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元銀行員と元理事長の会話

元銀行員「とうとうばれちゃったわ。貸金庫にいくら入っていたかなんて本人ですら知らないことがあるし、一億円入れておいたのになくなったと言われても、証拠はないのだから銀行としては相手にしないのが鉄板ルール」

元理事長「とうとうばれちゃったわ。あなたは単独犯だからバレるはずはないと踏んでいたのよね。私は権勢を振るって反対派を放逐したからそういう意味でバレるはずはないと踏んでいたのよ。」

元銀行員「FXに手を出したのがまずかった。巨額の損失を出してしまったからね。多くの貸金庫から少しづつくすねておけば、まずバレることはなかったわ。単なる“本人の勘違い”で済んだはずよ」

 

元理事長「支店長代理まで出世したのだから、貸金庫のスペアキーを持ち出せたのでしょう。だれも不審に思わないわよね」

元銀行員「それがね、、、。」

元理事長「なになに??」

元銀行員「支店長代理って何人いるか知ってる?」

元理事長「せいぜい2~3人?」

元銀行員「インフレ職位なのよ。営業担当者は全員支店長代理の名刺を持たされてる。さすがに新入社員はだめだけど、二年目からは立派な支店長代理(笑)」

元理事長「なるほど、インフレね。上手いことをいうわ。でも、間違いじゃない。支店長の代理で伺いましたで済みますものね」

 

元銀行員「理事長なんてすごいじゃない。しかも医師免許も持っている。売文業のどこかの理事長とは違うわ。」

元理事長「でも創業者一族だから、学内では理事になる前から一目も二目も置かれていた、というか私は未来の理事長よというオーラを振りまいて歩いていた(笑)」

元銀行員「ハッタリも必要ということね」

元理事長「ハッタリはひどいわ。けど、当たらずも遠からずかしら。大学ってそれ自体が権威だけど、職員は権威に弱い、そういう人種なの」

 

元銀行員「私は短大卒だから大学のことは分からないけど、銀行は序列社会。ルーチン以外はやらない。前例主義。メガネを掛けてスーツを来てネクタイは外さない。決して悪いことはしませんというオーラを出している。バカ正直の典型。人事の年次主義で国家公務員のキャリア制度と同じで、飛越人事はなし。抜き出るやつは許さない。不満分子を作るようなことはしない。みんな横並びで出世させる。仲良しクラブで安全第一。それに」

元理事長「それに?」

元銀行員「人の業務ややり方には口出ししない。人が何をしていようと、干渉しない。我関せず。スペアキーだって、あんたおかしいんじゃないなんて口が裂けても言えない」

 

元理事長「私が、不満分子に対して効果があると確信するのは、後輩をそいつの上司に据えること。これはかなりショックで、そう間をおかず辞めていくわ。自尊心を傷つけるのはこれに限る。」

元銀行員「そういう手は銀行では、使えない。まして私はたかだか支店長代理だから、人事権はないし。そういえば、金塊や現金を自宅に保管しておいたんだって?」

 

元理事長「そうそう。時々出しては黄金色のインゴットを眺めて、幸せ感に浸っていたものよ」

元銀行員「なるほどね。でも、押収されちゃったじゃない。もう取り返せないわよね」

元理事長「大丈夫。もう一つ貸金庫を借りているから」

元銀行員「スイス銀行?」

元理事長「それが、丸菱USO銀行」

元銀行員「あ!それ頂いたわ!」

元理事長「え!汚いわよ。返して!」

元銀行員「汚いのはどっちよ。還流って結局は公金横領じゃない。」

元理事長「人の貸金庫をスペアキーで開けて盗むなんて二重に窃盗じゃない。」

 

この会話はフィクションであるが、終いにはどちらが元銀行員でどちらが元理事長なのか、発言内容からは判断がつかなくなっていったとさ。写真で見る限りも似ている。

どっちがどっちで、どっちもどっちか。

 

金庫を英語で(safe)という。安全(safe)とは言えない金庫とは何たる皮肉か。

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