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【わたく史】年長さんってすでに格差を感じている。

わたく史なる自分史を書くことを推奨しております、44歳のりょんこです。日々遠のいていく記憶と、それを掘り起こす作業。つらいことも面白いことも色々あって今ここにいる。
自分の人生なんて平凡だと思っていても、ちょこちょこあった出来事を書くなんだか自分にはエッセイのように見えてくるかも。
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保育園のころ、
同じ学年では、誰よりも早い保育園デビューをしていた私。年長くらいともなると自分なりに、勝手に小さい頃から通っている重鎮感をもってそれが自信であった。
私はここに長く通ってるんだから!
早いとか長いとか多いとかが数字のパイが大きいほど喜びを感じるお年頃なので、
それがすごいことだと思っていた。

でも、年長ともなると、あれっちょっとまって!
女の子は可愛いとかなんか惹きつけるものがあるとかそういうところで評価されるようだとわかる出来事がおこる。

赤子の頃より睨みをきかせる気の強さはあったが、私にはなんというか可憐さとかシュッとしたかわいらしさはなく。。。この、縦社会を上の子には目を付けられず、下の子には舐められないように、知恵と負けん気の強さで生きていた。

そこに、ある日ゆきこちゃんとみさおちゃんという途中入園の子がやってきた。
2人の纏っている空気は全く私とは違っていて
ゆきこちゃんはおかっぱで目が大きくて、名前がぴったりの色白さん。恥ずかしがり屋だがほがらか。保育園だけど、幼稚園感のあるいいとこのお嬢様のような品もあった。
一方、みさおちゃんは一見可愛いというわけではなく、ショートカットで、色黒のほう。ただ、こちらも恥ずかしがり屋さんで、華奢で足も長く、ちょっとナヨっとしていて、思わず守ってあげたくなるようなタイプ。

私を含めた保育園ベテラン組女子は、縦割り社会で生き抜いてきたので、それなりに性格も強く自己主張も強め。

そんな中に可憐な2人が転入してきたのだ。黒船来航!
男の子は一気に傾いた、見事に1人残らず。文明開花。
遠足のバスの席、お昼寝の場所、お弁当の場所、おやつの場所
とにかく、その2人横ポジの取り合いである。

古株の女子6人は、ただ、それを時代遅れの日本人のように呆然と見ているしかなかった。

今まであの男の子は私が好きと言ってくれたのになんて、刹那げに囁く子もいて。
漫画の世界、マドンナってこんな風に誕生するんだなーと感じた。
そして、世の中には
絶対的にモテる女子がいるということを知る。

あー私はその土俵にすら全然のれていない、たぶんこの先乗ることもないなーと気づいてから、この狭い世界が窮屈に感じて仕方なかった。
頑張っても無理じゃない?みたいな感覚笑

そういえば、2人は恥ずかしがり屋でありつつ、字も綺麗、絵も上手い、楽器も弾けるという、
欲張りマルチタスクこなし女子だった。

もう、自分が不憫でならなかった。

生まれ持っている何かには叶わないと子どもの頃ほど感じるのかな。
子どもの頃の評価は短絡だし、評価項目も少ない。足速い子や面白い子がモテる、可愛い子、優しい子がモテるとか。ざっくりとしたもの。

大人になると、人を多面的に見たり、自分の好みもある程度出てきて、多様になるので、ある意味評価は広がり楽なのかもしれない。

そういえば、年長の楽器演奏の発表会で、私は花形楽器の一つ木琴をしたかった。ゆきこちゃんやみさおちゃんになりたかったのだ。でもピアノも習ってないし、ドレミもわからない。
でも、2人の輝きをみて木琴をしたかった!
別室に呼ばれて、先生2人の前でのオーディション。
ドレミファソラシドを叩いてごらん

その指示に緊張しつつ、やってみた。びっくりするほどできない。先生も激励をこめて、もう一回チャンスをくれて、再チャレンジ。ドレミまでしか叩けない。
先生の困り顔今でも覚えている。2人の先生が
ため息と共に顔を見合わせて、
とりあえず教室戻ってね

と言われたなー。
そして、私は晴れて、毎度お馴染みトライアングルになりました。

ゆきこちゃんとみさおちゃんはもちろん木琴。
屈辱だったなー私はそちらの女子ではないんだと明確に感じた年長だったなー。

目立つ武器もってない
あたいはなにで勝負をするのか⁈
そこに気づいて活路を見いだすは小5の時だった。これには環境要因も大きく関わっているけど。

とりあえず、女子の年長は意外と大人な考えしてました。
自分の娘もたぶん言語化できないだけで、想像以上に色々感じていることだろうと。

あー自分を辿るって気づきが多い。

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