです。
試験内容
「医療情報 医学・医療編」
「医療情報 情報処理技術編」
「医療情報 医療情報システム編」(篠原出版新社)
の内容から主に出題。
ただし、医療制度の改正や情報技術の発展の動向など、
医療情報技師として知っておくべき事柄については、
教科書に記載がなくても出題することがあり。
また、科目合格制度を採用しており、
合格判定となった科目は2年間有効となります。
受験料(2024年11月時点)
15,000円(税込)
科目合格がある場合は13,000円(税込)
試験の合格率と難易度
医療情報技師の過去の合格率は年によって異なりますが、
約30~40%程度です。
過去の主な合格率の推移(過去2年間の科目合格で合格となった者も含む)
2024年 合格率 約37.4%
2023年 合格率 約36.4%
2022年 合格率 約34.2%
また、3科目同時合格ではもう少し合格率は下がります。
医学と情報の分野から構成されるため、
難易度は高い試験と言えるでしょう。
更新制の資格です※注意
医療情報技師は更新制となり、
有効期限は認定日から5年です。
試験の出題科目と構成
医療情報技師試験は、以下の3つの大きな科目群に分かれています。
それぞれ、医療情報に関連する専門知識を網羅するように設計されています。
医学・医療分野
医学の基礎知識:解剖学・生理学、 人体の構造や機能に関する基本的な知識
医療制度・政策:医療保険制度、個人情報保護法、医療安全管理など
医療現場の理解:医療行為の流れ、診断や治療に使用する機器の基礎
情報処理分野
情報技術の基礎:TCP/IP、LAN/WAN、通信プロトコル
プログラミング・データベース:ソートや検索、効率的なデータ管理
セキュリティ技術:情報漏洩対策、暗号化技術
システム設計・運用管理:ITIL、障害対応、システム監査
医療情報システム分野
電子カルテ:実際の医療機関で使用される電子カルテの運用方法
医療情報の標準化:HL7、DICOM、SNOMEDなどの国際標準規格
データ管理と分析: 医療統計やデータマイニング技術
医療情報の運用・安全管理:医療情報システムのトラブル防止やリスク管理
独学で挑むための準備
筆者は独学で合格できましたが、
医療やIT未経験でも挑戦できるかといえば・・・
結論から言えば、未経験者でも十分合格可能です。
未経験でも挑戦できる理由をあげていきます。
試験は基礎的な知識が中心
医療情報技師試験は、
専門的な分野にまたがる試験ですが、
内容は基礎的な知識が多く含まれています。
医学・医療分野では医療従事者が日常的に使う高度な専門知識というより、
医療制度や医療機器の仕組み、
人体の基本的な知識が問われます。
IT分野も、
プログラミングの高度なスキルよりも、
ネットワークやデータベースの基本が中心です。
公式の参考書や過去問が一般に販売されている
医療情報技師試験には、
公式テキストや試験に対応した過去問題集が存在します。
これらの教材を活用すれば、
独学でも効率よく勉強を進められます。
試験範囲が明確
試験範囲は明確に定められており、
出題傾向も過去問を分析すれば見えてきます。
これは、独学で学習計画を立てる上で大きなメリットです。
まとめ
医療×ITの資格である医療情報技師は、
今後のキャリアアップだけでなく知識を拡げていくこともできる将来性のある資格です。
活かせる場所も医療機関だけではなく、
IT企業などで関連ソフトの開発に携わったりすることも可能になります。
医療情報技師は、
技術的な知識とともに、
医療現場の業務理解も必要なため、
他のIT職種と比べて専門性が求められるため、
将来的には人手不足が深刻化する可能性があります。
医療情報技師は、ますます需要が高まる存在です。
公式テキストは書店等で購入でき、
受験資格もありません。
筆者も独学で合格しましたので、
是非医療情報技師への第一歩を、
この記事と一緒に踏み出しましょう!