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『三宅雪嶺人生訓』三

https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/933730/1/19

〇能力と発憤
 人の能力に限りあるも、奮発すると否とにて、行動に少からざる差異を生ず。火事に際して担ひし所、鎮火後に担ふ能はざるが如き、全く神経興奮の如何に因る。

【現代語訳】
〇能力と発憤
 人の能力には限りがあるものの、発憤するか否かにおいては、行動に少なからず違いが生じる。(たとえば、)火事の際に(家財を)背負って逃げるようなことは、消火後ではできないように、(この発憤による非常な力の発揮は)完全に神経の興奮次第による。

『日本及日本人』、『三宅雪嶺人生訓』二頁

【補説】
いわゆる「火事場の馬鹿力」である。

発憤(発奮)については、これも雪嶺の書によく見られる語であるため、いずれ詳しく触れたい。


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