この記事は、【日報】🎉SPAWN30周年おめでとう🎉、映画についてわかっていることまとめ【2022年まで】
の前半部分に該当します。
🎉SPAWN30周年おめでとう🎉
1992年6月1日……アメコミはモダン・エイジの真っただ中。街中でイカが爆発し、この後クライシスしまくる世界が初めのクライシスを起こした傷跡も冷めやらぬ、そんな時代。
ニューヨークで駐禁取られたカナダ人が描いた、この後さらにアメコミが片っ端から冷蔵庫に女性を詰め込んだり、特に理由なく目を光らせたり、鎖をめっちゃジャラジャラさせたるする元凶(フランク・ミラーが悪いよ。)となった歴史的コミックが発売された……そう、皆さんご存じ、トッド・マクファーレンのSP💀WNだ。
紅いマントを翻し、長い鎖をたなびかせ、片手には機関銃、片手には魔法の光を携えて夜の闇を駆けるダークヒーローにアメリカの青少年(多分モータルコンバットにもハマっていた。)はすっかり夢中。グリム&グリッチィ全盛のゴアゴア&バイオレンス、基本的に後味が悪く、ヒーロー賛歌に忠実なのに基本的に悲劇にヒーローが間に合ってない、そんな大人気コミックSPAWN。1997年にはアニメ化と実写映画化も果たした黒赤緑のダークステロイド型ヒーロー漫画である。
それで、今年の夏でSPAWNの発売30周年ということもあり、なんだか噂になっているようで新情報が微妙に乏しいリブート版についてまとめる……と二か月くらい前に日報で書いていたのだが、いろいろ忙しくて全然描けていなかったので流石に書こうと筆を執った次第である。
このトッド・マクファーレンという人物は傍から眺めてる分にはめちゃくちゃに面白い人物で、映画化して暫くイメージコミックが分裂したりしなかったり、あのニール・ゲイマン(サンドマンとかアメリカンゴッズの人。アラン・ムーア、グラント・モリソンの両者とツーショットが取れる稀有な人材)と金の理由だけで十数年単位で法廷闘争出来たり、裏方回ろうとしたらロバート・カークマン(ウォーキングデッドとかインビンシブルの人)に無理やり表舞台に引きずり出されたり、愉快(本当に愉快か?)なエピソードには事欠かかないのだけれど、その辺書いてるとマジでキリがないのでとりあえずSPAWNのリブート映画について時系列でまとめていきたい。
2009年のたわごと
2009年、Spawn誌が記念すべき#200号を迎えるのが見えてくる頃、すでにトッドはインタビューでこんなことを答えてたりしていた。
(実際は2007年くらいから映画でなんかやりたいと言っていたらしいが、ソースがみあたらなかった。)
という訳で、トッドは自分で低予算映画を監督するとか、ビッグバジェット映画をプロデュースするとか、まぁざっくりとそんなことを考えていたりしたようである。
ただこの時は、"big comic-book movie"をするつもりはなかったようでもあったらしい。
この前のトッドはしばらく画業の表舞台から名前が消えていたり、自分のおもちゃ会社の方に注力していたり、モチベーションが低下してたのか若干名前が出なくなりがちだったところを前述のロバート・カークマンに熱心なファンの振りをしてまた引きずり出されるという事件があったりするのだ
が、それはいったん置いておく。
先にドラマを仄めかしだす2010年
実は実写映画スポーンのリブートよりも早く、トッドが実写化を仄めかしていた作品があった。
それがスピンオフ作品となる『Sam and Twitch』である。
2010年の5月から6月にかけて全4話で発表されたSpawnの派生誌となる『Sam & Twitch : The Writer』に関するインタビューの中でトッドが
と、一時間サイズのドラマとして『Sam and Twitch』を大物プロデューサーが企画してるとか言い出す。大物の部分は、たぶんトッドがまた変な事いいだしただけなので気にしない程度にするとしても、大切なのは2010年時点で『Sam and Twitch』のドラマ化企画が生じていたことである。
そもそもサムとトゥイッチって誰だよ、という感じかもしれないので軽く説明すると、トゥイッチはSpawnの創刊号からいるキャラで、だいたい痩せぎすのトゥイッチ・ウィリアムズと肥満体のサム・バークスという二人でコンビを組んでる刑事のキャラクター。
スポーンを追いかけたり、協力したり……要するに魔法とか悪魔とか地獄とか、がっつりオカルト存在であるスポーンに対して、ストーリーに一般的な人間としての視点を提供する役割を持ったキャラクターだ。
ともかく、映画の噂が色めきだつ前から、『Sam and Twitch』のドラマ化企画があった。ということを覚えておこう。
事の起こりは2013年までさかのぼる
そんなこんなでファンたちの間で、再実写化についての噂こそ盛り上がっていたのだが、当人から映画化に向けて話が明言されたのは2013年、ファン・エクスポ・カナダでのインタビューである。
インタビュー内でSpawnのリメイク、リブート映画について問われたトッドは以下のように答えている。
リブート映画について低予算での制作、ホラー・スリラー志向になると明言している。
また、この時は来年…つまり2014年には撮影開始できると言っていたようだ。実際は2022年7月時点でまだ撮影開始してるのか不明。なんでだよ!
なお、同インタビューではアカデミー賞俳優について語られているが、これはトッドがまた変なことを言い出したというよりは、俳優のジェイミー・フォックス(2004年に『レイ』にてアカデミー主演男優賞を受賞)がアメイジングスパイダーマン2のインタビュー内で「演じてみたい役柄は何か?」という問いに回答した
について対応していると思われる。
トッドのインタビューはジェイミー・フォックスのインタビューから約一か月後であった。
同年の十月にはさらに踏み入った発言があり、
予算規模が1000万ドル程度になる事、スーパーナチュラル的なスリラーになる事などが改めて明言され、また現在判明しているブラムハウス・プロダクションの制作への関与も死霊館シリーズへの言及で仄めかされた。
また、ジェイミー・フォックスのキャスティングも明言されたこととなる。
つまるところ、今現在リブート映画についてわかっている、
低予算(1000万ドル)規模
ホラー・スリラー志向、
ブラムハウス・プロダクションが制作
ジェイミー・フォックスがキャスティング
は初報となる2013年でもう決定していたようである。
ワッと情報の来る2017年
といった具合だったのだが、問題はこの後。
トッドからの続報がまーったく無いまま四年近く経過する。
2016年にToy Fair New Yorkにて映画についてのインタビューには答えているが既に出ている情報しかなかったので割愛する。それでも3年だよ!
一方で、前述した『Sam and Twitch』のドラマ企画については続報があった。
インタビューに答えているのはBBC America頭取のSaraha batnett氏(同氏は2020年夏に同役職を辞任)
ともかく、このインタビューから『Sam and Twitch』のドラマ企画について『クラークス』や『Mr.タスク』(あとワインスタインから金払って貰えなかったこと)などで有名なケビン・スミスが脚本、監督、製作総指揮を務めること、BBC America制作になること、などが明らかになった。
ちなみにケビン・スミスは日本だともっぱら映画監督として著名だが実はアメコミのライターやってたりもする。
脇のドラマはどうやら前向きに進んでいるようなのだが、映画についての続報が全くない。いい加減ファンも本当に作ってるのか訝しみ、別のことに関心が向かう年月……四年の沈黙を破り、トッドは突然フェイスブックで映画についての近況を語りだす。
脚本の初稿が180頁あって長すぎとかそういうことも言っているが、とにかく2017年5月頭の段階で脚本作業中、かつ配給が決まっていないことが分かる。
この時サンディエゴ・コミコンまでの2か月でさらに情報公開できるだろうとも言っており、コミコンにはまたフェイスブックから映像送ってきた。
※隣にいるのが『Sam and Twitch』を製作予定のケビン・スミス。
ドラマの方の企画はかなり前向きに進んでそうな雰囲気。
前後してジェイソン・ブラムからの声明もあり、R指定の付く映画となる事、ブラムハウス・プロダクションとトッド自身の映像プロダクションとの共同での制作になる事、トッド自身が監督する事などが明言される。
あとアニメについて、新シリーズやるなら映画の続編になるカモみたいなことを言っていたが割愛する。
まぁだいたい上記の流れを汲んでいるので予想の範疇な情報ではあった。
約2か月後のインタビューでは内容に関しての言及があり、
鮫映画の金字塔にして大量の電波映画を垂れ流すこととなった映画『ジョーズ』の保安官ブロディを引き合いに、主人公スポーンことアル・シモンズのほかに、狂言回しとして刑事のトゥイッチがメインになりそうなことをほのめかしている。
トゥイッチの説明については先述した通りなのでそちらを参照するとして、保安官ブロディとトゥイッチを重ねていることを覚えておく。
同年11月にはトッドがTwitter上で脚本の冒頭シーンを公開。
あくまで初稿であること、脚本作業がこの後も続けられる事から、このプロットがそのまま使われるとは考え難いが、公開されたシーンから察するに
SamとDannyの会話から始まるようであることが分かる。
ほどなくしてアリゾナACEコミコンに置いてトッドがまたインタビューに回答。
分かるのは、2018年年始(1/4)時点で脚本を承認したばかり、予算計画中、キャスティング進行中、完全なR指定、つまり制作が前に情報だしてきたときからあんまり進んでいないことなど。
特に脚本の内容について、主役はスポーンではなく、それを追いかける警官である。という説明があった。この警官もまた、『ジョーズ』のブロディにたとえられていることから、先のインタビューと重ねると実写映画の『SPAWN』について
主役がトゥイッチ(と相棒のサム)であり、刑事の目線からスポーンを追う。
ような内容っぽいなとなんとなく予想が建てられるようになってくる。
2017年までに出た内容をまとめると
リブート映画『Spawn』は
低予算(1000万ドル)規模
ホラー・スリラー志向
トッド・マクファーレンが監督、脚本
ジェイソン・ブラムがプロデュース
ブラムハウス・プロダクションとマクファーレンエンタープライズが制作
ジェイミー・フォックスがキャスティング(スポーン、アル・シモンズ役)?
主役はトゥイッチ刑事 (視点の提供、狂言回しかも)
ドラマ『Sam And Twitch』は
BBC Americaで企画進行中
脚本、監督、製作総指揮にケヴィン・スミスが就任
といった具合だ。
調べていったら、いろいろと長くなってしまったので、現在までの情報は分割し、
2017年~2022年は以下、別記事に記載します。