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ワークマンの本がおもしろすぎた3

続きです。これで終わりです。

行動原則を経験からデータに変更

全社的な判断基準は経験や勘だったが行動原則をデータ重視に変更。
行動原則とは社員が判断に迷ったときに立ち変えるもの。行動原則にデータが置かれていれば過去のやり方を否定したり、人格を否定することにはならない。勘と経験による意思決定をデータに基づく意思決定に帰れば誰でも経営に参加できる。社歴に関係なくデータを活用して平等に議論でき上司に忖度しない、「社員のストレスになることはしない経営」をすることができる。

データに従うのではなくデータで考える

ただデータもとればいいと言うものではない。データに従うのではなくデータを活用して一人一人が自分の頭で考えることが大切だ。たとえば有名な話で『スーパーで紙オムツを買った人は缶ビールを一緒に買う傾向がある』というデータがある。データだけにしたがうと、おむつ売り場にビールを置く。ビール売り場にオムツを置く。といったまともじゃない判断をしてしまうことになる。

エクセル経営

ワークマンの理想は優秀なリーダーに社員がついていくと言う姿ではない。
普通の継承普通の社員が支えながら市場で圧倒的に勝ち続けることだ。カリスマ経営者による形は確かにすばらしいが持続性に欠ける。トップが劣化すると組織全体が劣化する。だから万が一トップが劣化しても、社員は劣化せずに意見を出し勝ち続けていくのがいい会社だ。だからワークマンは普通の人の知恵を集めてできるExcel経営を目指す。自分で関数やマクロを使い自分視点で分析すること自体が大事。特別なソフトも必要ないし高度な分析も必要ない。社員が自分の頭で考え進化していくことが重要なのだ。全員参加でないと意味がない

良い上司

上司でも間違うのは当然の時代だということを皆で共有した。だから部下の指摘はありがたいものとして受け入れる。上司は頭を柔らかくし部下が数字で問題点を指摘してきたら、実験して検証された意見を変える。これが良い上司だ。自分の意見を簡単に変えられると言うのは1つの能力だと思っている。

データ経営で伸びる人伸びない人

データベースにアクセスしていないグループはコミニケーション能力が高く仕事はできるがやり方が属人的になっていた。店長と交流を深め、信頼関係で自分の提案を店長に実行してもらっていた。コミュニケーション型は、天性の人間力でうまく店長の懐に飛び込み、相手の心をくすぐる技を持っているが、先天的な要素が多く0から育てるのが難しい。一方データベースにアクセスしているグループはデータを分かりやすく示して店長を説得していた。データ活用形は後から学ぶことができる。社内で育てられる。再現性がある。データを行動原則にすると、今まで自信が全くなかった人、存在感のなかった人、店長に信頼されていなかった人が自信を持ちトップクラスの人材になりリーダーになる。

やり切る能力がある人

やり抜く力は後天的に身につけられる。やり抜く力を伸ばす4つの要素は①興味があることに打ち込む②チャレンジせざるをえない環境を作る。失敗はしてもいい③小さな成功体験を積み重ねる④やり抜く力がある人のいる環境に身を置くことが必要。
大切なのはこれらをトップダウンで実施するのでは無い。4要素とも素晴らしいものだが、他者から強要されたら巨大なストレスになる。
しない経営の最も大切な点は『社員のストレスになる事はしない』である。頑張らないことが大切で決して頑張ってやりきってはいけない。普通の人が普通に働いてやり切らなくてはならない。誰かが死に物狂いで努力して達成しても迷惑だ。なぜならそのやり方は後から続く人にとって再現性がなく何の役にも立たないからだ。

人は夢で動く

やり抜くときに重要なのはゴールや夢を持つことだ。ただ夢や希望や興味と言うものは自分のものであるから能動的に動くのであって、他人のものには無関心である。社員の中には会社の中で自分のやりたいことを実現したいタイプがいる。だが彼らのように特別に強い興味を持つ社員は少数であることを経営者は自覚すべきだ。興味がないわけではないが小さな興味で働いている場合がほとんどだ。そういう人には『会社の夢』に『個人の少しの興味を持ちながら』付き合ってもらうことになる。
だから報酬は大事だ。多くの会社は事業や事業の夢については雄弁に語るが社員の夢や報酬については語らない。売り上げ目標あっても社員の報酬目標がない。こういう条件を満たしたら皆さんの給料をあげますと条件付きで約束して社員と一緒に進む。夢に対して経営は本気で取り組み成果が出なかったら潔く謝る。

得意と感じてもらい本当に得意になってもらう

ワークマンの直営店は入社1.2年目の新人に任されている。そこではデータを活用しながら挑戦を繰り返しレポート書くのが主な仕事で売り上げは一切見ていない。トレーニング店舗と言う位置づけで社員にチャレンジすることと小さな成功体験を味わってもらう場にしている。チャレンジと小さな成功を体験する上で重要なのはハードルの低さと褒めることである。みんなが90点を取れる問題が良い。得意と感じた事は本当に得意になっていく。なぜなら興味の度合いがどんどん強くなるからだ。

やり抜く力がある人のいる環境づくり

経営者の仕事はやり切る環境を整備し続けることである。やりきる人がたくさんいて、やり切ることが推奨される環境ならやりきる人は確実に増えるだろう。SVはそれまでコミュニケーション能力の高い人が評価を受けていた。一方でデータ活用で頭角を現したのはコミュニケーション力の低かった人たちである。実績を上げても公に発表するタイプではない。謙虚さは美徳ではあるが表舞台に立ち賞賛されることで人が育ち、会社が求める人材像が浸透していく。やり切る力を持つ人を経営者が評価することでやり切る力を根付かせることができる。

人のやる気を削ぐ上司

ノルマは部下にストレスがかかり、急速にワクワク感を奪う。ノルマは経営者や上司の不安の表れだ。性悪説に立ってノルマを与える。本当に納得していない状態で課題ノルマが課されても意味がない。条件を整えて、自発的に目標や期限を決めて仕事に打ち込む環境を作るべきだ。

2:6:2の法則も普通とは違う

普通は上位2割に力を入れるが、ワークマンは上位以外の8割を活性化し、全員経営を目指す。そのためには仕事、会社への興味の度合いを少しでも増幅させる事が不可欠と考えた。とにかく、ないなら作ってでも得意分野の仕事をやってもらい。改善報告会ではどんな内容でも絶対に批判せず前向きにほめまくる。
自分は得意、だと思ったら人は伸びる。人よりも優れていると思ったら伸びる。化粧することもなく、事実のままにできた範囲で褒めればいい。もちろん一人一人と向き合うのは、心身共に疲労する。でもこう考える事にした。一人の雇用には間接費も換算すると年間1200万ほどかかる。だからその人が8割活性化したとすれば年間で960万もの得をした事になる。1日中面談して疲れた、ではなく1日で960万も稼いだぞ。逆にこれをしないのは勿体ない、と。

組織は社員の力以上に成長しない

カルロスゴーンさんのように中途で入った超大物人材はいろいろ改革して一定の成果を出す。社内にあった過去からのしがらみや制約条件を一掃するからだ。でもそれは社内でもできる。社員の能力を信じて社員に改革や成長を阻害する制約条件を洗い出させ経営者が実行すればいいだけだ。制約条件は外部環境から与えられたものは少ない。経営者が勝手に作っていたり社内の悪しき慣習から湧き出してきたりするものが多い。社員が自ら改革できれば達成感も大きい。外部の大物に任せても、やる事は一緒だ。だからこそワークマンは経営幹部クラスの中途採用は絶対しない。何が何でも社員を育て抜くつもりだ。組織の社員の力以上には成長しないからだ。

何をやるかは経営が、どうやるかは社員が決める

新事業や新業態に進出するときは経営が不退転の決意を示すべきだ。何をやるかは経営が決める。しかしそれをどうやるか、社内の知恵を集めて試行錯誤する。つまりどうやるか社員が決める。だから常に社員のやりたいことをヒアリングしできるだけそれに沿うように方向付けをする必要がある。そうすることで会社の夢ではなく自分の夢、自分の興味あることになる。会社の押し付けではなく社員がワクワク感を持つから大きな力を発揮するのだ。

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